自転車に乗る際に着用する〝サイクルグローブ〟。サイクルグローブには、滑り止めや手の疲労の軽減といったさまざまな役割があり、もちろん、寒い時期での競技や練習では、寒さ対策としても必須のアイテムになります。しかし、トライアスロン競技で行うバイク種目は、他の自転車競技とは違い、スイムの後に行わなければならないため、サイズなどに気を付けて製品を選ぶ必要があります。今回は、どれを選べば良いかわからないという方のためにも、選ぶポイントやおすすめの〝サイクルグローブ〟をランキング形式でご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
〝サイクルグローブ〟とは、自転車走行時に着用する手袋のことで、サイクリングを安全に行うために装備するアイテムの一つです。
製品にもよりますが、基本的にサイクルグローブには、手のひら側にパッドが入っており、走行中の微振動を吸収して、手の疲労を軽減してくれるといった効果を発揮してくれます。
ただし、トライアスロン競技では、〝サイクルグローブ〟の着用が義務付けられているわけではないため、参加者によっては、靴下と同様に、サイクルグローブを着用せずにバイクに乗車する方もいます。
これは、トランジションエリアでのタイムロスを最小限に抑えるためです。次の種目に移る準備の時間もタイムに含まれることから、種目と種目の間を指す〝トランジション〟は、トライアスロンの〝第4の種目〟とも言われています。
スイムからバイクに移行する際のトランジションタイムでは、スイムの後で手が濡れている、ふやけているということもあり、サイクルグローブの着用にはどうしても時間がかかってしまうのです。開催される大会によってもルールは異なりますが、サイクルグローブを着用するかしないかは、基本的に自己判断となります。しかし、速く走ることに特化したロードバイクやトライアスロンバイクは、タイヤが細いという特徴があり、シティサイクル(ママチャリ) やクロスバイク、MTB (マウンテンバイク) と比べると振動吸収性が悪い傾向にあります。グローブを着用していないと手に振動が伝わりやすくなるため、まだバイクに慣れていない初心者の方は、特に、手のひらの痛みに悩まされる方が多くいます。
また、手が汗などで湿っていたり、競技中に雨が降っていたりすると、ハンドルから手が滑りやすくなりますし、万が一落車した際にとっさに手を付くことから、素手で転ぶとケガの原因にもなります。サイクルグローブは、滑り止めによる安定した走行や、ケガを防止するという意味でも、重要なアイテムの一つになります。また、夏場は手の日焼け対策としても活用できる他、冬場のトレーニングやウインタートライアスロン大会では、寒さ対策でもサイクルグローブは必須になります。
さらに、出場する大会が長距離のレースだと、その分走行している時間も長くなるため、安全かつ安定したライディングを行うためには、サイクルグローブの着用がおすすめになります。
トライアスロン競技では、出場する大会によって走る距離が変わってきますが、距離が長くなればなるほど、その分、神経の圧迫や地面からの衝撃を受ける時間も長くなり、手の疲労が蓄積されていきます。
そのため、サイクルグローブは、レースが長時間になるほど、厚めのパッドを選ぶようにするのがおすすめです。厚さがあるものはその分クッション性も高くなるため、手の疲労を軽減させることができ、姿勢維持も楽になります。ただし、パッドは、分厚いものほど良いというわけではありません。
選手の中には、パッドが薄いものや、パッドが付いていないサイクルグローブをあえて使用することで、手の感覚を重視する方もいます。つまり、パッドは厚くなるほど、操作のダイレクト感が損なわれ、路面の状況を感じにくくなるのです。
また、同じサイクルグローブでも、使用しているバイクのグリップやバーテープによって感覚が変わってくるため、実際にハンドルを握った時の感覚なども踏まえたうえで商品を選ぶようにすると良いでしょう。パッドの配置は製品によって異なるため、ハンドルを握った時に、自分が痛くなりやすいと思う手のひらの部分にパッドが付いているグローブを選ぶようにしましょう。
エントリーモデルのグローブによく使用されている。安価な素材でありながら、軽量で耐久性に優れている。
高い耐衝撃性があり、膝パッドやランニングシューズなどにも使用されている。ミドルクラス~ハイエンドのグローブに採用されることが多い。
