トライアスリートの必需品であるトライアスロン向けサングラス。サングラスをかけて走行する姿は、まさにスポーツマンとしてのイメージにぴったりです。しかし、サングラスは見た目のかっこよさだけではありません。サングラスを着用することにより、眩しさを軽減する効果はもちろん、紫外線や塵といったさまざまな弊害から選手の大事な目を保護するという重要な役割があります。そこで今回は、サングラスの種類や、選ぶポイント、おすすめのトライアスロン向けサングラスをランキング形式でご紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
トライアスロン向けサングラスとは、太陽光による眩しさから視界を確保し、競技中に目を保護するための装備のことを指します。アイウェアやスポーツ用サングラスともいわれており、通常のサングラスよりもレンズのサイズが大きめで、顔の輪郭に沿ってカーブした形状となっているため、飛散物による目のケガなども防ぐことができます。
自然の中を駆け抜けるトライアスロンは、距離の短いショート・ディスタンスでも競技時間が数時間に及ぶため、長時間、紫外線や風を浴びることになります。特にバイクパートでは、時速30~50㎞ものスピードで走行することから、その分受ける風も強く、眼が乾燥しやすくなり、異物が目に入るリスクも高くなります。トライアスロン向けサングラスは、眩しさを軽減するだけでなく、紫外線やホコリ、虫、雨、タイヤで跳ね返ってくる小石、乾燥などから目を保護し、紫外線ダメージによる競技中のパフォーマンス低下や免疫力低下を防ぐことにも繋がるため、トライアスリートにとってサングラスは必需品の一つと言えます。
紫外線を長時間浴び続けると、眼の細胞がダメージを受けてしまうことから、その防御反応として、シミやソバカスの原因となるメラニン色素の生成が促されます。そのため、肌に紫外線が当たっていない場合でも、身体が日焼けしやすい状態になります。さらに、長時間の紫外線や眼の乾燥は、「ドライアイ」や「充血」、「眼精疲労」といったさまざまな症状を引き起こすため、「白内障」や「角膜炎」、「黄斑変性症」、「翼状片」などの、重大な眼疾患が発症するリスクを高めることにも繋がります。また、バイク種目時に高速で走っている中、異物が目に入るといったトラブルが発生し、視界が効かなくなってしまうと、思わぬ事故を招いてしまう可能性もあり、それにより、周りに危害を加えてしまう危険性なども考えられます。走行中の安全を確保するという意味でも、競技中はサングラスを着用するのが望ましいと言えます。もちろん、サングラスは、競技中だけでなく、練習中にもかけるようにしましょう。
レンズは、製品を選ぶ際の重要なポイントの一つになります。レンズは、主に、「ミラーレンズ」、「調光レンズ」、「偏光レンズ」の3つの種類がありますが、それぞれのレンズにはどのような機能があるのかを知っておくことで、用途に合った使い分けができるようになります。
ミラーレンズは、その名の通り、レンズが鏡のようになっており、鏡の効果で光を反射させることによって、眼を保護するという仕組みになっています。特に日差しが強い日の着用に向いています。また、レンズの色が濃いものほど、鏡の効果はより強くなります。ミラーレンズのサングラスを着用した人の目や目線は、周囲の人からは確認することができず、見た目もクールな印象を与えます。ただ、すき間があると、レンズの裏面から入った光が反射しやすくなるため、サングラスは正しく着用するように心がけましょう。
調光レンズは、ミラーレンズのように光を反射するのではなく、光を吸収することで目を保護するという仕組みのため、紫外線、または可視光線に反応して、レンズの色(濃さ)が自然に変化します。紫外線の量が多いとレンズの色は濃くなり、少ないとレンズの色は薄くなります。一本あれば昼夜問わず着用することができるため、競技時間が10時間以上にも及ぶロング・ディスタンスでの使用にもおすすめです。ただし、調光レンズは、色が変わるまでに少し時間がかかります。
また、調光レンズは、温度が高い時より、温度が低い時の方がレンズの色が濃くなるという特徴があります。これは、すべての調光レンズに、『温度依存性』という性質があるためです。温度が高い日は、レンズ表面の温度も上がるため、色が濃くなりきれず、温度が低い日は、レンズの色が変わりやすく、濃い状態を維持しやすくなります。
