トライアスロンのバイク種目で使用するロードバイクやトライアスロンバイクには、自転車の軽量化や、自転車のフレームに負担をかけないために、バイクを立てておくためのキックスタンドが取り付けられておりません。そのため、自転車を駐輪するためには、バイクスタンドを自分で用意する必要があります。バイクスタンドは、トレーニングなどで外出する時はもちろん、室内での保管や自転車をメンテナンスする際に役に立ちます。今回は、バイクスタンドを選ぶポイントやおすすめの製品をランキング形式でご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
2019.11.11.
目次
ロードバイクやトライアスロンバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなど、スポーツバイクの保管や駐輪、メンテナンス時に必要となるバイクスタンド。速く走ることに特化したスポーツバイクは、スピードを出すために軽量化が重視されているため、必要最低限のパーツしか取り付けられておりません。
そのため、ママチャリに使用されているキックスタンドのような、駐輪するために必要な自転車スタンドは、制動装置(ブレーキ)や反射器材(後方反射板)のように、法律で義務付けられている装備品でもないため、基本的に排除されています。また、ロードバイクやトライアスロンバイクのフレームは薄く作られているため、自転車にスタンドを取り付けてしまうと、フレームがへこんだり傷ついたりする原因になります。
ロードバイクやトライアスロンバイクを保管する際、屋外に置きっぱなしにすると、雨や風から自転車を守ってくれるバイクカバーを使用しない限り、雨風や温度変化などが原因で自転車の劣化を早めてしまったり、自転車が盗まれるリスクが出てきたりします。このような理由から、バイクを室内で保管しているという方がほとんどだと思います。バイクを室内で保管するためには、バイクスタンドが必須となります。
また、雨風をしのぐためのカバーがあったとしても、自転車を屋外で保管する際には、いずれにしても駐輪するためのバイクスタンドが必要となってきます。
バイクスタンドには、いくつかのタイプがあります。
ディスプレイスタンドは、主に、自転車を室内で保管する際に使用します。ディスプレイスタンドといっても様々な形状のものがありますが、最も多くみられるタイプは、三角形の形をしたディスプレイスタンドです。
この形状のディスプレイスタンドは、後輪のクイックリリース部分を両側から挟み込むことで、自転車を自立させることができる仕組みになっています。固定力は抜群。比較的安価で手に入る他、さまざまなタイプの自転車に対応しているため、初心者の方も扱いやすくなっています。後輪が浮いている状態になるため、自転車の変速調整やチェーン周りの調整などのメンテナンスにも向いています。
また、自転車を複数台所持しているという方は、自転車を縦に2台置くことができる、タワータイプのディスプレイスタンドがおすすめです。室内に置いても、省スペースで、見た目もきれいに収納することができます。ただし、自転車の整備にはあまり向いていません。
ワークスタンドとも言います。自転車のフレームやシートポストをクランプで固定して吊り上げるという仕様で、両輪が地面に接地していない状態になります。ディスプレイスタンドといっても、室内収納というよりは、ロードバイクやトライアスロンバイクの整備や洗浄など、メンテナンスに特化したタイプのスタンドで、基本的にはプロのメカニックが使用しています。胸の位置まで高さを調整することができることから、立ったまま作業することができ、効率よく自転車をメンテナンスすることが可能です。
ただし、バイクフレームやシートポストの形状・種類によっては、クランプで固定できなかったり、無理に固定しようとすると傷がついたりする場合もあるため、購入する際に、自分の自転車に使用できるかどうかをよく確認する必要があります。また、倒れにくい分、サイズが大きめのものも多く、置く際にもスペースが必要となります。
その名の通り、持ち運びに便利な着脱式の簡易バイクスタンドです。ボトルケージやクランク、ボトムブラケットなどに固定するタイプのものがあります。折りたたむことによってサイズがコンパクトになり、使いたいときにサッと取り出すことが可能。もちろん、携帯用のバイクスタンドですので、重量もそこまで重いものはありません。
ただし、他のタイプのバイクスタンドと比べると、強度と安定性に劣るため、長時間の駐輪には向いていません。また、風が強い日の駐輪には注意が必要です。
