基本的に、トライアスロンのバイク競技では、当日の天候に関係なく、「泥除け」を装備してレースに出場するのは禁止とされています。しかし、練習中の突然の雨や、雨上がり・雪解けで路面が濡れている場合、泥除けを装備することで、タイヤの水しぶきや泥はねでお尻や背中が濡れてしまうのを防ぐことができます。また、汚れを気にせずにすむため、トレーニングも効率よく行うことができるでしょう。今回は、おすすめの泥除けをランキング形式でご紹介させていただきますので、練習に取り入れたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2019.11.11.
「フェンダー」、「マッドガード」とも呼ばれている泥除け。トライアスロンで使用できるロードバイクなどは、シティーサイクル(ママチャリ)とは違い、基本的に泥除けが装備されていません。これは、スピードを重視して重量を少しでも軽くし、レース中の空気抵抗をなくすためです。トライアスロンの大会では、危険が伴う悪天候でない限り、当日が雨天の場合でも開催されることがあります。大会によっては、トラック競技だけでなく、舗装されていないコースを走ることもあるでしょう。
しかし、レース中やレース前日に雨が降ってしまうと、地面が濡れていたり、ぬかるんでいたりするため、晴天時とは違い、かなり走りづらくなります。特にバイク競技は、「スイム」や「ラン」とは異なり、使用する道具の良し悪しもタイムに大きく影響してきます。
雨の日のバイクトレーニングは基本的に避けたほうが良いのですが、トライアスロンは大自然の中で行われる競技のため、大会当日やレース中に突然雨が降ってきても対処できるように、雨の日や雨あがりのコースを想定して練習を行うことも必要です。その際に役立つのが「泥除け」です。「泥除け」を自転車に装備することで、路面の状態が悪い時でも、タイヤで跳ねあがった水や泥でお尻や背中が汚れてしまうのを防ぐことが可能になります。
クロスバイクやロードバイクといった、泥除けが装備されていない自転車で、濡れた路面やぬかるんだ泥道などを走行する時。
ネジなどを使って自転車本体に固定するタイプです。タイヤ全体を覆うフルフェンダータイプのものがほとんどになります。一度装着してしまえば、突然雨が降ってきた場合でもいつも通り走行することが可能です。
工具なしで簡単に着脱を行うことができます。晴れの日は取りはずし、雨の日や地面の状態が悪い時だけ装備するといった使い方が可能です。持ち運びしやすく、急な雨の対策もでき、盗難防止にも繋がります。
泥除けには、伸縮するスライドタイプや、サドルの下に収納できるタイプなどがあります。折りたたみはワンタッチ式の泥除けに多くみられ、さらにコンパクトに携帯することが可能です。
「前後フルカバータイプ」は、シティーサイクル(ママチャリ)に装備されている泥除けと同じで、地面に接する面を除いた車輪全体を覆うタイプの泥除けになります。タイヤを覆っている部分が長いということだけでなく、他のタイプと比べてタイヤとの距離が近いため、高い泥除け効果を期待することができます。
しかし、フルカバータイプは基本的に固定式になるため、取り付ける際に工具を用意しなければならず、使用している自転車に合わせて多少加工を必要とする場合があります。また、自転車にダボ穴がないと取り付けることができず、全体の重量が重くなるといったデメリットもあります。トライアスロンで使用するバイクへの装備にはおすすめすることはできません。
タイヤ全体を覆ってくれる「前後フルカバータイプ」に対し、「前後セミカバータイプ」は、前輪の前半分、後輪の前半分のカバーを省いた、長さが少し短いタイプの泥除けになります。「前後フルカバータイプ」の次に泥除け効果が高く、自転車のフロントフォーク(前輪を支えている部分)やフレームに、ステーを固定するためのダボ穴がなくても、ゴムバンドで直接固定することができるため、着脱も比較的簡単です。取り付けられる場所は製品によって異なり、自転車のキャリーブレーキに固定するものもあります。
ただし、セミカバータイプの場合は、前半分のカバーが省かれていることから、顔や足元への水はね・泥はねを防ぐことができないというデメリットもあります。
自転車のダウンチューブに固定するタイプで、前輪にのみ対応しています。「前後フルカバータイプ」や「前後セミカバータイプ」のように、車輪を覆うタイプではないため、ハンドルを曲げると泥除けの効果が薄れてしまいます。ダウンチューブの裏側に傷がつくのを防ぐ目的で取り付けられる場合もあります。
サドルレールに固定するタイプの泥除けで、最も簡易的なものになります。後輪にのみ対応。収納しやすく、着脱や持ち運びに便利で、雨天の時だけ使用できるといった手軽さがあります。その反面、泥除けと後輪が離れていることから、泥除け効果は最も低いタイプになります。
また、レールの形状やサドルバックとの干渉にも注意が必要です。ただ、トライアスロン競技では泥除けの使用が禁止されているため、普段のトレーニングに、突然の雨対策として持ち運ぶのにおすすめです。
シートポスト(サドルの高さを調整する部分)に固定するタイプの泥除けで、後輪にのみ対応しています。取り付ける際は、後輪と泥除けがぶつからない高さでシートポストに固定する必要があります。簡単に着脱ができ、角度調整ができるタイプのものは、より高い泥除け効果を期待することができます。