偏光レンズには、レンズの中に、「偏光膜」というブラインドのような機能を持ったフィルムが入っており、そのフィルムが、アスファルトの照り返しや木々の葉っぱの反射光など、視界のさまざまな方向からくる光をカットします。そのため、眩しさを軽減することができるという仕組みです。また、視界が良くなり、パフォーマンスの向上にも繋がります。
偏光レンズは、トライアスロンだけでなく、水面や雪面、グリーンの反射が気になる、釣りやゴルフ、ウィンタースポーツでも多く利用されています。ただし、偏光レンズのサングラスを着用したまま、スマートフォンやカーナビなどの液晶画面を見ると、画面が暗く見えたり、虹色に見えたりすることがあるため、バイクトレーニング中にスマートフォンを利用する方は、見え方に注意が必要です。トライアスロン向けサングラスには、複数の機能を兼ね備えているレンズもあるため、自分が使いやすいと思うものを選べるようにしておくと良いでしょう。
トライアスロン向けサングラスに使用されているレンズには、さまざまなカラーがありますが、これはただのおしゃれではありません。レンズの色は、その日の天候や日差しの強さ、走行する時間などによって、向き・不向きがあります。使用する状況に合わせてカラーを選ぶようにしましょう。
「透明」と言っても良いでしょう。色がない分、可視光線透過率が高い傾向にありますが、見え方が裸眼とほとんど変わらないため、曇りの日や夜間の走行に適しています。
エネルギーが強く、ダメージを与えやすい短波長を大きくカットします。眩しさを抑える効果はありませんが、コントラストが上がることにより、景色を明るく見せるため、曇りや雨の日、夕暮れ時や夜間での使用がおすすめです。
コントラストをはっきりさせ、物を鮮明に見せるため、視界が明瞭になります。
眩しさを抑える効果はないため、夕方の走行に適しています。オレンジと同様、コントラストを上げる効果も。眼の負担が少ないため、長時間の使用に向いています。
黄色の光を抑える、優れた「防眩効果」を持っているため、日差しをカットして眩しさをやわらげるだけでなく、車や自転車のヘッドライトなどの瞬間的な強い光にも効果を発揮してくれます。
高い防眩効果があり、太陽光などの眩しい光を抑えます。裸眼に近い、自然な色調の視界で、眼への負担が少ないため、長時間の使用におすすめです。
炎天下で日差しが強い日は、黒に近い、色の濃いレンズを選ぶようにするのが良いでしょう。可視光線透過率は約10%が目安です(可視光線とはヒトの目に見える光のことで、可視光線透過率が0%の場合は、光を完全に遮断しているということ、100%の場合は、光を遮断できていないということになります)。ただし、レンズの色が濃いものほど夜間の走行は不向きとなるため、特に競技中、コースの途中に長いトンネルがある場合は危険を伴います。コースにトンネルがある場合は、濃い色のレンズを使用したサングラスの着用を控え、中濃色のものを選ぶようにすると良いでしょう。中濃色のレンズの場合は、可視光線透過率は約20~30%程度になります。
トライアスロン向けサングラスは、基本的に軽いですが、製品によって重量が異なります。数字だけ見ると大した差ではありませんが、競技時間が長時間に及ぶトライアスロンでは、数グラム~数十グラムの違いは、大きな差になることもあります。競技中、サングラスをずっとつけっぱなしにしていると、ツルやノーズピースが当たる、耳の後ろや鼻の部分に痛みを感じるようになってくるため、集中力の低下や、疲労の蓄積に繋がってきます。トライアスロン向けサングラスを選ぶ際は、なるべく重さにもこだわって、製品を選ぶようにすると良いでしょう。目安としては、30g代のものであればかなり軽量と言えます。
また、3種目を立て続けに行うトライアスロン競技では、次の種目に移る準備の時間もタイムに含まれてしまうことから、動きも激しく、特に初心者で慣れていない方は、焦ってしまうことも多々あります。バイク競技中やトランジションの最中に、万が一サングラスを落としたりぶつけたりして破損させてしまった場合は、裸眼で走ることになりますから、競技にマイナスな影響を与えることになってしまいます。そのため、サングラスには耐久性も必要です。
