バイクは、トライアスロンの競技内で最も長い時間がかかる種目です。アイアンマンであればバイクの距離は180km。時速30kmで走れたとしても6時間はかかります。バイクは長時間にわたって乗車するため、疲労や痛みとの戦いになるでしょう。
疲労や集中力低下によるトラブルや故障を防ぐためにも、サドル選びは重要です。今回は、どのようなサドルがあるのか、選ぶポイントもあわせてご紹介します。
普段からロード系の自転車に乗っている人もいるでしょう。しかし、トライアスロン用のバイクにはさまざまな違いがあります。トライアスロンのバイクは走行距離が長く、疲労もたまりやすい種目。そのため、サドルは長時間こぎ続けること、ペダルを最大限効率的に回転させることを考慮して設計されています。
例えば高速でペダルをこぐと、太ももの内側とサドルがこすれて痛みが生じることもあります。そのためトライアスロン用のサドルは幅が細く、摩擦や圧迫を避けるように工夫されています。
ロードバイク用のサドルはその形によってタイプ分けされています。体型や性別によっても合う形が異なるため、自分に合ったタイプを選ぶようにしましょう
ベーシックタイプは太もも部分が細く、上面が緩やかに湾曲したデザインです。ホールド感があり、クッション性もあるため、初心者にもペダリングしやすいでしょう。
フラットタイプはサドルを横から見たとき、座面が平らになっているのが特徴です。そのためポジションの前後移動がしやすく、お尻の位置を変えたり深い前傾姿勢がとりやすかったりします。ペダリングが安定しにくいものの、股間の圧迫を抑えることができます。
長時間自転車をこいでいると尿道や会陰部が圧迫され摩擦されます。そこで痛みを防ぐためにサドルの中央に溝があるのが穴あきタイプです。
ロードバイクのサドルはどのような視点で選べばいいのでしょうか。ポイントをまとめました。
サドルのクッション性が高いと、座面で痛みが出にくくなります。安定してペダルをこぎ続けたいという人には、クッション性が高いサドルが適しているでしょう。一方で薄いパッドは反発しにくいため、高回転でこぎやすくなります。
バイクはスイムの後に行う種目のため、濡れることが予想されます。サドルの素材にはいろいろありますが、革のものは防水性に乏しいこともあるでしょう。そのような場合は、防水性があるサドルカバーを使う方法もあります。
サドルは長さによっても違いがあります。近年は短いショートノーズの人気が高まっています。ショートノーズはノーズが短い分、深い前傾姿勢でも圧迫感が少なく、力強いペダリングが可能です。ただし前後で移動できる範囲は少ないので、ポジションを移動したい場合にはロングノーズが向いているかもしれません。
サドルの素材によってサドルの重さが変わります。軽量に特化したレーシングサドルやカーボンのサドルなども人気があります。素材によって価格帯も変わるため、財布と相談しながら選びましょう。
サドルの幅は坐骨の幅に合わせて選びます。女性は坐骨の幅が広いので、ワイドタイプが適しているかもしれません。また、ワイドタイプのほうが安定して荷重を支えることができます。
サドルはパッドの厚みによっても変わります。パッドが一切ないカーボンタイプは、短距離のレースに最適。また高速のペダリングには、薄いパッドが適しています。厚いパッドは痛みが出にくく、反発が少なくてトルクをかけるときにも安定しています。自分の戦い方に合わせて選んでください。
それぞれの体格により、適したサドルは異なります。また競技者としてのスタイルによっても変わってくるでしょう。安定したペダリングを重視するか、スピードを重視するかによっても異なるため、納得するまで検討することをおすすめします。またバイク競技中に痛みを感じるという人は、ポジション調整やサドルの取り付け方を見直すことで改善する可能性もあります。一度専門店に相談してみましょう。