このページでは、トライアスロンの一種目であるバイクに関する規定についてまとめています。
公益法人 日本トライアスロン連合のオフィシャルサイト内に掲載されている「JTU競技規則 第8章 バイク(自転車)」の中から、注意すべき項目をピックアップしました。
競技方法や禁止行為といった乗車に関するルールから、バイクの構造・装備品まで細かい規定が設けられていますので、今後レースへの参加を考えている方は必ず目を通しておきましょう。
例えば、何か落としたものを拾いに戻る行為も逆走と見なされるために必ずバイクを降りて「押して戻る」など、レース前に知っておきべき基本的なルールが明記されています。
- バイクの競技方法は、バイクに乗車して行うことを基本とする。
- コースの路面状況、急坂又は機材の故障などの理由によりバイクに乗車したまま競技を行うことが困難なときは、降車し、押す、持ち上げ又は担ぐなどの方法により競技することができる。ただし、ホイールを伴わない状態でフィニッシュすることはできない。
(1)バイクコースの逆走(誤ってバイクコースから離脱し、又はコース上に落とした用具を拾うなど正当な理由によりバイクコースを戻らなければならない場合は、バイクから降りて押して戻らなければならない。
(2)直に胸などの胴体部分をハンドルバーに接触させつづけて走行するフォーム
(3)バイクから離れて走行すること。
(4)道路が完全規制された一方通行であるコースを除き、センターラインをはみ出して走行すること。
(5)他の選手をブロックする。
(6)上半身裸でバイクに乗る。
(7)バイクチェックイン時と異なるバイクを競技で使用する。
- 選手は審判が別の指示をしない限り、大会開催当地の交通規則に従わなければならない。
- 安全上の理由のために、競技コースを離れる選手は、アドバンテージを得ることなく、競技コースに戻らなけ ればならない。これにより、もしアドバンテージがあった場合は、エイジグループ選手では、トランジションエリアでタイムペナルティを受け、その他の区分の選手は、ランペナルティボックスで同ペナルティを受ける。
- 危険バイク運転はペナルティとなる場合がある。これは、間違った方向から他の選手を抜く行為も含まれる。
バイクの全長・幅などの最大値や、ホールやタイヤ、ハンドルやブレーキといった装備の取付、ヘルメットの規格まで、そのルールは広範囲に渡ります。
レース参加を想定しているのであれば、バイクのみならず装備品についても規定違反にならないよう、店舗スタッフなどの専門家に相談することをおすすめします。
- 競技に用いるバイクは、ロードレーサーを基本とする。
- 自転車は同径の2つの車輪を持つ人力で動く車両である。前輪はハンドル操作が可能であり、後輪はペダルとチェーンで構成されたシステムによって駆動するものである。自転車はバイクと表現し、次の特性を備えていなければならない。
エリート、U23、ジュニアとユースのドラフティング許可レース用には、
(1)バイクのフレームは、メイン三角形を中心とする伝統的なパターンでなければならない。
(2)バイクは全長185cm以内、幅50cm以内でなければならない。
(3)チェーンホイール軸の中心は地面から24cmから30cmの範囲とする。
(4)チェーンホイール軸を通る垂直線と前輪軸の中心を通る垂直線の間は、54cm以上65cm以内でなければ ならない。
(5)フェアリングは禁止。空気抵抗を低減したり、空気抵抗を低減する効果を持っていたり、あるいは人工的に加速させたりすることを目的とした、保護スクリーンや胴体状のフェアリング、あるいは同様の機能を持ついかなる部品もバイク本体に組み込んではならない。
バイクに取り付けることができる装備は、スペアタイヤ、空気入れ(インフレーター)、バイクボトル、ボトルケージ及び補給食など必要最小限のものとし、かつ、走行中容易に脱落しないよう取り付けなければならない。
次に掲げる装備はバイクに取り付けてはならない。
(1)空気抵抗を減らすフェアリングなどの風防機能を有する機材(風防機能を有するバイクボトルを含む。)
(2) 装着することによって、バイク競技に支障をきたし又は危険性を伴う装備
(3) 前照灯、リフレクター、ベル、泥除け、スタンドなど競技に無関係な装備。ただし、前照灯、リフレクター及びベルについては一般公道で開催される大会において大会規程により装着義務となることがある。
- ハンドル形状は、ドロップハンドルを基本とする。
- ドロップハンドルを逆向きに取り付けることを禁止する。
- 前輪と後輪に、それぞれハンドル部のブレーキレバーで制御できるブレーキが装着されていなければならない。
- ハンドルバーにはバーテープを巻き、バーエンドはエンドキャップでしっかりとふさがなければならない。
周回コースで行われる大会においては、大会規程によりサイクルメーターの装着が義務付けられることがある。ただし、装着が義務付けられていない大会であってもサイクルメーターの装着を推奨する。
- バイク競技では、常にバイク競技用の硬質ヘルメットを、その取扱説明書に従い正しく着用していなければならない。
- ひび割れ、表面の不良及びストラップの不良などがあるヘルメットの使用は禁止する。
ドラフティング(トレイン)とは、前を走るバイクや先導者を風除けにして走行する行為をいい、カーレースなどでは一般的にスリップストリームと呼ばれています。
空気抵抗を軽減できるドラフトゾーン(バイク後輪の最後部から後方5m、両サイド1mの計2m)が規定されており、トライアスロンではほとんどのレースでドラフティングが禁止されています。
一般の大会及びロングディスタンスの大会はドラフティング禁止レース(バイク競技におけるドラフティ ングを禁止するレースをいう。)とする。
「ドラフティング」とは、他の選手又は車両のドラフトゾーンの中に入って走行する行為をいう。
