<画像引用元>pixabayからの画像
近年販売されているプロテインサプリの中に、BCAAという気になる成分が含まれているものがあります。筋肉に良いという噂を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、具体的にBCAAは、どんな役割を持った成分なのでしょう?アスリートにとって必須の成分なのでしょうか?
BCAAとは、いわゆるアミノ酸の一種です。まずは「アミノ酸とは何ぞや?」というところから理解していきましょう。
アミノ酸とは、タンパク質が分解され尽くしたときの最後の姿。食事から摂取されたタンパク質は、体内でペプチドに変わり、やがてアミノ酸へと分解されます。
自然界にはたくさんのアミノ酸が存在しますが、それらのうち人間の体内に存在するアミノ酸は20種類。食事から得られたタンパク質は、最終的にはこれら20種類のいずれかのアミノ酸に姿を変え、体内でそれぞれの役割に応じた働きをします。
BCAAとはアミノ酸の一種。具体的には、人間の体内に存在する20種類のアミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類を総称してBCAAと言います。
なおバリン、ロイシン、イソロイシンのいずれも、人間の体内で自然に作られることはありません。人間の生命を維持するうえで欠かせないアミノ酸である一方で、かならず食事から摂取しなければならないアミノ酸です。このようなタイプのアミノ酸のことを、「必須アミノ酸」と言います。
<画像引用元>pixabayからの画像
運動時におけるBCAA摂取の効果については、さまざまな研究機関が各種データを報告しています。報告の概要を見てみましょう。
BCAAのうち、ロイシンには筋タンパク質の合成を促進する働きがあるとされています。またイソロイシンには、筋タンパク質の分解を抑制する働きがあるとされています。バリンは筋肉の衰弱や損傷を抑え、運動能力全般に寄与することが知られています。
BCAAには、体内で速やかにエネルギー源になる性質があります。そのため持久運動時にBCAAをこまめに摂取することで、既存の筋肉がエネルギーに変わることを抑制。持久運動能力の向上に寄与します。
また疲労物質としても知られる乳酸の生産を抑制する働きもあることから、後述するように、持久運動後の疲労感の抑制効果が期待されています。
ある陸上競技部の合宿において、男女の長距離選手12名について、BCAAを摂取しているグループと摂取していないグループの疲労感を比較しました。結果、BCAAを摂取しているグループにおいて、有意に疲労感が抑制されていることが分かりました。
<画像引用元>pixabayからの画像
運動する際、どんなタイミングでどの程度の量のBCAAを摂取すれば良いのでしょうか?大塚製薬の研究結果をもとにご紹介します。
大塚製薬の研究によると、BCAAの血中濃度がピークを迎えるタイミングは、摂取から約30分後。運動中、常にBCAAの濃度を高く維持しておくことが理想と考えるならば、まずは運動する約30分前にBCAAを摂取しておくことがポイントです。
その後もBCAAの血中濃度を高めに維持するために、運動中もこまめにBCAAを摂取します。また疲労回復を抑制する意味で、運動後30分以内にもBCAAを摂取しましょう。
大塚製薬の研究によると、BCAAを2,000mg以上摂取したグループでは、摂取から2時間後でもBCAAの濃度が高めに維持されていました。一方でBCAAを1,000mgしか摂取していないグループでは、摂取から1時間後で摂取前と同レベルの濃度にまで低下していました。
この研究結果を受け、同社では「運動30分前~運動中にBCAAを2,000mg以上摂取」することが望ましいと結論付けています。
バリン | ロイシン | イソロイシン | BCAA量 | |
ホンマグロ赤身 | 1,400 | 2,100 | 1,300 | 4,800 |
牛ひき肉 | 850 | 1,400 | 790 | 3,040 |
鶏卵2個 | 830 | 1,100 | 680 | 2,610 |
生乳 | 190 | 280 | 150 | 620 |
表を見て分かる通り、これら食材にも豊富なBCAAが含まれています。ただし問題は、これら食材を運動中に摂れるかどうか、といこと。ランニングしたり自転車に乗ったり水泳したりしながら、こまめにホンマグロの赤身や鶏卵などを摂ることは、まず不可能でしょう。アスリートにとって、現実的にはサプリメントを利用するしかないようです。
▼【HMB体験】体脂肪最大マイナス5.1%筋肉量2.7㎏アップを達成!