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ここでは、HMB・BCAA・EAAのそれぞれの違いを確認していきます。
アスリートたちにとって、今や必須アイテムとなったプロテインサプリ。近年では単なるプロテインだけではなく、HMBやBCAA、EAAなどの成分を配合する商品も数多く見られるようになしました。HMB・BCAA・EAAは、それぞれアミノ酸の一種なのですが、期待される効果はやや異なります。効果的なトレーニングのため、目的に応じた適切なサプリメントを選ぶようにしましょう。
HMB・BCAA・EAA、それぞれの違いに注目しながら、意味や期待される効果、おすすめの人などについて詳しく解説します。
HMBとは、必須アミノ酸の一種「ロイシン」が消化されるときに生まれる物質。正式には「β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸」と言います。摂取した「ロイシン」のうち約5%相当量がHMBになる、と言われています。
なお「ロイシン」が属する必須アミノ酸とは、筋肉を含めたタンパク質を構成する物質の一種。体内で自然に生成されることがない物質なので、食事やサプリメントなど外部から摂る必要があります。
HMBには、主に3つの効果が期待されています。
1つめが筋肉の合成促進。筋肉の合成を促進する「mTORシグナル伝達経路」を活性化させることで、筋肉ができやすくするとされています。2つめが筋肉の分解抑制。筋肉がエネルギーに変化する働きを、HMBが抑制すると言われています。3つめが筋肉の回復力アップ。コレステロールの合成を手伝う働きの結果として、筋肉疲労の回復を早めるとされています。
ご説明した通り、HMBには、筋肉の合成をサポートしたり筋肉の減少を抑制したりする働きがあります。筋肉疲労の回復を早める働きもあることから、筋肉をよく使う種類の競技をやっている人、常に一定以上の筋肉をキープしていたい人、筋肉による基礎代謝アップでダイエット効果を狙っている人などにおすすめの成分と言えます。
BCAAとは、必須アミノ酸の「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3種類の総称。人間の体内には9種類の必須アミノ酸が存在しますが、そのうち、筋肉や持久力に強く関連するこれら3種類を指し、まとめてBCAAと読んでいます。
ちなみに上述のHMBは、これらBCAAのうち「ロイシン」の消化後に生まれる物質。よって生成量の問題は別にして、BCAAを摂取することにより、体内ではHMBも同時に生成される形となります。
BCAAには「ロイシン」が含まれるため、HMBと同じ効果が期待できます。筋肉の合成をサポートしたり、筋肉の減少を抑制したりする効果です。筋肉の回復力を高める効果も期待できるでしょう。
またBCAAには、体内で速やかにエネルギーに変わる性質があることから、長時間にわたる持久力の維持をサポートする、とも言われています。大塚製薬を始め、BCAAの効果に関する臨床研究は、たくさんの研究機関で行われている模様です。
HMBと同様、基本的には筋肉をよく使う人、一定以上の筋肉をキープしたい人、効率的なダイエットをしたい人などにBCAAをおすすめします。また、持久力の維持や運動後の疲労回復にも効果が期待できることから、マラソンやトライアスロンなど、長時間を要する競技の選手にもおすすめです。
なお、より効果的な筋トレを目的に、HMBとBCAAを併用している人もいるようですが、併用により効果がアップするかどうかは不明です。
EAAとは、いわゆる必須アミノ酸のこと。私たち人間の体には20種類のアミノ酸が存在しますが、それらのうち、体内で自然に生成されることのない9種類のアミノ酸(食事などで外部から摂取しなければならないアミノ酸)のことを、必須アミノ酸(=EAA)と言います。
なお、上でご紹介したBCAAは、必須アミノ酸である「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の総称。つまりEAAには、BCAAがすべて含まれるということになります。
BCAAとは異なり、運動におけるEAAの効果については、多くの臨床研究が行われているわけではありません。ただしEAAの中にBCAAが含まれている以上、大は小を兼ねるの発想で考えれば、EAAにもBCAAと同じような効果が期待できる、と考えて良いかもしれません。
なおEAAを構成する9種類の必須アミノ酸のうち、「トリプトファン」はリラックス感や眠気を誘発する物質として有名。よ緊張感や集中力を必要とするアスリートには適していない成分、との指摘もあります。
EAAの中にはBCAAが存在し、BCAAの中にはHMBが存在します。よって単純に考えれば、BCAAやHMBの効果を期待するアスリートすべてに対し、EAAがおすすめということになります。
ただし上記の通り、EAAに関する臨床研究は、まだ多くは行われていません。単純に、大は小を兼ねるわけではないかもしれません。今後のますますの研究が望まれます。
以上、HMB・BCAA・EAAの違いについて確認しました。いずれの成分も、いわば親戚のような関係であることが、よく理解できたと思います。
アスリート仲間やトレーナー等と検討しながら、自分の競技、自分の目的にもっとも適したサプリを選んでいくようにしましょう。
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