トライアスリートであれば一度は耳にしたことがあるロードバイクのオーバーホール。バイクの性能を維持し、より安全で快適に乗り続けるためには欠かすことのできない作業となります。ですが、始めたばかりの初心者の人はどのようにすればよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、ロードバイクのオーバーホールについて紹介していきます。興味がある人は参考にしてみてください。
オーバーホールとは、できる限り購入した時と同じレベルの性能に回復させることやカスタマイズをすることで、購入時よりも高いパフォーマンスが得られるようにすることを意味し、簡単に言うとロードバイク全体のメンテナンスと考えれば差し支えありません。では、具体的にどのようなことを行っていくのか確認していきましょう。
まずは、フレームに取り付けられているパーツなどを全て取り外して分解するところから始めます。ホイール、ワイヤーケーブルはもちろん、ギア周りのパーツであるコンポーネントをはじめ、ロードバイクに取り付けられているパーツをすべて単体にしていきます。中には専用の工具が必要となる場所もあり、慎重に行わなければなりません。
次に分解したパーツを洗浄し、磨き上げていく作業。部品によっては油汚れが目立つ部品があるので、これらについては専用のクリーナーを使用しながら脱脂、クリーニングを行います。クランクやチェーンリングなども特に油汚れが溜まりやすい部分は、アルコール系の洗浄剤を使うのがおすすめです。重要なパーツであるBB(ボトムブラケット)を取り外した部分もアルコール系のクリーナーで洗浄し、BBをスムーズに取り付けられるように固着防止のグリスを塗っておきます。
また、最近ではプレスフィット(圧入)式のBBがローバイクを中心に多くなっています。プレスフィットの場合は、基本的に取り外しをせず、ベアリングやシールのクリーニングを実施。またプレスフィット式の場合、セラミックベアリングが入った高性能のBBに交換するのもおすすめです。
続いては足回りのメンテナンスです。まずはホイールの振れ取りを行い、縦横にブレがないか確認し、調整していきます。この際、スポークが曲がっていたり、折れている場合は新品に交換しなければなりません。次に、ホイールバランスもチェックします。ホイールバランスは、リムにシール状のおもりを取り付けて、ホイール全体の重量バランスを調整。ホイールバランスがしっかり取れていないと、下り坂をはじめスピードが出た時に車体が暴れ、それをコントロールすることで疲労がたまってしまうので注意が必要です。この部分については、意外と対策されていないユーザーさんが多く見受けられます。バイクショップでも重視しているところとそうでないところがあるようですが、自転車においてもホイールバランスの調整は重要な部分です。
コンポーネントやパーツの洗浄、磨き上げ、調整を行った後は、フレームとフォークの汚れを落として専用のワックスでコーティング。フレーム、フォークがきれいになるだけでも印象が大きく変わります。さらにオーバーホールのタイミングで、フレームにガラスコーティングを施工するのもおすすめです。フレームは、普段なかなか裸にする機会がありませんから、オーバーホールのタイミングで行うのが最適。メリットとしては、独特の艶感が得られるほか、汚れにくく汚れた場合でも水洗いで落とすことができたり、塗装面を強化することで小さな傷が入りにくくなることがあります。
洗浄作業は終了なので、次は元通りに組み立てていきます。ブレーキパッドなどの消耗品は、このタイミングで新しいものに交換しておいた方がよいでしょう。全ての取り付けが終わったらシフト、ブレーキ両ケーブルを取り付けて調整を行っていきます。オーバーホールした部品がベストな力を発揮するためにも、これらケーブルの調整の精度を上げることが非常に重要です。
簡単なメンテナンスであれば、自分で行うこともできるかもしれませんが、細部にまでわたってしっかりと行うオーバーホールの場合は、素人では技術的にも難しく専門の道具なども必要となります。そのため、専門のショップに依頼するのがおすすめです。
オーバーホールにかかる期間は、1~2週間ぐらいかけてじっくりと行うケースが多く、費用も3万円以上することも珍しくありません。
いかがだったでしょうか?大切なバイクに長く快適に乗り続けるためにはオーバーホールは必要不可欠。オフシーズンなどのタイミングなどを見計らって、きちんとメンテナンスするようにしておきましょう。