柔らかく、優れた耐衝撃性を持っている。ミドルクラス~ハイエンドのグローブに採用されることが多い。
サイクルグローブには、指が出ているタイプの「ショートフィンガー(ハーフフィンガー)」と、指先まで生地があるタイプの「ロングフィンガー(フルフィンガー)」の2 種類があります。
「ショートフィンガー(ハーフフィンガー)」は、指の第二関節くらいから指先までの部分がカットされているタイプのグローブで、操作性が高く、通気性に優れているといったメリットがあります。
しかし、グローブが取り外しにくい、転倒した際に指先をケガするリスクがある、特に夏場は指先だけ日焼けしやすいなどのデメリットもあります。蒸れにくいということもあり、夏などの暑い時期に使用されることが多いタイプです。「ロングフィンガー(フルフィンガー)」は、普通の手袋と同様、指先から手首のあたりまでしっかり覆うことができるタイプのグローブです。保温性が高く、防寒用として使用することができるため、秋冬用というイメージが強いかもしれませんが、実際は、通気性を重視した夏用のロングフィンガータイプも販売されており、日焼け対策としても使用することができます。
最近は、グローブを着用したままスマートフォンの操作ができるものも販売されており、特にトレーニングでサイコンと繋げたスマートフォンを使用している方は、グローブを着用したまま画面の操作を行うことも可能です。また、サイクルグローブは、指の長さだけでなく、各製品の機能もチェックしておくことが大切です。
夏向けのグローブを購入する場合は、吸汗速乾性があり、通気性を重視したメッシュ素材などを採用しているものや、UVカット加工が施されているもの、汗を拭く機能があるものなどを、冬用のグローブを選ぶ際は、外気を通しにくく、厚手で、防風・防水素材を採用しているものや、スマートフォンのタッチパネルに対応しているものを選ぶようにするのがおすすめです。特に冬用のグローブに多いのですが、製品によって「推奨温度」を示しているものもあり、商品を選ぶポイントの一つになります。
非常に寒い時期に装備するグローブです。防風・保温性能を重視しているため、グローブに厚みがある分、操作の感覚に影響します。
寒い秋冬の装備に向いています。「0℃」に対応したグローブと同様、基本的にはロングフィンガー(フルフィンガー) タイプになります。・10℃~10℃以上対応のため、ロングフィンガー(フルフィンガー) タイプでも薄手のものが多い傾向にあります。主な使用目的は、転倒しのケガの防止や日焼け対策などです。
春・夏・秋の装備におすすめのタイプです。ショートフィンガー(ハーフフィンガー) タイプが多い傾向にあります。
さらに、滑り止め加工があるものはグリップ力が高いため、競技中に突然雨が降ってきた場合でも、滑りにくく、安定した姿勢を維持することができます。滑り止め加工の有無や、滑り止めの配置なども、購入前に必ずチェックしておくようにしましょう。
冒頭でもお伝えしたように、トライアスロンのバイクパートはスイムパートの次に行われる種目のため、手が湿っている状態で急いでグローブを着用することになります。トランジションタイムを少しでも短い時間で済ますためには、少し大きめのサイズを選んでおくようにすると、ジャストサイズのグローブよりスムーズに着用しやすくなります。サイクルグローブのサイズは、基本的に手のひら周りの長さが基準となります。中指から手首までの高さを把握しておくと、自分の手のサイズに合うサイクルグローブがより選びやすくなります。
トライアスロン競技で使用するグローブの場合は、自分の手とぴったりのサイズより、少しだけ大きめのものを選ぶようにするのがポイントです。
ただし、同じサイズでも、メーカーによって大きさが異なるため、ネットで購入する場合も、一度お店などで試しに着用してみるのが良いでしょう。
ナイロン素材は吸水性や吸湿性に優れており、軽くてつけ心地が良いことから、汗をかきやすく蒸れやすい時期も、快適に着用することができます。しかし、耐熱性が低いことから、摩擦熱で擦れやすく、他の素材と比べると交換の頻度が高い傾向にあります。
ポリエステル素材は、耐熱性と強度に優れており、水洗いも可能です。ただし蒸れやすいため、寒い時期の大会での使用に向いています。
