2019年4月21日、私たち会社のトライアスロン部メンバーは、「第29回チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」に参戦してきました。ここでは、そんな私たちの戦いの記録をご紹介しています。結論から言うと、かなりキツかったです…。
トライアスロンに興味のある方ならご存知かも知れませんが、念のためウルトラマラソンについて、簡単に説明しておきます。
ウルトラマラソンとは、何しろ「ウルトラ」と付くくらいですから、普通のマラソンを超えるマラソンのこと。具体的には、42.195kmを超える距離を走るマラソンのことを、ウルトラマラソンと言います。距離の上限が決まっているわけではありません。
世界中でウルトラマラソンが開催されていますが、それぞれの距離を確認してみると、最短で50kmくらいで、最長で数百km。ちなみに今回ご紹介している「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」には3つのコースがあって、私たちが選んだのは100kmの部門でした。詳しくは後で説明しますが、かなりハードです…。
「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」のほかにも、国内では「サロマ湖ウルトラマラソン」(北海道)や「四万十ウルトラマラソン」(高知県)などが有名。世界では「スパルタスロン」(アテネ)が有名ですね。
ちなみに「スパルタスロン」は、3日間で246kmも走るという超過酷なレース。そんなレースに参加する人もいるんですね。恐ろしい…。
次なる大会に向けた体作りの一環として、今回、ウルトラマラソンに参加したという経緯です。
ただ、トライアスリートとは言っても、そう名乗ってしまえば誰でも全員トライアスリート。普段は会社のデスクで仕事をしている私たち部員にとって、100kmも走るなんて想像を絶します…
「体作り」と言ってしまえばカッコいいのですが、その実は、まさに「チャレンジ」。ウルトラマラソンに耐えられなければトライアスロンなど無理だ!との熱い決意のもと、私たち部員はトライアスロンへの登竜門として「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」への参戦を決めた次第でした。
私たちが参加したレースは、メンバーによって100kmコースと71kmコースの2種類。100kmコースは朝の4時半スタートで、71kmコースは朝の7時スタートと早いので、現地で前泊することにしました。
レース前日、メンバー全員が新宿バスタに集合。その後、高速バスに乗って河口湖駅まで移動。翌日の過酷なレースに備え、みんな、前日はできるだけ足を使わないように意識していたようですね。
河口湖駅に到着した後は、近くのスーパーに行って補助食や朝食の買い出しに。100kmメンバーは朝2時起床なので、夕方6時には早々と夕食を済ませて入浴。前夜祭を楽しむこともなく、さっさと眠りに就きました。
いよいよレース当日です。
100kmメンバーは朝2時に、71kmメンバーは朝5時に起床し、それぞれ旅館のバスでスタート地点へと移動。レースの受付を済ませ、手荷物とドロップバッグを預けました。
この辺から、みんな、少しずつレースへの気持ちが高ぶってきた様子。緊張と笑顔が混じった微妙な表情でした。
ちなみに、レース参加者は約7,000人です。ウルトラマラソンに参加するくらいですから、みんなそれぞれ、しっかりと体作りをしてきているのでしょう。受験のときのように、なんだかライバルたちがみんな自分より強そうに見えましたね(笑)。
まあ、ウルトラマラソンは他人との競争ではなく自分との競争なので、なるべく周りのことは考えないようにしました。
レース開始30分前。カステラ、エナジードリンク、アミノ酸などを補給し、防寒対策として使い捨てのカッパを着用。頭にはヘッドライトを付けて(辺りはまだ真っ暗です)、レースに向けて意識を集中させていきました。
そしていよいよスタート!
まずは余裕の表情でスタートを切った私たちでしたが、そんな私たちをすぐに待ち受けていたのが、約5kmにわたる下り坂。分かってはいたのですが、初っ端から足を使わされることになってしまいました…
ちなみにゴール地点は同じ競技場です。疲れ切った復路の果てで、この5kmを登るのかと思うと…
レース当日は晴天。富士山がとても綺麗でしたね。長丁場のレースなので、参加者の中には、歩きながら富士山とともに記念写真を撮っている人もいました。
ちなみに118kmコースは富士五湖(河口湖、山中湖、本栖湖、西湖、精進湖)、100㎞コースは富士4湖(河口湖、山中湖、西湖、精進湖)、71㎞は3湖(河口湖、西湖、精進湖)を巡るコースです。富士山と湖のコントラスト、とても素晴らしかったです。
ただ、レースには10㎞、20㎞、40㎞、60㎞の地点に時間制限の関門があります。あまり余裕を持って走るわけにはいきません。実際、メンバーの1人が10km地点で制限時間に間に合わず、あえなくリタイア(1分遅れ)。間に合わなかった理由は、トイレ待ちで時間を使ってしまったことでした。
そう、「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」への参戦を考えている方に、ぜひ注意していただきたいのですが、トイレマネジメントはとても重要です。
何しろ7,000人もの人が参加するレースなので、トイレには行列ができます。トイレ待ちで10分使ってしまうなんてことも、ざらにあります。弊社メンバーのようにトイレでリタイア、なんて残念な結果にならないよう気を付けてください。
制限時間から逆算すると、最初の20kmまでは6~7分/㎞で走ることになります。普段から体作りを意識していないと、結構キツいですよ。
心地良い疲労感の中、エイドに到着。普通のマラソンとは違って、エイドではゆっくりと休んでいる人も多かったです。
エイドでは、おにぎりや味噌汁、吉田のうどん、おかゆなどが提供されました。吉田のうどんが、とても美味しかったです。さすがご当地名物!