街乗り向けのシティサイクル(いわゆるママチャリ)などの後輪についている、自転車を駐輪するときに使用するものを「キックスタンド」といいます。本来、ロードバイクやトライアスロンバイクには、軽量化のためにスタンドが取り付けられていないことはもちろんですが、フレームに軽い素材を使用していることから、ロードバイクやトライアスロンバイクのフレームの傷や破損を防ぐため、基本的にスタンドを取り付けないようになっています。特に、軽量で、高価な素材が特徴の「カーボン」は、力の入り方によってひびが入りやすくなっています。着脱式のキックスタンドは、必要な時に取り付け、使わない時は外すことになるため、取り付け取り外しに手間はかかりますが、自分の好きなタイミングで使用できるようになっています。
着脱可能なキックスタンドは、取り付けることによって、通常の自転車を停める時と同様、足で一蹴りすることによって、キックスタンドを上げたり下ろしたりすることができ、簡単に駐輪することができるようになります。
また、キックスタンドには、「シートステー固定式」と「クイックリリース固定式」があります。「シートステー固定式」は、言葉通り、自転車のシートステーやチェーンステーに金具で固定するタイプのキックスタンドになります。ただし、「シートステー固定式」はフレームに負担がかかりやすく、フレームを破損させてしまう可能性もあるため、カーボンフレームや軽量アルミフレームを採用したロードバイクやトライアスロンバイクには、絶対に使用しないようにしましょう。
「クイックリリース固定式」も、通常の自転車のキックスタンドと同様、足で蹴って操作することができるタイプのバイクスタンドになります。「クイックリリース固定式」は、後輪のクイックリリース部分と共締めする仕様になっているため、「シートステー固定式」とは異なり、フレームの材質を問わず取り付けることができるのが最大のメリットです。
ただし、「クイックリリース固定式」の場合は、取り付ける際に車輪を固定する部分に挟み込むことから、緩みがないか定期的に確認する必要があります。
ロードバイクやトライアスロンバイクにスタンドが取り付けられていないのにはちゃんとした理由がありますが、バイクスタンドを使用することで、壁や、電柱などの柱がなくても自転車を停められるようになります。トライアスロンのレース中に必要になってくるというわけではありませんが、バイクトレーニングで外に出た際、食事やトイレ休憩で少し自転車を停めておきたいという時や、自宅でバイクを保管する時、メンテナンスをする時などにバイクスタンドは必ず必要となります。
特に初心者の方で、初めてバイクスタンドを購入するという場合には、自転車の保管とメンテナンスのどちらにも対応できるバイクスタンドを選ぶのがおすすめです。特に、先ほどご紹介した、クイックリリース部分を両側から挟み込むタイプのディスプレイスタンドは、自転車保管時に使用できるのはもちろん、安定性があり、後輪が浮くため、メンテナンスにも適しており、比較的価格もお手ごろなため、コストパフォーマンスが高いのが特徴です。さらに、持ち運びに便利とまではいきませんが、コンパクトに折りたたむことができるため、使用していない時も大きなスペースをとることがありません。
スポーツバイクの保管には、バイクを壁にかけることができる「壁掛けタイプ」のバイクスタンドの使用もおすすめです。壁掛けタイプは、部屋の空間を有効活用することで、省スペースで自転車を収納(保管)することが可能となり、インテリア感覚で部屋に自転車をおしゃれに飾ることができるようになります。「縦掛け」と「横掛け」のものがあるため、自分の部屋のスペースや雰囲気などに合わせて選んでみるのも良いかもしれません。
ただ、自転車に乗るたびに、壁掛けからバイクを外さなければならなかったり、壁が汚れたり傷ついたりするリスクが高くなるというデメリットもあります。また、壁掛けタイプは壁に固定することになるため、基本的に家を借りている方は、設置することができません。
トライアスロンのバイク種目に慣れ、バイクにこだわりが出てくると、バイクを複数台所持しているという方も増えてくるのではないでしょうか。また、トライアスロンで使用するバイクとは関係なく、競技用と街乗り用でクロスバイクやロードバイクを使い分けているという方もいるかもしれません。そんな方には、バイクを2台以上保管することができるタイプのバイクスタンドの使用がおすすめです。
