ロードバイクと聞くと、一般には「軽い自転車」というイメージがあります。トライアスロンを始め、さまざまな自転車競技で使用されているロードバイクなので、実際に車体に触ったことがない方でも、きっと「軽い自転車」というイメージを持っていることでしょう。
確かにロードバイクは、ママチャリ等に比べると軽い自転車です。平均的な重量は、おおむね8.5kgくらいではないでしょうか?スピード感のある走りを維持するには、ある程度は軽くなければならないということです。
ここでは、ロードバイクの重量の種類や、重量の違いの理由などを詳しく解説します。実際にロードバイクを購入する際の目安として理解しておきましょう。
ロードバイクの重量に公式的な基準があるわけではありませんが、ロードバイクに乗る人たちの中には、車体の重量の次のような種類に分けて理解している人がいるようです。それぞれの重量における特徴を見ていきましょう。
軽さを特徴とするロードバイクとは言え、1980年代には10kg以上が普通でしたが、今やなかなかお目にかかることはありません。時々、10万円未満のロードバイクの中に見かけることがあります。
ロードバイクとしては、9kg台も重い部類に入ります。ただし体重100kg前後の人であれば、このくらいの重量があったほうが安定的な走りをするかもしれません。
ロードバイクとしては「やや重い」部類に入ります。車体価格15~30万円ほどのバイクに多く見られる重量です。
重くもなく軽くもない一般的なロードバイクが、この程度の重量。車体価格の相場は20~40万円ほどとなります。
やや軽量な部類に属するロードバイク。車体価格の相場は25~50万円ほどです。ペダルを通じた加速に切れを感じられる重量。
ロードバイクとしては、文句なしに「軽い」と言える重量。価格相場は50~130万円ほどでしょうか。持ち上げたときの軽さに感動します。
UCIのルールギリギリが6.8kg。車体相場は推定70~150万円ほどです。登りが厳しいコースで6.8kgを採用するプロ選手もいます。
6.8kgを下回る車体は、UCI主催のロードレースでは使用できません。ヒルクライム専用かつ趣味で乗るバイク、という位置づけでしょうか。
片手で軽々と持ち上げられるバイク。優秀なメーカーでも、なかなか6kg切りのロードバイクを製造することはできないとされています。
ロードバイクの重量は様々な理由により違ってきますが、中でも特に大きな理由が、フレームの素材の違い。アルミ素材のフレームも軽量ですが、一般にはカーボン素材のほうが軽いとされています。
製造コストが安いうえに重量が軽い、という特徴を持つアルミフレーム。一般に10万円以上はするロードバイクですが、アルミフレームを採用したロードバイクの場合、7~8万円で手に入ることも珍しくありません。
車体の軽さだけを追求するならば、アルミフレームでも良いのですが、軽いからと言って良質な走行を実現するわけではない点にも要注意。軽すぎるがゆえに推進力が弱くなってしまったり、路面からの振動が伝わりにくいために疲れやすいバイクになったりなど、デメリットが目立つこともある点を理解しておきましょう。
アルミに比べると高級素材となるカーボン。一般にカーボンフレームの完成車の相場は20万円以上と、アルミフレームの相場に比べてグッと上がります。
アルミフレームよりも軽いと言われるカーボンフレーム。フレームを理想的な形状に加工できることや、漕ぐ力を効率的に推進力へと変えられること、高速走行時の安定感、長距離ライド時の快適性など、様々な面において、カーボンフレームはアルミフレームを凌ぐ能力を有しています。
乗り心地を重視したい方には、アルミフレームではなくカーボンフレームの車体を選ぶことをおすすめします。
以上、ロードバイクの重量に関する詳細を解説しました。
もともと速さを追求して開発されてきたのがロードバイク。1分1秒を争うレースなどにおいては、車体重量が大きなポイントになることは、言うまでもありません。
レースへの出場予定がない方においても、ロードバイクを買う際には、価格や性能とともに車体重量も意識しておきたいもの。軽ければ軽いほど良いというものではありませんが、そうとは言え、重すぎるバイクは避けるべき。購入時には、重量10kg以下を目安にバイク選びをするようおすすめします。