サイクルソックスには、走行中の足の保護や、ペダリングをサポートするといった役割があるため、サイクルソックスを着用するかしないかは、ライド中の快適性に大きく関わってくる部分になります。しかし、トライアスロンでは、スイム後の足がふやけている状態でサイクルソックスを履くことになるため、それを踏まえたうえで商品を選ばなくてはなりません。また、濡れた足では靴下を履くのに時間がかかってしまい、タイムロスに繋がるため、タイムと足の保護のどちらを優先するか、出場する大会の距離に合わせて、サイクルソックスを着用するかしないかを決める必要があります。そこで今回は、トラアスロンでのサイクルソックスの必要性や、サイクルソックスを選ぶポイント、おすすめのサイクルソックスなどについてご紹介させていただきます。ぜひ参考にしてみてください。
サイクルソックスとは、自転車走行時に、靴擦れしたり足が蒸れたりするのを防いで、ペダリングをサポートしてくれる靴下のことをいいます。
トライアスロンでは、基本的に競技中のサイクルソックスの着用は義務づけられていないため、サイクルソックスを履くか履かないかは個人の自由となります。
レース中は、次の種目に移るための準備の時間(トランジション)もタイムに含まれてしまうことから、特にスピードが重視のショート・ディスタンスでは、スイムパート終了後、靴下を履かずにそのままバイクパートに移行する方が多い傾向にあります。これは、スイム直後の足が濡れてふやけていることから、靴下を履くのに余計時間がかかってしまうため、靴下を履かないことでその分のタイムロスを減らすことに繋がるからです。
しかし、裸足のままシューズを履いて、バイク、ランを続けて行うことは、靴擦れを起こしやすくなる、足が蒸れやすくなる、肉刺や水ぶくれができやすくなるといったリスクを伴うことになります。そのため、距離が長いレースほど、サイクルソックスを着用する選手が多くなり、競技時間が10時間以上にも及ぶロング・ディスタンスでは、スイム終了後、ほとんどの選手が靴下を履いて次の種目に移っています。
より短いタイムを出すためには、サイクルソックスを履かないという選択肢がありますが、裸足のままシューズを履いて走行することで、靴擦れや肉刺、水ぶくれができてしまうと、結果的にペースを落としてしまうことになります。トライアスロンレースにまだ慣れていないという方や、足の痛みや走行中の足の不快感が気になるという方は、無理をせず、サイクルソックスを着用して競技に臨むようにしましょう。
また、バイクパートは、ランパートに比べると靴擦れするリスクが低くなるため、バイクパート時は裸足でシューズを履き、ランパートに移る際に靴下を履くといった方法をとっている選手もいます。
足と靴が擦れて傷ができてしまうのを防ぎます。いくら自分の足にぴったりのビンディングシューズを選んでも、裸足で靴を履くと、靴の内側と皮膚が摩擦を起こしやすくなるため、特に長時間のライディングやランニング時には、靴下を着用した方が良いです。
スイム後は足が濡れていますし、運動中は汗もかくため、靴の中が蒸れやすくなっています。サイクルソックは、通気性や速乾性、吸汗性などに優れた素材を使用していることから、足が蒸れにくく、走行中の不快感を軽減することができます。
肉刺(マメ)や水ぶくれは、靴との摩擦や蒸れが原因で起こるため、サイクルソックスを履くことにより、肉刺や水ぶくれができるのを予防することもできます。
サイクルソックスは、通常の靴下とは縫い方が異なるため、土踏まずのアーチ部分をサポートしたり、足首部分を安定させたりする効果もあります。長時間のペダリングによる足裏の痛みや疲労の軽減に繋がります。
消臭機能や抗菌機能があるサイクルソックスには、雑菌の増殖を抑制して嫌なニオイを軽減させるなどの効果が期待できるため、靴や靴下を脱いだ時の足の臭いが気になりません。また、靴下にニオイが付着してしまうのを防ぐこともできます。
サイクルソックスは、大きく分けてロング丈とショート丈があります。丈が長くなるほど肌が隠せるため、日焼け止めの効果があり、ケガの防止にも繋がりますが、履きやすさでは丈が短い方が有利でしょう。また、履き心地や履きやすさだけでなく、見た目の好みで選んでみても良いかもしれません。
サイクルソックスは、足裏に滑り止めが配置されているものが特におすすめです。滑り止めがあると、シューズの中で足が滑ることがないため、力が入れやすくなり、より力強く安定したペダリングを行うことができます。
