トライアスロンに初めて挑戦する初心者の方は、ウェットスーツ選びをどうするか迷うことが多いようです。今回は初心者の方向けに、トライアスロンで使用するウェットスーツの選び方や、おすすめのメーカーについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
トライアスロンでのウェットスーツ着用については、結論から言うとそれぞれの大会のローカルルールに倣う必要があります。大会主催者は、その時期の環境や水温などを考慮し、着用についての決定を行うことが多くなっています。 ウェットスーツ着用禁止を掲げる場合もあれば、着用義務となる場合もあります。さらには着ても着なくても良いとする大会も多く、その大会ではどのようなルールになっているかを確認することが大切です。 ちなみに、国内のトライアスロン協議を統括しているJTU(日本トライアスロン連合)は、”ウェットスーツの着用推奨”の立場を取っており、義務ではありませんが安全のために使用することを進めています。
トライアスロンでウェットスーツの着用をどうするか決定する前に、ウェットスーツがどのような効果をもたらすかを理解しておく必要があります。特にトライアスロンにおいて期待できる、4つの効果について見ていきましょう。
ウェットスーツの効果として特に大きなものは、体温の低下を防げるというものです。水温が低い状況でも、ウェットスーツを着用していれば保温効果があるので、体温の低下によってパフォーマンスが下がってしまうことも避けられますし、安全性の面でも有効となります。
ウェットスーツ自体に浮力があるため、ウェットスーツを着用していない時と比べてスイミング時の体への負担はかなり軽減されます。また何もしないで脱力した状態でも浮くことができるため、何らかのトラブルが起きた時にも安全を確保しやすくなります。
ウェットスーツを着用している方が、何も着ていない時と比べて水の抵抗を受けにくく、楽に泳ぐことができると言われています。これはウェットスーツの表面が非常に滑らかで抵抗を軽減できるように作られているためです。ウェットスーツの着用は、泳ぐ際のパフォーマンスの向上につながります。
トライアスロンでは、流れのある川や海がコースになっていたり、他の大勢の競技者に揉まれながら泳いで進んでいく必要があります。これは通常のプール等で泳ぐのとは違い、体力の消耗がかなり激しくなります。 この時に浮力のあるウェットスーツを着用していることで、万が一体力が尽きてしまった時にも安全性を確保しやすくなるのです。こうした点からも、ウェットスーツの着用を義務としている大会は多くなっています。
では、実際にトライアスロンで使用するウェットスーツを、どのように上手に選んでいくことができるのでしょうか。選び方の重要な3つのポイントについて見ていきましょう。
ウェットスーツを選ぶ際には、まずどの種類にするかを決定する必要があります。ウェットスーツの種類に関しては、主に以下に挙げる4つに分けて考えることができます。
ワンピースタイプはその名の通り上下がつながっているもので、水の抵抗を受けにくく泳ぎやすさの面に定評があります。ツーピースタイプは着脱しやすいという特徴があるため、水温等に合わせて長袖や半袖を使い分けていくこともできます。
フルスーツタイプは長袖長丈の作りとなっており、特に浮力性と保温性に優れています。速く泳ぐという点でもフルスーツタイプにはアドバンテージがあります。ロングジョンタイプは、下半身は長丈となっていますが、肩から袖の生地が無い種類のもので、腕や肩を動かしやすいというメリットを持っています。
ウェットスーツの厚みをどうするかも考える必要がありますが、これは保温性・浮力性と伸縮性との兼ね合いで決定することをおすすめします。基本的には5mmまでの厚みが主流と言われており、厚みのあるものは浮力性と保温性が高くなりますが、伸縮性の面でやや劣るため機動性が若干落ちてしまいます。 自分がウェットスーツに求めるものは何かをよく考慮に入れながら、その時の気候や温度などを踏まえつつ、最も適しているアイテムを選んでいきましょう。
