ロードバイクを始めると、平らな道だけを走るのではなく、時には山にチャレンジすることもあるでしょう。ただし、「ヒルクライムは得意だけど、ダウンヒルは苦手…」という人もいるかもしれません。ダウンヒルの際のフォームやポイントをしっかりとおさえて練習することによって、ダウンヒルのタイムも短縮できるはずです。
まずは、ダウンヒルでの基本的なフォームをチェックしておきましょう。自分ではなかなかわかりにくい部分なので、他の人にチェックをしてもらったり、写真や動画を撮ってもらってチェックすると非常にわかりやすいのでおすすめです。
ダウンヒルの際の基本的なフォームは、「バイクの中心に自分の重たいところを持って来る」ということ。すなわち、ロードバイクの中心となる部分に、自分の重心を持ってくるわけですが、この重心がずれてしまうとバイクが安定しなくなるためダウンヒルのタイムが伸び悩むことにつながるかもしれません。
例えば初心者によくあるのが、ダウンヒルに恐怖を感じている場合にはバイクの後ろ側に重心が行きがち。ついつい腰が引けてしまうケースです。また、恐怖を感じている場合には、ブレーキを強く握りしめてしまうために重心が前の方に行くこともあります。
自分の重心が前や後ろの方に行ってしまわないように心がけてみましょう。それだけでバイクの挙動が安定します。
まずは基本のフォームを身につけることが大切ですが、それができるようになったら「トップチューブを両膝で挟む」というフォームもおすすめ。このようにすることで、ハンドルに荷重がかかることがかなり軽減されますし、体がコンパクトになるためにダウンヒルの際のラインどりも落ち着いてできるようになってきます。
さらに、このポーズはリラックスしたい時にも使えます。長い距離を走った場合、疲れたなと思ったらこの体勢を取ってみるのも良いでしょう。
また、ダウンヒルの際のフォームとして大切なのが、「体をリラックスさせる」ということ。スピードが出過ぎてしまったり、下りに慣れていない場合には、恐怖心から体ががっちりと固まってしまいがち。そのため、まずは怖がらずに体をリラックスさせましょう。体がリラックスしていない状態で長時間走り続けると、体のさまざまな場所に痛みを感じてしまうということにもつながってしまいます。
続いて、ダウンヒルの際のポイントをご紹介します。
まず、下りの際にはブレーキをどこで使うかをしっかりと見極めることが大切です。間違っても、下っている間ずっとブレーキをかけ続けることはしてはいけません。ブレーキをかけ続けると、ホイールリムが熱を持ってしまい、最悪の場合タイヤのバーストにつながったり、リムからの脱落につながってしまうこともあるためです。
このことから、快適なスピードを保てるようにタイミングを見ながら軽くブレーキをかけるようにしましょう。また、コーナー進入前には減速しておくことが大切。コーナリングの間にブレーキを強くかけると、コントロールを失ってしまい転倒の恐れがあります。
コーナーに入る前には減速するというのは上の項で説明した通りですが、コーナリングの際には「コーナーの出口に目線を向ける」という点も重要。カーブの出口に目線を向けることで、自然とコーナーを立ち上がれるようになります。
また、コーナリングの際には、可能な限り直線的なラインを選ぶことが大切ですし、対向車が来ないかどうかをしっかりと確認して走ることも安全の観点から重要なポイントになってきます。
下り坂ではペダリングしなくてもいいと思っていないでしょうか?もちろん無理してペダリングをする必要はありませんが、特に上りと下りが交互に繰り返すような場合は、できるタイミングでペダリングをしたほうが良いでしょう。
これは、ずっと脚を動かさないまま下りが続くと、いざ漕ぎ始めようと思った時に足の筋肉が固い状態になってしまっているため。もちろん、スピードに影響しない程度のペダリングで大丈夫です。
ダウンヒルは、経験を積むという点も非常に大切。練習をしなければいつまでたっても下りが怖く苦手意識を持ってしまいます。そのため、いきなり傾斜が厳しい坂ではなく、傾斜がゆるい坂で練習をしてテクニックの向上を目指すのがおすすめです。
例えば正しいフォームができているか、コーナリングは正しくできているかなどひとつひとつのポイントを確認しながら、ダウンヒルに慣れることで自信を身につけることができるでしょう。
ダウンヒルのポイントをご紹介してきました。さまざまなポイントはありますが、大前提として安全面に注意するという点も大切。特に、車が通っている道などは対向車に注意しながらダウンヒルを楽しむようにしましょう。