サイクルソックスは、オールシーズン使えるものから、急汗速乾性に優れた春夏用、厚めの生地でできた秋冬用までさまざまあるため、使用する季節に合わせて商品を選ぶようにすると良いでしょう。
サイズ | 22~24cm、24~26cm、26~28cm |
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価格 | 1,944円 |
色変更 | 全5色 |
「SL GEO バーテープ」と組み合わせて使うことで、ソックスとバーテープの柄をお揃いにするなど、コーディネートを楽しむこともできるサイクルソックスです。もちろん履き心地も良く、土踏まずアーチと足首をサポートしてくれるため、ペダリングやランディングによる疲労を軽減します。
サイズ | 22-25cm、25cm-28cm、27cm-30cm |
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価格 | 755円-9,378円 |
色変更 | カラー 全4色 |
土踏まずの形状を保つことで、疲労の原因となる扁平足状態を防ぎます。足首の部分はズレを防ぎつつも適度な締め付け感で、サポートに優れたリブ構造。通気性、吸汗性、耐摩擦性、防臭といった複数の機能を兼ね備えており、あらゆるスポーツに最適なアイテムです。男女兼用。
サイズ | S、M、L |
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価格 | 2,700円 |
色変更 | 全7色 |
セミロングタイプのソックスです。ソックスの主原料である「マニラ麻」の「多孔質性」により、スイム後の濡れている足や運動中の汗なども、地面を踏みしめるタイミングで水分が押し出されるため、足のふやけやムレ、靴擦れなどを抑えることができます。また、足の臭いの元となる「イソ吉草酸ガス」の発生時に、ガスの滞留時間を短縮する消臭効果も期待できます。
サイズ | 22~30㎝ |
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価格 | 2,322円 |
色変更 | 全2色 |
itoixスポーツソックスの主原料である「マニラ麻」は、表面に無数の穴が開いているのが特徴。そのため、吸湿性・速乾性に優れており、汗や水分によるムレを大幅に軽減させるだけでなく、靴擦れ、ふやけ、水分と摩擦が原因で起こる肉刺(マメ)も、最小限に抑制することができます。また、スリット状の和紙とシルク糸を独自の技術で混紡しているため、わずか24gと超軽量でありながら、従来綿の3倍もの強度があります。男女兼用。
サイズ | 1サイズEU41-44(25.4.27.2cm) |
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価格 | 990円-20,719円 |
色変更 | 全6色 |
水分を外に押し出す疎水性に優れた「オレフィン(ポリプロピレン)」を使用しているため、生地が水分を吸収することがほとんどなく、高い速乾性と透湿性を実現しています。また、高いコンプレッション性能により足首をサポートしてくれるため、安定したランニングやスムーズなペダリングが可能となっています。
サイズ | フリーサイズ |
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価格 | 1,481円 |
色変更 | 全7色 |
足にフィットしやすい左右立体設計になっており、ペダリング時に使用する足底筋膜(土踏まずアーチ)を効果的にサポートします。かかと周辺のテーピング構造は、ペダリングに必要な可動域を確保しながら足首をホールドサポートし、足底のシリコングリップサポートは、滑り止めの役割を果たしてパワーロスを最小限に抑えます。また、サイドにあるエアベンチレーションメッシュは、汗や水分による不快感をやわらげてくれます。
消耗品という扱いになってしまうサイクルソックスですが、やはり通常の靴下と比べ値段も高めなので、いくら消耗品とはいえ、少しでも長持ちさせたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