最近では、「軽さ」と「耐久性」の両方を兼ね備えた素材を使用しているものも増えてきています。製品の紹介文などに、「超軽量」、「耐衝撃性」とかかれたものを目安にして選んでみるのも良いかもしれません。
レンズのカラーにもよりますが、UVカット機能もサングラスを選ぶうえで大事なポイントの一つになります。とはいっても、現在販売されている、トライアスロン向けサングラスのほとんどはUVカット機能が付いており、どのくらいの紫外線を防ぐことができるのかは、数値をチェックすることで判断することができます。
UVカット機能がある製品には、「UVカット率○%」といった表記がされており、数値が高くなるほど紫外線をカットする効果は高くなります。トライアスロンで使用するサングラスの場合は、「UVカット率99%以上」のものを選ぶようにするのが良いでしょう。
また、「UV400」も、サングラスによくある表記になりますが、これも、紫外線をどのくらい防御できるかを表したものになります。地表に降り注いでいる紫外線は、波長の長さによって、いくつかの種類に分けることができます。
地表に降り注いでいる紫外線の約9割を占めています。波長が長いため、雲や窓ガラスも透過し、季節や天気に関係なく一年中降り注ぎます。エネルギーは弱いですが、徐々に蓄積されてダメージを与えていくため、シワなど老化の原因にもなります。
中波長紫外線のため、オゾン層によって大部分が吸収され、地表に到達するのは紫外線総量の約10%程度とされています。また、雲やガラスを透過することができないため、曇りや雨の日は地表に届く量が減ります。しかし、エネルギーが強く、短時間で人体に悪影響を及ぼします。皮膚がん発症のリスクが高まる原因ともされています。
本来なら、紫外線C波はオゾン層に吸収されるため、地表に届くことはないですが、環境問題によるオゾン層の破壊により、地表に届いてしまう危険性が危惧されています。
「UV400」というのは、波長400nmまでの紫外線を防御することができるという意味になります。一般的に、「UV400」と表示のあるサングラスは、「紫外線カット率99%」と考えて良いでしょう。製品によっては、UVカットの効果を謳っているものでも、詳しく表記されていないものもあるため、なるべく数値で明記されているサングラスを選ぶようにしましょう。
画像引用元HP:楽天市場公式サイト
(https://item.rakuten.co.jp/b-house301/es-s108/)
普段はメガネをかけているという方におすすめの、度付きサングラスです。希望の度数を入力すれば、自分の視力に合ったレンズを注文することができます。5種類の交換用サングラスレンズがセットになっており、それぞれ、偏光スモークレンズ:可視光線透過率18%、偏光ブラウンレンズ:可視光線透過率:24%、リーボミラーレンズ:可視光線透過率15%、グリーンレンズ:可視光線透過率17%、クリアーレンズ:可視光線透過率93%となっています。全レンズUVカット率99%。
画像引用元HP:ヤフーショッピング公式サイト
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/thats-net/oo9206-36.html?sc_i=shp_pc_search_itemlist_shsrg_title&ea=13)
紫外線カット率99%はもちろん、有害なブルーライトもカットするプルトナイトレンズを採用。アジアフィット仕様により日本人に合いやすい形状で、視野も最大限まで広くなっています。スウィッチロックテクノロジーで、天候や光などその日の条件に合わせて簡単にレンズを交換できます。可視光線透過率は30%。
画像引用元HP:楽天市場公式サイト
(https://item.rakuten.co.jp/aris/ogk121ph/)
外面に撥水加工が施されたレンズには、ミラーコーティングされた調光レンズを採用しており、利便性とデザイン性を両立しています。また、コーティングによって、調光性能が落ちてしまう高温環境下でも、一定の遮光性を保つことができます。可視光線透過率は84%~21%。
画像引用元HP:楽天市場公式サイト
(https://item.rakuten.co.jp/aut/oo9442-0138/)