自転車を複数台収納できるタイプのバイクスタンドにも、さまざまな形状のものがあり、そのまま走行中と同じ向きにして縦に2台並べるものもあれば、前輪を引っかけることで縦に吊り下げて2台収納するというものまであります。保管のしやすさや見た目の良さ、使うスペースなどは、バイクスタンドの形状によって大きく変わってくるため、自分が使いやすいと思うものを選ぶようにしましょう。
ただし、基本的に複数台保管できるタイプのものは、メンテナンススタンドとして使用するのにはあまり向いていません。
ツーリング中の写真撮影などによるちょっとした駐車には、携帯タイプのバイクスタンドを活用するのがおすすめです。冒頭の「バイクスタンドとは」でもお伝えしたように、携帯用バイクスタンドは、安定性や強度は劣りますが、出先でサッと使用できるのがメリットの一つ。もちろん、トライアスロンのバイクトレーニング中に携帯するのもおすすめです。
自転車のリアアクスルを引っ掛けることで固定できるものなど、固定が簡単にできるタイプのバイクスタンドです。ディスプレイスタンドのように後輪が浮くというものも少なく、メンテナンススタンドとして使用するのには向いていません。保管を手軽にしたいという方におすすめです。
自転車のメンテナンスをしっかり行いたい方は、ワークスタンドの使用がおすすめです。胸のあたりまで高さを調節することができ、立ったままの作業が可能で、効率よくメンテナンスが行えます。プロ仕様のものがほとんどで、プロ並みの本格的な調整を行いたいという方におすすめです。
タイプ | ディスプレイスタンド |
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価格 | 9,236円 |
2台の自転車を展示収納することが可能です。スタンドは壁にもたれさせる構造となっており、設置も簡単。クレードルは、工具なしで3段階に高さを調節することができます。また、フック単体で左右の位置や角度も変えることが可能。トップチューブ径は最大65mmまで対応しています。
タイプ | キックスタンド |
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価格 | 3,884円 |
滑り止め設計された強化プラスチック製のキックスタンドです。アルミニウム合金を採用しているため、耐食性や耐久性に優れています。24~28インチの自転車(ロードバイクやマウンテンバイクなど)に対応。装着部はゴム製の保護材が内装しているため、自転車に傷がつくのを予防します。
タイプ | 壁掛けタイプ |
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価格 | 1,580円 |
自転車壁掛けスタンドです。余計な部品がなく省スペースのため、リビングやダイニングなど、場所を選ばずにインテリア感覚で自転車を飾ることができます。耐荷重20kgのため、ロードバイクやマウンテンバイクなど、さまざまな車種に対応可能。シンプルなつくりでありながら、自転車をしっかり支えてくれます。
タイプ | ディスプレイスタンド |
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価格 | 2,980円 |
重量感があり折りたたみ式でないため、持ち運びには不便ですが、他のタイプのスタンドと比較しても安定性抜群で、リアアクスルを引っ掛けるだけでバイクを固定することができます。タイヤが前後とも地面に接地するため、メンテナンスには不向きですが、バイクが出し入れしやすいのも良さの一つです。20~28インチホイールまで対応可能。
タイプ | 携帯用スタンド |
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価格 | 4,536円 |
ロードバイク向けのポータブルスタンド。重量も軽く、キャリングバッグが付属しているため、携帯に便利です。自転車のクランクアーム部分に取り付けて使用します。クランクアーム先端から80mmまでが、幅35mm×厚さ15mm以下のものに対応しています。
タイプ | ディスプレイスタンド |
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価格 | 4,320円 |
バイクフレームのシートステーとチェンステーの2箇所をフックに差し込むだけで自転車を自立させることができる、装着時に力が要らないタイプのスタンドです。後輪が持ち上がることから、軽いメンテナンスにも便利。支柱は折りたたみ式になっているため、支柱根本のつまみを引き上げることでコンパクトに収納することができます。
