初心者の中には、ロードバイクとクロスバイクの違いを明確に理解できていない人も少なくないでしょう。細かいところまで比較してみれば、初心者でも両者の違いをたくさん見つけることができるのですが、頭の中でイメージするだけでは、なかなか両者の違いに気付くことができません。
ここでは、初心者の方に向けて、ロードバイクとクロスバイクの違いを解説します。あわせて、ロードバイクとクロスバイク、どちらを買うべきかの基準も理解しておきましょう。
ロードバイクとクロスバイクの違いについて、「目的」「外観」「値段」の3つに分けて見ていきましょう。
ロードバイクの基本的な目的は「速く走ること」です。もともとロードバイクはレース用に開発された自転車。たとえレースに使用する予定がなくても、基本的には速く走れることを目的とした仕様・設計となっています。
それに対してクロスバイクは多目的。いわゆるママチャリよりは走行性能が高いものの、ロードバイクほどスピードにこだわった作りをしているわけではありません。通勤や通学、趣味などがクロスバイクの基本的な目的となっています。
外観における最大の違いはハンドルです。速く走ることを目的としたロードバイクは、常に前傾姿勢で自転車を漕ぐことができるようドロップハンドルとなっています。それに対してクロスバイクのハンドルは一直線。多目的自転車として、さまざまなシーンで楽な姿勢をとれることを目的にしたハンドルです。
また、クロスバイクのタイヤ幅は、ロードバイクのそれよりも太め。一般にクロスバイクのタイヤの太さは28C、ロードバイクのそれは25Cが多いようです。
ほかにも、「トップチューブ長はクロスバイクのほうが長め」「ホイールスペースもクロスバイクのほうが長め」等、いくつかの外観の違いがあります。
クロスバイクに比べ、ロードバイクのほうが値段は高めです。
メーカーや車種によって異なりますが、ロードバイク1台の相場は、低めに見ても10万円以上。中には100万円以上するバイクもあります。
それに対してクロスバイクは、高めに見ても10万円ほど。大半のクロスバイクは1台5~8万円程度でしょう。
クロスバイクに比べると、ロードバイクのほうが価格は高めです。よって、どちらを選んで良いか分からないという人は、「大は小を兼ねるという視点から、価格が高いロードバイクを買っておけば無難」と考えるかもしれません。
しかしながら、値段が高いからと言って、かならずしもロードバイクのほうが良いわけではないことを理解しておきましょう。どのような目的で、どの程度まで自転車を利用するのか、という視点が大切です。
トライアスロンなどのレースへの出場、趣味での長距離ツーリング、15km以上の通勤・通学、峠の走行などが目的ならば、ロードバイクの購入を検討してみましょう。
15km以下の一般的な通勤や通学、買い物などの街乗り、段差の多い場所での移動手段、舗装されていない道路での走行などが目的ならば、クロスバイクの購入を検討してみましょう。
ダイエットや運動が目的の場合には、予定している走行距離や道路の状態、コースなどにより柔軟に判断してください。
たとえば、舗装されたサイクリングロードを長距離(15km以上)にわたって日常的に走る可能性があるならば、ロードバイクを検討してみましょう。あるいは、特にルートを決めず自由に走行する場合、舗装されていない道路を走る可能性もある場合には、クロスバイクを検討してみて良いかもしれません。
以上、ロードバイクとクロスバイクの違いについて、整理しながら解説しました。なんとなく両者の違いがイメージできたでしょうか?
初心者から見ると、一見、似たような外観のロードバイクとクロスバイクですが、それぞれの目的や仕様はまったく異なります。目的に沿った自転車を購入しなければ、途中で自転車への関心が薄くなってしまい、結局車庫で何年も眠ってしまうことになりかねません。どのような目的で、どのような状況の下、どの程度まで自転車を利用するのか、ということを具体的にイメージし、自転車選びをしましょう。
自分で判断しかねる場合には、自転車屋さんに相談してみてください。決して安くはない買い物なので、後悔のない適切な自転車を選びましょう。