トライアスロンで使用するウェットスーツに関して、着脱のしやすさは非常に重要なポイントとなります。スイムの後にバイクに移る際、着脱に手間取ってしまうと、速く泳げたとしてもそれは無駄になってしまい、順位を落としてしまうことにもつながります。 着脱については、大会前に入念に練習して準備しておく必要がありますが、ウェットスーツのサイズ感などもかなり影響を及ぼすため、購入時にしっかりと確認しておくことが大切です。
トライアスロン用のウェットスーツには、既製品のものもあればオーダーメイドすることもできます。それぞれの違いをよく理解して、どちらのウェットスーツを調達するかを決定しましょう。
既製品のウェットスーツのメリットには、在庫がある場合に試着してサイズ感等を確認してから購入することができるという点があります。また、さまざまなメーカーのモデルの中から選ぶことができるので、豊富な価格の中から選ぶことが可能となります。 ただし既製品の場合、メーカーが展開しているサイズの中から選ばなくてはいけないので、自分の体型に本当にフィットするものを探すのに少し苦労することがあります。海外メーカーのものは特に、日本人体型に合ったものを選ぶのが少し難しいとも言われています。
オーダーメイドのウェットスーツには、自分の身体にぴったりフィットするものを作ることができるというメリットがあります。入念に採寸を行ってそれに沿って製作していくことができます。また生地の厚みなども自分の好みに設定することもでき、既製品よりもフィット感のあるものを作りやすくなります。 ただし、オーダーメイドのウェットスーツはそれなりに手間がかかる分、完成するまでに数週間を擁することも多く、価格的にも既製品よりも高くなりがちです。
どちらがおすすめかに関しては、トライアスロンに今後どのように取り組んでいくのかという点を考慮する必要があります。今後も長く続けていくと決意しているのであれば、ある程度費用をかけても最初からオーダーメイドのものを選ぶのも良いでしょう。
ただし、今後の予定が不透明である場合は、できるだけ自分の体型にフィットするウェットスーツを既製品の中から探して購入する方が、後々後悔しなくてすむかもしれません。特に標準体型の持ち主であれば、最初は既製品の中から選ぶのがおすすめです。
トライアスロンで使用可能な、高品質なウェットスーツをリリースしているメーカーはたくさんありますが、その中でも特に押さえておきたい、おすすめの6つのメーカーをご紹介します。
HUUBは、非常に人気の高いトライアスロン用ウェットスーツのメーカーです。柔軟性や浮力の点で優れたネオプレン素材を使用し、動きやすく快適なウェットスーツがリリースされています。他のブランドよりも豊富なサイズ展開となっている点も、人気の理由の一つとなっています。
2XU(ツータイムズユー)も非常に人気のメーカーで、ウェットスーツに限らずさまざまなバリエーションのスポーツウェアがリリースされています。 ウェットスーツに関しては、薄くても浮力をしっかり確保できる作りとなっており、表面にSCSという水の抵抗を軽減するための特殊なコーティングを施したモデルも多数ラインナップされています。
スイムウェアに強いブランドとして世界的にも知られている、おすすめメーカー「TYR」です。手足の動きを阻害しない作りや、脱ぎやすさを考えた設計など、トライアスロン用ウェットスーツに求められる性能をしっかりと備えたアイテムが開発されています。
トライアスロンに必要な性能はもちろんのこと、シンプルで飽きの来ないおしゃれなデザインが人気のメーカーです。派手なデザインのウェアを着用している方が多い中で、「ROKA」のシンプルデザインを着用することで他と差をつけることができます。
常に最新の技術を取り入れたアイテムを開発・販売している人気ブランド「Orca」です。しっかりとした浮力を確保したウェットスーツが製造されており、その丁寧なモノづくりの精神は、多くのアスリートから賞賛を得ています。
「ZOOT」はハワイのコナ島で生まれた、世界中のアスリートから絶大な人気を集めているおすすめブランドです。ウェットスーツのみならず、さまざまなスポーツウェアがリリースされおり、充実したラインナップの中から自分に適したものを選んでいくことができます。
トライアスロン用ウェットスーツを上手に選ぶことで、レースにおいても快適さや安全性を維持していくことができます。ぜひ自分に合ったお気に入りのウェットスーツを選び、自分自身の限界に挑戦するレースに参戦しましょう。