サイクルソックスを長持ちさせるためには、洗濯の仕方がポイントとなります。
サイクルソックスは、基本的に洗濯機で洗うことが可能ですが、製品によって使われている素材が異なるため、使用できる洗剤や洗い方が異なる場合もあります。まずは洗濯表示を確認するようにしましょう。靴下は、服のように洗濯表示のタグが付いていないため、購入時にラベルなどをチェックする必要があります。
汗・皮脂汚れは、雑菌が繁殖してニオイが発生する原因となります。汚れている(皮膚に接触している)方を表にして洗うと洗濯効果が高いため、靴下は、必ず裏返してから洗うようにしましょう。表の生地の毛玉防止にも繋がりま
す。
サイクルソックスを洗濯機で回す場合は、必ず洗濯ネットを使用します。洗濯ネットに入れて洗うことにより、洗濯機を回した時の遠心力や他の洗濯物との摩擦によるダメージを軽減することができるため、生地の傷みや毛玉を防ぐことができます。また、靴下がバラバラにならずに済むため、干す時に探す手間も省けます。
洗濯ネットは、靴下に合わせて小さめのサイズのものを選ぶようにしましょう。大きいサイズの洗濯ネットに入れてしまうと、靴下が洗濯ネットの中で動きやすくなるため、ネットと生地がこすれてしまい、靴下を洗濯ネットに入れて洗う意味がなくなってしまいます。
手洗いの場合でも、洗濯機で脱水をかける際は、必ず洗濯ネットに入れるようにしましょう。
サイクルソックスは、メーカーによって使用されている生地が異なりますが、デリケートな素材には、中性洗剤を使ってやさしく手洗いするようにしましょう。また、洗剤だけでなく、水温にも注意する必要があります。
泥汚れは、濡れているほど繊維の中に入り込んで落ちにくくなるといった特徴があるため、泥で汚れたサイクルソックスは、まずは乾かすことが大切です。トライアスロンでは、スイムパートで足が濡れるのはもちろん、ほとんどの大会が自然の中で行われるため、汚れやすく、大会当日に雨が降る場合もあります。サイクルソックスに付着した泥汚れは、すぐに洗濯機で洗うと泥汚れをきれいに落とすことができなくなるため、まずは乾かすようにしましょう。
サイクルソックスが乾いたら、洗濯ブラシを使って泥を落とし、一度下洗いをしてから、洗濯機で洗います。汚れがひどい場合は、ブラシで泥をこすった後、30分から1時間ほどつけ置き洗いするのがおすすめです。
サイクルソックスは速乾性に優れており、滑り止め機能も付いているため、ライディング以外のさまざまなシーンでも着用することができます。
サイクルソックスはランニングにも使用することができるものもあり、トライアスロン競技では、スイムパートからバイクパートに移行する際に履いておけば、バイク終了後にそのままランパートに移ることができます。
また、速乾性、耐久性があり、滑り止め機能もあることから、キャンプなどのアウトドアで着用するのもおすすめです。
競技終了後、シューズやサイクルソックスを脱ぐ際に、足の臭いが気になったり、サイクルソックスについた臭いが 気になったりするという方もいるのではないでしょうか。サイクルソックスには、消臭機能や抗菌機能が付いている ものもありますが、それだけではニオイを完全に防ぐことができません。 まず、足の裏は汗腺が多く、汗をかきやすい部位であるため、足が蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい状態にあります。
また、汗は、汗自体が臭うのではなく、汗に含まれている成分が皮膚の常在菌に分解されることによって、ニオイを放つようになります。足の角質や皮脂なども、汗と同様、雑菌が繁殖しやすくなる原因となります。足のニオイの原因である「イソ吉草酸」や「酢酸」は、汗や皮脂、角質、垢などが、足の常在菌に分解されることによって発生します。「イソ吉草酸」は、納豆のにおい成分にも含まれている物質ですが、酸性なので、ただ強く洗うだけではなかなか落ちないという性質があります。
ニオイの原因は、「雑菌の繁殖」の他に、「ストレス」や「疲労」なども考えられます。緊張やストレスからくる「精神性発汗」は、運動による「温熱性発汗」よりも、ニオイが強く出やすいという特徴があります。「疲労臭」は、疲労が身体に蓄積されることによって肝機能や腎機能の働きが弱くなるため、老廃物が溜まりやすくなり、毒素である「アンモニア」が分解されず、老廃物として排出させてしまうのが原因で、ツンとしたニオイを放つようになります。ストレス臭や疲労臭は、足のニオイにも影響してくるため、要注意です。