大型のレンズを搭載し、自転車用に特化した広い視野を実現。全天候に使用できます。ノーズパッドを上げることで、レンズの曇りや過熱を瞬時に予防することが可能。「アジアンフィット仕様」により、フレームやノーズパッドの位置が日本人に合う形状となっています。光透過率は20%。
画像引用元HP:楽天市場公式サイト
(https://item.rakuten.co.jp/loupe-studio/sw-ss-003/)
テンプルエンドは柔軟性があるため、頭の形に合わせて調節することが可能です。締めつすぎないフィッティングで、ズレにくいフレーム設計となっています。レンズは、水面やアスファルトなどの反射光をカットする偏光レンズで、映り込みをカットする反射防止コートが両面に施されています。可視光線透過率は約29%(偏光度:97%以上)。UVカット99.9%以上。
画像引用元HP:楽天市場公式サイト
(https://item.rakuten.co.jp/ferry/sys-sf22/)
レンズの素材には、耐衝撃性、耐熱性、耐寒性に優れ、航空機の窓等にも利用されている、安全性の高い「ポリカ―ボネート」を使用。炎天下での長時間の使用も安心です。偏光スモークレンズ、クリアレンズ、イエローレンズ、ブルーレンズ、レインボーミラーレンズの5枚の専用交換レンズが付属しており、天候やシーンに合わせて使い分けることができます。全てのレンズにUVカット加工が施され、紫外線を99.9%カットします。
まず、サングラスには、経年劣化による寿命があります。傷の蓄積やフレームの変形などもそうですが、特に、「調光レンズ」や「偏光レンズ」は、使用していくうちに化学反応が鈍くなってくるため、「調光」や「偏光」としての機能を段々発揮できなくなります。各レンズの性能の劣化は自然と起こるものであり、調光レンズの寿命は約3年、偏光レンズの寿命は約1年半~2年といわれていますが、扱い方によっては劣化を早めてしまう場合もあります。「調光レンズ」も「偏光レンズ」も熱に弱いため、車のダッシュボードの上など、直射日光が当たる場所、高温な場所、多湿な場所での保管は避け、風通しの良い場所で保管するようにしましょう。
また、トライアスロン向けサングラスは、使用していくうちに、小さな傷や汚れがどんどん蓄積されていきます。レンズやフレームの傷も劣化を早める原因となりますが、サングラスは本来、異物が目に入ってくるのを防ぐなど、目の保護のために競技で使用するものなので、レンズに傷をつけないようにするというのはなかなか難しいことだと思います。ただ、汗や皮脂、砂埃など、サングラスに付着した汚れは、必ずその日のうちに洗い流すようにしましょう。こまめなお手入れは、サングラスを長持ちさせることにも繋がります。
洗う際は、台所用中性洗剤、またはレンズ専用クリーナーを使用するのがおすすめです。ただし、レンズのコーティングが剥がれたり、フレームの変形を防ぐためにも、お湯ですすいだり、中性洗剤とかかれた以外の洗剤を使用して洗ったりするのは、絶対に避けるようにしましょう。洗い終わったら、柔らかい布で、こすらず、やさしく抑えるように水分を拭き取っていきます。
保管する際は、専用のケースに入れ、そのままフタを開けておくと、通気性が良いためおすすめです。もちろん、持ち運びする際は、ケースの蓋はしっかり閉めてから携帯するようにしてください。
選ぶポイントでも触れましたが、サングラスを着用したままトンネルの中に入ると、視界が一気に暗くなるため、非常に危険な状態に陥ります。黒などの暗いカラーのサングラスは、強い日差し対策には効果的ですが、トンネルの走行が難しくなるため、少し色が薄いカラーを選んでおくか、コース上にトンネルがないか、大会前に確認しておくのが良いでしょう。また、あらかじめ、バイクで走りながらサングラスを外す練習もしておいた方が良いです。
今回はトライアスロン向けサングラスをご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
大事なポイントは
ということです。
さまざまな種類があるトライアスロン向けサングラスですが、ぜひ、今回の選ぶポイントなどを参考にして、自分に合ったサングラスを選べるようにしておきましょう。