(1)ミドルおよびロングディスタンスのドラフトゾーン:バイクのドラフトゾーンは、前輪の先端から測定して縦12mである。選手は、他の選手のドラフトゾーンに入ってもよいが、そのゾーン内を進行しているように見えなければならない。他の選手のゾーンを追い抜くために、最大25秒を許可する。
(2)スタンダードあるいはこれより短い距離の大会:バイクのドラフトゾーンは、前輪の先端から測定して縦10mである。選手は、他の選手のドラフトゾーンに入ってもよいが、そのゾーン内を進行しているように見えなければならない。他の選手のゾーンを追い抜くために、最大20秒を許可する。
(3)オートバイドラフトゾーン:オートバイの後ろ12mをドラフトゾーンとする。これはドラフト許可レースにも適応される。
(4)車両ドラフトゾーン:車両の後ろ35mをドラフトゾーンとし、バイク競技中の全ての車両に適応される。これはドラフト許可レースにも適応される。
- ドラフティング禁止レースにおいては、「キープレフト」を守り競技を行うものとする。
- キープレフトとは路肩あるいは競技コース左端から1m以内を基準として走行することである。
- ドラフティング禁止レースにおいては、並走したままバイク競技を行うことを禁止する。ただし、危険回避のためにやむをえないときはこの限りでない。
- 前項ただし書きにより並走したときは、危険が回避された場合、直ちに並走を解除しなければならない。
ドラフティング禁止レースにおいては、ドラフトゾーンに進入しているかどうかに関わらず、集団走行とならないよう心がけながら競技をしなければならない。
ドラフティング禁止レースにおいて選手は、他の選手のドラフトゾーンに進入することを禁止する。ただし次の各号に掲げるときに限りドラフトゾーンへ進入することができる。
(1)第95条に規定する方法で先行する選手を追い越すとき。
(2)危険回避のためにやむをえないとき。
(3)トランジションエリアの出入り口及び合流地点の付近を通過するとき。
(4)減速指示又は追い越し禁止の指示がある鋭角ターン及び折り返し地点の付近を通過するとき。
(5)道路幅の減少、工事区間、迂回路、その他安全上の理由により、大会スタッフから指定された区間を通過するとき。
(6)エイドステーションやトランジションエリア前後の100m
ドラフティング禁止レースにおいては、次に掲げる行為をブロッキングとみなし禁止する。
(1)選手は、コースの端を走行し続け、ブロッキング状態をつくってはいけない。ブロッキングとは、後続の選手が、前を行く選手の走行位置が不適切で、追い抜けない状態である。ブロッキングした選手は黄色いカードを受け取り、次のバイクペナルティボックスでペナルティが課される。
(2)先行する選手を追い越したとき、追い越した選手のバイクの前輪の最前部から追い越された選手のバイクの前輪の最前部までの間隔をミドルおよびロングディスタンス12mスタンダードあるいはこれより短い距離の大会10m以上開けないで追い越した選手がキープレフト走行に入ること。
(3)他の選手の右側を、他の選手と同一の速度を保ったまま走行を続けること。この場合において、他の選手のドラフトゾーンに進入しているかどうかを問わない。
- 追い越しを試みているときは、ミドルおよびロングディスタンス25秒、スタンダードあるいはこれより短い距離の大会20秒以内に限り、他の選手のドラフトゾーンに進入できる。
- 追い越した選手は、追い越すときの速度を持続させ、追い越された選手の前輪の最前部からミドルおよびロングディスタンス12m、スタンダードあるいはこれより短い距離の大会10m以上引き離してから、緩やかにキープレフト走行に入るものとし、キープレフト走行に入る前に速度を緩めてはならない。
- 追い越された選手は、通過した選手のドラフトゾーンから後退し、通過選手のドラフトゾーンから脱落しなければならない。ドラフトゾーンから脱落する前に、通過した選手を追い抜くことは、ドラフティング違反となる。
- ドラフティングの罰則
(1)ドラフティング禁止と宣言されたレースでは、ドラフティングを禁止する。
(2)審判は、タイムペナルティの罰則対象となるドラフティングを行った選手に通知する。この通知は、はっきりと明確でなければならない。
(3)罰則を受けた選手は、次のペナルティボックスで停止し、レース距離に応じて科せられる特定の時間、そこに留まらなければならない。スプリントディスタンスで1分、スタンダードディスタンス2分、ミドルとロングディスタンス5分間。
(4)次のペナルティボックスで停止するのは選手の責任である。履行できなかった場合は失格とする。
(5)二回目のドラフティング違反は、スタンダードディスタンスあるいはこれより短い距離では、失格につなが る。
(6)三回目のドラフティング違反では、ミドルとロングディスタンスでは失格につながる。
(7)ドラフティング違反は抗議できない。
- ドラフティングレース(バイク競技におけるドラフティングが認められる大会をいう。)の開催は、JTUが承認した大会に限定する。
- ドラフティングレースであっても、車両ドラフトゾーンへの進入は、危険回避のためにやむをえないときを除き、 禁止する。
第83条のサイクルメーターに付随しますが、周回コースでのレースにおいて、何周走ったかは自己管理で把握しなければなりません。
もし規定の周回を満たさずにゴールした場合は失格処分となってしまいます。そこで、何km走ったかを計測できるサイクルコンピューターは必ず装着するとともに、正しく計測されているか常にチェックするようにしてください。なお、多く周回しても失格にはなりません。
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