「イソ吉草酸」は、ただ洗ってもニオイを消すことができないため、アルカリ性の物質で中和させる必要があります。重曹は弱アルカリ性のため、「イソ吉草酸」の消臭に効果的です。また、雑菌繁殖の原因となる足の角質を溶かす効果も期待できます。洗い方は、浴室などで、足の裏や足の指の間に重曹を塗りこんだ後、数分おいて洗い流すという方法になります。重曹は、薬局などで手軽に購入することができます。
足専用の、デオドランド効果のあるクリームやジェルを塗るのも一つの方法です。ただ、競技中はスイムでほとんど落ちてしまうため、トレーニング時や毎日のケアに使用するのがおすすめです。
角質リムーバーややすりなどを使って、ニオイ発生の原因となる足裏の古い角質を取り除きます。角質を取り除く際は、必ず足が乾いた状態で行うようにしましょう。やりすぎは禁物です。
・最初に足湯で足を温める足を洗うときは、いきなり洗浄しようとせず、まずは足湯で足を温めます。足湯をすることで血行が促進され、足が水分を含んで柔らかくなり、古い角質や垢を落としやすくなります。
・スポンジは柔らかい物を使用し、必ず泡立てる足は、ゴシゴシ洗えば良いというわけではありません。足の裏の常在菌を取り過ぎると、ニオイが悪化する原因になるため、柔らかいスポンジを使用するか、手を使ってやさしく丁寧に洗うことがポイントになります。また、石けんは先に泡立ててから使用するようにしましょう。
・指の間や爪の部分は特に丁寧に洗う爪垢も臭い発生の原因になります。指の間や爪の間は、カスが溜まりやすい分、強烈なニオイを放ちやすいため、念入りに洗う必要があります。ただし、先ほども言ったように、強い力でゴシゴシ洗うのはニオイが悪化する原因となるため、やさしい力で洗うようにしましょう。
・固形石鹸足のニオイ対策には、固形石鹸の使用がおすすめです。ボディソープは保湿を重視したものも多いことから、逆に蒸れやすくなる原因となるため、比較的洗い上がりがさっぱりした固形石鹸を使用するのが良いでしょう。ニオイ対策に有効な薬用せっけんなどを使用するのも効果的です。
サイクルソックスには、ランキングでご紹介したノーマルタイプの商品以外にも、足袋ソックスや5本指ソックスなどがあります。特に5本指ソックスには、踏ん張りが効きやすい、蒸れにくいため足の臭いを改善しやすいといった良さがあり、トライアスロンだけでなく、サイクリングを楽しむ方や、ロードバイク競技をする方にも人気の商品です。
ただし、ここで注意しなければいけないことが一つあります。一般的なロードバイク競技や普段のサイクリングとは違い、トライアスロン競技本番は、スイムからバイク、バイクからランという順で競技が行われるため、スイム直後の足は、濡れてふやけており、靴下が非常に履きづらくなっている状態になります。そのため、指の本数だけ細かく分かれている5本指ソックスを履くことは、タイムを重視するトライアスリートにとってかなりのタイムロスに繋がります。
最初にお伝えした通り、タイムの短縮にはソックスを履かないという選択肢もありますが、トライアスロン初心者の方や、素足でシューズを履くことに抵抗があるという方は、サイクルソックスを選ぶ際、ノーマルタイプで、なるべく履きやすい靴下を使用し、少しでもタイムロスを無くせるようにしましょう。
もちろん、競技で5本指ソックスを着用してはいけないというわけではありませんし、普段のトライアスロンのバイクパート練習時は、どのサイクルソックスを使用しても問題ありません。
今回はサイクルソックスをご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
大事なポイントは・サイクルソックスには、足を保護し、ペダリングをサポートする役割がある・滑り止めがあると、より力を入れやすくなる・5本指ソックスは踏ん張りが効きやすいが、スイム直後に履くのには時間がかかるということです。サイクルソックスを履かなければ、タイム短縮に繋がります。
しかし、サイクルソックスは、スイムパートでふやけた足を保護して、靴擦れや水ぶくれ防止に繋がることから、トライアスロン競技の中でも、特にロング・ディスタンスでは必需品となってきます。ぜひ、今回ご紹介した選ぶポイントなどを参考にして、自分に合ったサイクルソックスを探してみてはいかがでしょうか。