泥除けには、自転車に取り付け・取り外しをする際に、工具が必要なものや、工具を使わずにワンタッチで装着できるものまであります。トライアスロンのバイク競技では、基本的に「泥除け」の装備が禁止されているため、固定式の泥除けの使用は避け、着脱が容易にできるものを選ぶようにするのがおすすめです。また、取り付け・取り外しが簡単だと、天気の変化にも対応しやすく、持ち運びも便利です。
泥除けには、フロント側に取り付けるタイプ(前輪用)と、リア側につけるタイプ(後輪用)、フロントとリア両方に対応しているタイプがあります。フロント用とリア用で、本体のサイズや取り付けステーが異なるため、自分が取り付けたい車輪に対応しているものを選ぶようにしましょう。両方のタイヤに取り付けたい場合は、フロント用とリア用がセットになって販売されているものを選ぶのがおすすめです。
泥除けは、大きく分けて、ロードバイク・クロスバイク用とMTB(マウンテンバイク)用の2つに分けることができます。ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイクはそれぞれタイヤの太さが異なるため、泥除けもそれに適した作りになっており、さらに、通勤・通学向けや、競技向けのものまであります。トライアスロンのバイク種目では、舗装路を速く走ることに特化した、ロードバイクやTTバイクを使用することになりますが、泥除けを選ぶ際は、MTB(マウンテンバイク)用ではなく、ロードバイク用の製品を選ぶようにしましょう。
この記事内でお伝えしているとおり、トライアスロン大会では基本的に「泥除け」の使用が禁止されているため、競技向けに作られたロードバイク用の泥除けは、あまり活用できないと考えて良いかもしれません。また、ロード・クロス用かMTB用かだけではなく、自分が使用している自転車のタイヤのサイズに合うかなども確認するようにしましょう。
せっかく購入するのですから、色や形など、デザインにもこだわって選ぶのも一つのポイントです。泥除けは見た目が「ダサい」というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、現在販売されている泥除けの中には、泥除けとしての機能はもちろん、デザイン性に優れているものや、カラーの種類が豊富なものもあります。自分が使用している自転車のデザインに合わせて選んでみるのも良いですね。
泥除けは大会で使用するわけではありませんし、車輪を覆うタイプのものでない限り、重量は比較的軽いものが多いですが、泥除けの重さが気になる方は、軽量性に特化した泥除けを選ぶようにするのがおすすめです。
サイズ | 301x 107mm |
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価格 | 2,462円 |
色種類 | ブラック |
ダウンチューブに取り付けるタイプの泥除けです。工具なしで簡単に付けられる、簡易なフロントフェンダーでありながら、マジックテープには滑り止めが施されているため、ズレにくくなっています。また、フレームの太さを気にしなくて済むのも、嬉しいポイントの一つです。
サイズ | 前輪用:(約)W6×L(D)28.8×H3.8cm 後輪用:(約)W7×L(D)52×H5.2cm |
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価格 | 2,023円 |
色種類 | ブラック |
伸縮スライド式の泥除けなので、お気に入りの自転車のシルエットを崩さないだけでなく、室内保管や狭い駐輪場などにも最適となっています。直径25.4~31.8mm のシートポストに対応。取り付けには工具が必要です。
サイズ | 10cm×38cm |
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価格 | 1,822円 |
色種類 | ブラック |
サドルレールに簡単に取り付けすることができるタイプの泥除けで、工具は不要です。パッケージがなく、リサイクル素材を使用したエコ設計となっています。カラーは、ブラック以外にも、イエロー、ホワイト、レッド、ブルーがあります。
重量 | 250g |
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価格 | 2,750円 |
色種類 | ブラック |
デザイン性に優れた、ロードバイクに最適なスリムタイプ。持ち運びにも便利な軽量設計となっています。フロント用とリア用のセットになっており、カラーは、ブラックの他にホワイトやカーボン柄もあるため、自分のバイクに合わせて選ぶことができます。
本体幅 | 45mm |
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価格 | 1,558円 |
色種類 | ブラック |
バンドで取り付けるタイプのため、工具は一切不要です。直径25~32mmのシートポストに対応しており、角度調整も可能となっています。長さがあり、丈夫で、泥除けとしての機能もしっかり果たしながら、着脱が楽にできます。
サイズ | 14インチ~28インチ(700C) |
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価格 | 1,420円 |