合成皮革は、伸縮性や保湿性が高く、耐久性に優れているのが特徴です。ただし、水分に弱いため、ポリエステルのように洗ったり、雨が降った日に着用したりするのはあまりおすすめできません。濡れる機会が多いトライアスロン競技での着用は、控えたほうが良いでしょう。
サイクルグローブには、メンズ用、レディース用、男女兼用のものがあります。特に性別が指定されていないものは、基本的にメンズ向けと考えて良いでしょう。
メンズ用は、機能性を重視したものからデザイン性にこだわったものまでさまざまな製品がラインナップされており、特にショートフィンガー(ハーフフィンガー) タイプは、多くのメーカーから販売されているため、自分の好みや用途に合わせて製品を選ぶことが可能となっています。
レディース用も、メンズ用のように多様な製品が販売されていますが、やはり男女兼用のものと比べ、女性らしいおしゃれなデザインが多いというのが大きな特徴になります。また、レディース用は、紫外線対策としてロングフィンガー(フルフィンガー) タイプが人気の傾向にあります。
サイズ | 女性用S、女性用M 男性用S、男性用M、男性用L、男性用XL |
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価格 | 1,598円 |
色変更 | 全8色 |
グローブをはめたままスマホにタッチできるため、サイコンと繋げたスマホを操作することも可能です。人差し指と親指には特殊な生地を使用しており、手袋が外しやすくなっています。超立体シリコンゴムが入っているため、ライディング中の振動から手のひらを保護します。
サイズ | S、M、L、XL、XXL |
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価格 | 4,320円 |
色変更 | 全3色 |
異なるクッションを最適なバランスで組み合わせた2 層構造パッドで、手の痛みや疲労を軽減します。パッドの厚さは目的別で選ぶことが可能です。高い通気性やUV カット機能も付いて、長時間のライディングも快適。トライディ システム(超立体構造)で楽にハンドルを持つことができ、操作性を高める自転車専用設計となっています。
サイズ | S、M、L、XL |
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価格 | 5,000円-5,500円 |
色変更 | ー |
長時間のライディングに最適な、ソフトタッチの素材と振動吸収パッド、フレクションフリーを採用。シマノ独自のグローブデザインにより、手首の動きを妨げず、プレミアムGELパッドがハンドルバーに当たる部分の微振動を吸収してくれるため、疲労を防ぎ、高い操作性を発揮します。また、UV プロテクト機能もついて、紫外線による日焼けも予防可能となっています。
サイズ | S、M、L、XL、XXL |
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価格 | 1,430円-1,780円 |
色変更 | 全12色 |
グローブの素材には、耐磨耗性、裂けにくい、張りが強いなどの利点があるポリ・ウレタンを採用。力を受けやすい部分にはスポンジを採用し、手のひらを保護します。小指と薬指、中指と人差し指には、装着、脱着にも便利なフック付き。その人の腕に合わせて調整できるベルクロや、手の甲には弾性のあるライカ生地を採用しており、ハンドルが握りやすく、自然な指の曲がり方で抜群の操作性を実現しています。
サイズ | S、M、L、XL |
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価格 | 961円-1,980円 |
色変更 | カラー 全4色 |
ハンドルバーやブレーキレバーからの衝撃をしっかり吸収する、クッション性の高いSBR 素材を採用。長時間のライディングも疲れづらくなります。シリコンは指切りタイプのため、滑り止め効果でより繊細なブレーキ操作が可能となります。高い通気性により、真夏の使用にもおすすめ。速乾性、伸縮性、柔軟性、耐久性、快適性に優れたサイクルグローブです。
サイズ | S、M、L、XL、女性用S、女性用M |
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価格 | 1,598円 |
色変更 | 全14色 |