余談ながら、エイドには弊社からサポートメンバーも駆けつけてくれていました。テーピング、サプリメント、マッサージ、ロキソニン…と、休日にもかかわらず、わざわざ遠くまでサポートに来てくれて本当にありがたかったです。
56km地点でドロップバッグ。過去にウルトラマラソンに参加した人たちのブログなどを参考に、補助食やサプリメント、着替えなどを入れておきました。
中にはここでシューズを履き替えている人もいましたね。何しろ100kmの長丁場なので、シューズを別で用意しておくのもナイスアイディアだなと思いました。次回に活かします。
50~60km地点から実感したのが極度の疲労。疲労というよりも、マラソンで言うところの「35kmの壁」が、ウルトラマラソンでは50~60kmでやってきた、という感じです。
60kmを超えてくると、胃が何も受け付けないような感じに。私たちだけではなく、ほかの参加者も同じ実感を持っているようで、中には嘔吐している人も少なくありませんでした。60km以降を考慮して、それまでの補給物をいろいろ考えたほうが良いかも知れません。
最後の5kmは、スタート直後の下り坂を逆走。この期に及んで5kmもの上り坂は、かなりキツいです…。過去に「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」に参加した人のブログを見ても、ここはキツいと書いてありました。さすがに、ほとんどの人が歩いていましたね。
後日談ですが、この最後の5km、駆け付けてくれたサポートメンバーたちは「頑張れ!って声をかけられないほど、みんな疲労困憊に見えた」と言ってました。いった私は、どんな顔をしていたんでしょう…
5kmの上り坂を終えると、目の前には競技場が見えてきます。最後のフラットな1kmを走り切れば、いよいよゴールです。競技場に入る前には、沿道で応援してくれる多くの方々。疲労感と達成感で感情が高ぶっていたのか、みなさんの応援の声に感動してしまいました。
競技場に入ると、アナウンサーが自分の名前を呼んでくれます。申込のときに記入したメッセージも、ここで名前とともに紹介されます(ちゃんと書いておけばよかった…)。
最後の1kmを走り切り、ついにゴール!一緒に走った仲間たちやサポートメンバーたちの喜びの声に感動し、しばし涙を流してしまいました。
その後、フィニッシャー用のバスタオルとメダルを受け取り、レースは終了です。
ゴールの感動を味わうのも束の間。帰りのバスまでに1時間しかなかったので、慌てて近くの温泉施設に駆け込んで入浴しました。ゆっくりと温泉に浸かる暇もなく、そそくさと河口湖駅のバス乗り場まで移動。新宿バスタへと向かった次第でした。
※サポートメンバーには本当に感謝しています!ありがとうございました!
まず走った直後の感想ですが、レース直後はとても空腹なのに、なぜか体が固形物を受け付けなくなっていました。この状態が2日ほど続きました。
3日目からは固形物も摂れるようになったのですが、今度は、いくら食べても空腹感が続くという感じです。昼食の直後には、もうお腹が空いている状態でした。
体調を元通りにするために、体の欲求にしたがってたくさん食べたのですが、どれだけ食べても1週間くらいは体重が増えなかったですね。基礎代謝が急激に上がったのでしょうか(?)…
第29回 チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 開催日: 2019/04/21
<公式HP>
https://www.r-wellness.com/fuji5/2019/runner/result.html
いろいろ分からないことに襲われるウルトラマラソン。そんなウルトラマラソンに興味のある方に向けて、僭越ながら、私から少しだけアドバイスさせていただければと思います。
まず、とにかく長時間動き続ける練習をすること。100kmもの距離を動き続けることは、想像以上に大変です。速く走ることも大事ですが、とにかく動き続けられる体を作ることが大事だと思います。
また、コースにはアップダウンもあるので、峠走などをやって心拍と脚筋の両方を鍛えたほうが良いでしょう。平地での訓練も、最低でも50kmを超える練習を2~3回はやっておいたほうがいいと思います。食事トレーニングや内臓トレーニングも大切だと感じましたね。
あと、実際にウルトラマラソンに参加した人たちのブログや書籍を、たくさん読んでみること。ネットで検索すれば、ブログはたくさん見つかります。練習に活かせるブログもあって、とても参考になります。
「体作り」と「チャレンジ」をテーマに、初めて参戦したウルトラマラソン。リタイア組は「次回こそ完走を目指す!」と意気込んでいます。一方で完走組は「もう二度と参加したくない…」という雰囲気です(笑)。
まあ、私は完走組のほうですが、また時期が近くなったら、きっとチャレンジ精神が湧いてくるのでしょうね。その時のために、今から少しずつ体作りをしていきたいと思います。
以上、「チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン」の参戦報告でした!最後までお読みいただき、ありがとうございます。