トライアスロンの歴史は比較的、浅く競技大会が初めて開催されたのは1974年。アメリカで行われました。オリンピックで正式種目になったのは2000年のシドニーオリンピック。男女ともに個人競技として行われています。2020年の東京五輪から新たに新種目として男女による混合リレーが行われるなど注目を集めている競技の1つです。
前回のリオデジャネイロオリンピックまでのトータル成績は、イギリスとスイスが金メダル2つ、銀メダル1つ、銅メダル2つの計5つでトップ。次いでオーストラリアが金メダル1つ、銀メダルと銅メダルが2つずつの計5つとなっています。
日本人選手によるメダル獲得はこれまでになく、2004年に開催されたアテネオリンピックに出場した田山寛豪選手の13位が最高順位となっています。
トライアスロンはスイム、バイク、ランの3種目で行われるのはどれも同じですが、それぞれの距離はレースごとによって異なります。例えば、短い距離のものであれば、スイム1.5km、バイク40km、ラン10kmとなっていますが、長距離のものだと、スイム3.8km、バイク180km、ラン42.2kmといった想像を絶するような長さで行われるものもあります。オリンピックでは、競技時間やコース設定などの運営上の観点からスイム1.5km、バイク40km、ラン10kmの計51.5kmの距離で開催され、シドニーオリンピック以降、このレース距離のことを「オリンピック・ディスタンス」と呼ばれています。東京五輪では、スイムが1km+0.5km、バイクが5kmのコースを8周、ランは2.5kmのコースを4周するコースで設定されおり、男性のメダリストクラスになるとこの距離を1時間45分ほどで完走し、女性でも2時間を切るスピードでゴールする選手もいます。
2020年の東京オリンピックから開催される男女混合リレーは、スイム0.3km、バイク7.4km、ラン2kmの距離で開催。このコースを女子、男子、女子、男子の順に4名で周回します。
どちらの種目も、お台場海浜公園をスタート・ゴールで開催される予定となっています。
2020年の東京オリンピックに向けて各種目でテストイベントが開催される中、トライアスロンでも2019年8月15日~18日にかけて、本番と同じ東京のお台場海浜公園でトライアスロンの国際大会が行われました。バイクとランでは、実際のコースを体感することができた一方で、スイムの会場では、ITU(国際トライアスロン連合)が定める基準の2倍以上の大腸菌が検出され、スイムが中止されるなど不安要素も残ったことがメディアなどでも取り上げられ、注目を集めています。
検査の結果が最も悪かったのは16日午後に行われた検査で4段階で最も水質の悪いレベル4と判定されました。ところが17日の午後に行われた水質検査では、一気に改善され、最も良いとされるレベル1と判定されたのです。東京2020組織委員会の担当者によると、大雨などの天候不良によって大腸菌が増加するなど水質の悪化は以前からあったようで、今回も開催前に台風による大雨が原因となり、水質が悪化したとのことです。翌日に改善された理由については、その台風以降、天気が落ち着いたため、大腸菌などの数が減少したと説明しています。
本番と同じ時期に開催されたため、本番でも同様の天候に見舞われることも十分、考えられます。今回と同じようなケースが起きてしまうとスイムが中止となって、バイクとランだけの「デュアスロン」に変更となってしまうのではないかと心配の声が上がっています。これについて、同担当者は、「水中スクリーン」による対策を行っていると説明しているようです。
水中スクリーンとは、長さ20m、深さ3mのフロートで水の流れを遮ることによって大腸菌群が会場に侵入してくるのを防ぐ装置のこと。今回は、水質の影響を確認するために1重のものを採用していましたが、2020年の本番では、この水中スクリーンを3にすることで水質改善を図るようです。3重にすることで一体、どれほどの効果が得られるのかは定かではありませんが、選手たちが万全の状態で臨めるよう会場の準備を進めてほしいと思います。
2015年、日本トライアスロン選手権で優勝。就職を機に競技の継続を一度は諦めたのですが、内定後に東京でのオリンピック開催が決定し、会社に直談判したことでトライアスロン部が創設されることになりました。惜しくもリオオリンピックへの出場はかないませんでしたが、東京オリンピックでは出場はもちろん、好成績が期待されています。
2010年、2014年のアジア大会で二連覇を果たすなど、その実力はアジア屈指のレベル。2012年のロンドンオリンピックでは、出場するも43位という結果に終わっています。東京オリンピックでも代表選手の最右翼です。
北京、ロンドン、リオと直近のオリンピック3大会で日本代表に選ばれている実績のある選手。日本のトライアスロンにおいて第一線での活躍を続け、世界ランキング3位にまで上りつめたことでも知られています。