色種類 | ブラック |
軽量でありながら、壊れにくい、耐久性のあるPA 材料を採用。伸縮スライド式のため、雨がやんだ後や晴天時は折り畳んでおくことができ、工具なしで簡単に取り付け・取り外しが可能となっています。前輪用と後輪用のセット。
泥除けを取り付ける際は、タイヤを覆うように装着するようにしましょう。タイヤからズレてしまうと、水はねや泥はねを防ぐ効果が薄れてしまいます。また、各製品によって取り付け方など使用方法が異なるため、説明書の内容はしっかり確認するようにしてください。
泥除けは、水はねや泥はねを防ぐためのものですから、使用直後は当然汚れています。汚れはその都度拭き取り、きれいな状態を維持できるようにしておきましょう。
雨天時での走行直後は、すぐにバイクの水気を拭き取るようにしましょう。バイクが乾いてからよりも、濡れているうちに拭き取った方が、汚れを落としやすい部位もあります。拭き取りに使用するものは、自転車のパーツに絡まない素材で、吸収性の良い布がおすすめです。雨水や砂が溜まりやすいブレーキシューやブレーキシューとリムの間、ヘッド回りなどのサビやすい部分は特に念入りに拭き取るようにしましょう。
チェーンのサビ対策には、こまめにオイルを注すことも大切なので、水気をしっかり拭き取ってから注油するようにしましょう。
先ほど、トライアスロンのトレーニングでは、当日に雨が降っている場合や、大会の前日に雨が降った場合のことを想定した練習を行うことも必要と説明しました。ここでは、雨天時のバイク競技の注意点などについてご説明させていただきます。
自然の中で行われる競技のため、晴れた日と雨の日では状況もかなり変わってきますし、競技時間が長いものほど急な雨に見舞われる機会も多くなります。臨機応変に対応できるようにしておきましょう。
まず、雨の日のバイク競技の危険性として、
などが挙げられます。
雨が降っている中で自転車を漕ぐと、摩擦により動きを制動する「ブレーキシュー」と「ホイール(車輪)」の間に水(雨)が入ってしまい、摩擦抵抗が減るため、ブレーキが効きづらくなる原因となります。さらに、ブレーキシューにはアルミ用とカーボン用がありますが、万が一、大会中にアルミ用のブレーキシューにカーボンホイールを使用してしまうと、ホイールとブレーキシューの素材の組み合わせを間違えるだけでも危ないことですが、雨が降っている場合はブレーキが完全に効かなくなる恐れがあり、非常に危険です。
また、地面とタイヤの接地面の間に水が入り込むことで、タイヤがグリップ力(タイヤが地面を掴む力)を失うため、滑りやすくなります。特に、マンホールや白線の上は注意が必要です。路面の状態によっては、速度を落とす、走行ラインを変えるなどの対応が必要になります。
もう一つ、走行中に雨が降っていると不便なのが、視界不良です。晴天時にかけているサングラスは、本来、紫外線やチリなどの飛散物から目を保護する目的で使用されています。雨が降っている間は、空が雲に覆われることで、ただでさえ暗いのに、サングラスが水に濡れることでさらに視界が悪い状態になります。対処法としては、サングラスに前もって撥水効果のあるスプレーをかけておく、雨天時用のサングラスを用意する、サングラスをずらす、外してしまうなどが挙げられます。
雨の日のレース中のトラブルは、雨の強さによっても変わってくると思いますが、普段から晴天時のみのトレーニングを行っていると、大会当日の天候の変化による、さまざまなトラブルに対処できない可能性があります。もちろん、レースの時と同様、雨の日のトレーニングも危険が伴いますし、濡れますから、わざわざ練習することに抵抗がある方もいるかもしれませんが、雨天時のバイク種目は、他2種目の「スイム」と「ラン」より厄介ですので、小雨の日などを狙って練習してみても良いかもしれません。
雨の日の自転車の走行に危険が及ぶのは、レース中に限ったことではありません。基本的に、雨の日のバイクトレーニングも避けたほうが良いのですが、「雨が降っている中で走るのは大会当日が初めて」というふうにならないためにも、ある程度慣れておく必要があります。
雨の日でも安全に走行するために、以下の点に注意するようにしてください。
大ケガや命の危険が伴う走行やルートは必ず避けるようにしましょう。
通常の持ち物に加え、雨天時用のサングラス、雨で濡れないようにシューズや手袋などを入れておくためのビニール袋、防水スプレー、カッパ(スタート直前まで着用)などを準備しておくと良いでしょう。ただし、トライスロンは、開催される大会によってルールが多少異なるため、持ち込みが禁止されているものなど、出場する大会の要項はしっかりチェックしておくようにしましょう。
今回は泥除けをご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
大事なポイントは
ということです。
練習中に、水はねや泥はねで、背中やお尻、足元がびしょびしょになってしまうと、あまり気分も良くないですよね。
泥除けは、トライアスロンの大会では使用することはできませんが、トレーニング中の突然の雨や、雨上がりの日には、とても役に立つアイテムです。着脱も簡単で手軽に使用できるものも多いため、濡れてしまうのを気にせずに練習に集中したいという方は、ぜひ使用してみてください。