トライアスロンでは、スイム、バイク、ランの3種目で行われ、それぞれの種目ごとに必要な装備があります。その1つがバイク時に着用するヘルメットです。そこで今回は、トライアスロン用のヘルメットについて紹介していきたいと思います。
トライアスロン用のヘルメットと一般的な自転車用のヘルメットの大きな違いは、空気抵抗の少なさです。トライアスロンでは、時間との戦いになるため、ヘルメットは空気抵抗を極限にまで少なくし、なるべく楽には知られるように設計されています。そのため、後頭部にある通気口は最小限の大きさにとどめられていることがほとんどです。またエアロフォルムもライディングフォームに合わせて流線形状になっていて、前方からの風を上手く受け流せるような作りになっています。
トライアスロン用のヘルメットには、大きく分けてエアロヘルメットとロードヘルメットの2つがあります。
エアロヘルメットは、バイクの距離が短い、どちらかというとスピード力が勝負となるレースに向いているアイテムです。流線形ヘルメットや丸形ヘルメットといった走行中に感じる空気抵抗を抑えるようにデザインされており、短距離のバイクにぴったり。また、転倒した時にしっかりと頭を守ることができるよう、高い強度で作られています。しかし、通気をする穴がないものが多く、特に夏場の長距離のレースだとヘルメットの中が蒸れてしまい、熱を感じやすくなってしまうのがデメリットです。
一方、ロードヘルメットは、アイアンマンレースなどの長距離で使用するのにおすすめ。汗が目に入ってしまうのを防ぐ汗止めパッドや通気を促す通気孔が設けられているなど長距離のバイクを快適に走行できる仕組みになっています。また、軽量化されており、長時間、かぶり続けていても負担になりません。
オートバイ用ヘルメットの製造・販売を行っていることで知られるBELLでは、トライアスロン用のヘルメットも作っています。独自に開発したエアロテクノロジーを搭載したジャベリンは、蒸れを防ぐことができる通気性の良さが特徴。ただし、ハイブランドであるため、価格設定が若干、高く、重量が重めなのが気になるところです。
アメリカの自転車用ヘルメットメーカー、ジロも人気。中でも人気商品の「エアロヘッド」は、空気抵抗の少ない形状に特化しているため、短距離などのスピード重視のレースで着用するのにおすすめです。こちらもハイブランドなので値段が比較的、高めに設定されています。
国内で圧倒的な人気と知名度を誇っているのが大手ヘルメットメーカーとして知られるオージーケーカブト。価格帯も4,000円前後から30,000円以上のものまで、幅広く取り扱っています。中でも2018年モデルの「AERO-R1 TR」は、かじかんだ手先でもスムーズにヘルメットの着脱ができるマグネットによるスナップ方式が採用されており、初心者でも気軽に着用することができます。
トライアスロン用のヘルメットを選ぶポイントは、大きく分けて3つあります。
1つ目は安全性能です。そもそもヘルメットを着用する目的は万が一の場合に備えて頭部を守ることなので、この条件を満たしていなければ着用する意味がありません。安全なヘルメットかどうかを確認する基準の1つになるのが安全基準規格です。ヘルメットの安全基準規格には、CEマーク(EN規格)とUIAA規格(山のデザインにUIAAの字)の2種類があり、購入する場合には、どちらかのマークが入っているかどうかをチェックしましょう。
2つ目は、サイズ。自分の頭に比べて小さいものだとレース中に頭が締め付けられて痛みを感じることになりますし、逆に大きすぎてしまうと脱げてしまわないかどうかが気になってしまいレースに集中することができません。ですので、きちんと自分の頭にあったサイズのものを選ぶようにしましょう。また、洋服などと同じように製造された国やメーカーによって同じサイズであっても多少の誤差があるケースがあるので、毎回、試しに着用することをおすすめします。
3つ目は、通気性の良さです。長時間にわたってバイクに乗らなくてはならないトライアスロンでは、いかに快適にバイクに乗れるかどうかはヘルメットにかかっているといっても過言ではありません。そのためには通気性の良さは必要不可欠です。運転中に頭が蒸れてしまわないかどうかもヘルメット選びの重要なポイントとなります。
ヘルメットをはじめとする車両周辺部品の製造販売を行うオージーケーカブトのサイクリングヘルメットの中でも最軽量を誇るフレアーは、素材から部品構成まで細部にこだわった人気アイテム。グラム単位まで軽量化を実現しており、トライアスリートからも評判です。
こちらのメーカーのヘルメットは、トライアスロン業界ではそれほど馴染みは深くないかも知れませんが、ツールドフランスに出場するチームが着用するなど、その性能の高さは折り紙つきです。その中でも人気なのが、イカロスV2。安全性が高いのがポイントで、重量はそれほど軽くはありませんが、長距離のバイクでも全く気にならない重さです。頭と接するパッドの部分が細かな作りになっていて通気性が良いのも見逃せないポイント。
数あるMETのトライアスロン用ヘルメットの中でも長年に渡って高い人気を誇っているのが、「MET フォルテ」です。この商品は、落車した時にヘルメットへ伝わる衝撃を徹底的に分析し、衝撃を広範囲に分散される新技術を搭載した安全性の高さが特徴。そのため、対衝撃性に優れています。また、軽量化にもこだわっており、重さによるストレスを感じずにバイクに乗ることができます。さらに通気性も良く頭部の空気を効率よく換気することができるので便利です。