世界で累計出荷数が250,000 個も突破した大ヒット商品。通気性の良い素材と人間工学に基づいた設計により、手の快適さと保護を同時に実現しました。各指の自然な曲がり方を再現しており、グローブを着用することでハンドルが握りやすくなります。また、低反発ウレタンと中厚のクッション材を組み合わせたパッドで、操作もしやすくなっています。
サイズ | S、M、L、XL |
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価格 | 1,599円-1,899円 |
色変更 | 全5色 |
手の動きを妨げない輪郭線に適うデザインで、自然な動きを実現します。衝撃吸収性に優れたSBR クッションパッドが、走行中の手のひらの負担を軽減。親指のアッパー部分には、感触の良いタオル生地を使用しており、汗をふき取るのに重宝します。滑り止めの効果により、ハンドリングも安定します。
サイズ | S、M、L、XL |
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価格 | 937円-2,599円 |
色変更 | 全6色 |
通気性、弾性、吸汗性、耐久性に優れた、高弾性ライクラ生地やスエード生地を使用しており、丈夫で、グローブ内の蒸れを防ぎます。さらに、耐震性のある滑り止めクッションパッドが、ハンドルの反作用力を効果的に緩和することで、手のひらの神経損傷を軽減。グローブにはロープが付いているため、汗で湿って手に張り付いたグローブも、簡単に外すことができます。
サイズ | M、L、XL |
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価格 | 1,480円-1,680円 |
色変更 | 全5色 |
5 ㎜厚手の「耐震3 次元衝撃吸収SBR シリコンパッド」が、地面からの振動を吸収して手を守ります。男女兼用。フックが付いているため、着脱も簡単です。親指のアッパー部分はタオル生地になっているため、汗を拭き取ることもできます。高いグリップ力・プロテクション性・快適性・柔軟性・伸縮性・通気性・耐久性を兼ね備えた、幅広いシーンで活躍できるサイクルグローブです。
ショートフィンガー(ハーフフィンガー)タイプは、特に汗をかきやすい夏場は脱ぎづらくなりますが、脱ぎ方のポイントを押さえておけば、スムーズに取り外すことが可能になります。
また、現在販売されているサイクルグローブには、グローブを取り外す際に便利な、専用のフックが中指と薬指などについており、つまめるような形状になっているものが多くあります。少しでもタイムロスを減らすため、サイクルグローブの着脱はあらかじめ練習しておくようにしましょう。
サイクルグローブのお手入れ方法についてですが、製品に使われている素材によっては洗濯が禁止されているものも
あるため、各製品の使用方法に従ってお手入れを行うようにしてください。
サイクルグローブは、基本的に洗濯機で洗うことができます。洗濯機に回す際のポイントとしては、マジックテープ(ベルクロ)の部分で他の洗濯物を傷つけないよう、必ずネットに入れてから洗濯機に投入するということです。
また、洗濯機で回すと痛みや型崩れが気になるという場合は、手洗いがおすすめです。
選ぶポイントでも触れましたが、スイムパートの後は手がふやけていつもより大きくなっている状態のため、ジャストサイズのグローブを選んでしまうと、トランジションの際にグローブをなかなかはめられず、タイムロスに繋がってしまう可能性があります。サイクルグローブに限ったことではありませんが、トライスロンで使用するバイクアイテムのサイズ選びでは、他の自転車競技とは異なり、こういった場面を想定しておくことが非常に重要となります。
今回はサイクルグローブをご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
大事なポイントは
ということです。
トライアスロン競技では、サイクリンググローブの着用は義務付けられていませんが、サイクルグローブには、ハンドルに伝わる衝撃を吸収したり、疲労を軽減してくれるといったさまざまな役割があります。そのため、安定した走行を維持したいという方や、ロング・ディスタンスなど長距離の大会に出場することが多いという方は、取り入れてみるのがおすすめです。ぜひ、今回紹介した選ぶポイントなどを参考にして、自分に合うサイクリンググローブを探してみてはいかがでしょうか。