タイプ | ディスプレイスタンド |
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価格 | 1,252円 |
後輪のハブ軸を左右から挟み込むタイプのスタンドで、ハブ幅約13cmから16cmに対応しています。後輪を持ち上げるため、自転車のメンテナンス作業が楽にでき、ディスプレイスタンドとしても使用することが可能です。一般的なクイックリリースの自転車向けとなっており、一部のモデルには使用できない場合があるため、サイズは必ず確認するようにしましょう。
タイプ | メンテナンススタンド |
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価格 | 9,390円 |
3点で自立するスタンドのため、床面が多少平坦でなくても、安定して設置することができます。作業がしやすいよう、クランプの高さは床面から102cm~161cm の間で無段階に調整することが可能です。ロードバイクやマウンテンバイク、折りたたみ自転車などに対応しています。
今回は、バイクスタンドの中でも、使用者が多いディスプレイスタンド(折りたたみ式)の使用方法についてご紹介したいと思います。
何度もご説明している通り、ディスプレイスタンドは、後輪のクイックリリース部分を挟み込んで固定するタイプのバイクスタンドになります。
まず、折りたたまれた状態のディスプレイスタンドの開き方ですが、ディスプレイスタンドは、左右のレバー部分の丸いつまみを緩めることで、脚が開くようになっています。足の開き具合は、狭いと不安定になるため注意が必要です。脚が広いほうを前側にしたほうが、安定性が高くなります。
また、ディスプレイスタンドのレバー部分には溝がありますが、そこにクイックレバーをはめて挟み込むようにしていきます。ただ、自転車の種類やメーカーによっては、クイックレバー部分がうまくはまらないことがあるため、購入前のサイズ確認はもちろん、実際に使用したことがある方の口コミやレビューもチェックしておくと良いでしょう。
レバーをはめる際は、ディスプレイスタンドを地面に置いたまま自転車を浮かせてはめようとする方もいるかもしれませんが、これだと非常にやりにくい方法になります。やりやすい方法として、まずは、自転車の後輪を前に持ってきて、左手でサドル部分をつかんで自転車を支えるようにします。この時、後輪は地面についた状態で、スタンドは手前に倒しながら、右手を使ってクイックレバーにはめていくようにします。ディスプレイスタンドが無事にはまったら、自転車の後輪を持ち上げると、自然とバイクスタンドがタイヤの下に下がってきます。これで取り付けが完了です。
ロードバイクやトライアスロンバイクは、本来、競技向けのバイクですが、やはりバイクスタンドがあると、トレーニングなどで外出した際も、駐輪しやすくなるため、非常に便利です。しかし、外出先でもよく使用する携帯用バイクスタンドは、安定性も強度もそんなに高くないため、長時間の駐輪には向いていません。
冒頭でもお伝えしたように、ロードバイクやトライアスロンバイクなどのスポーツバイクは、スピードが出るよう軽量化されているため、片手でも簡単に持ち上げられるくらい、非常に軽くできています。そのため、ちょっとした傾斜地や風でもすぐにフラついてしまい、自転車自体が倒れやすくなっているのです。
ただ、バイクトレーニングで外に出て、長時間駐輪するという機会はほとんどないと思いますし、外出した際に携帯用のバイクスタンドがあるとやはり便利ですので、持っていて損はないと思います。また、キックスタンドを取り付けた時のように、自転車の見た目のカッコよさが損なわれる心配も、ほとんどありません。
今回はバイクスタンドをご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
大事なポイントは
ということです。
バイクスタンドは、トライアスロンレースには直接関わりのあるものではありませんが、競技に使用するバイクを大切に保管し、メンテナンスを行うために、必ず必要となってくるアイテムです。バイクスタンドといってもさまざまなタイプのものがありますので、まずは保管とメンテナンスの両方に使えるものから使用してみるなどし、自分が使いやすいと思うものを選べるようにしておきましょう。
また、自分がトライアスロン競技で使っているバイクと、バイクスタンドの相性が合わない可能性もあるため、対応しているサイズなどはきちんと確認してから購入するようにしましょう。