トライアスロンのスイムパートで必要となるウェットスーツですが、一般的にウェットスーツと聞くとダイビングやサーフィンで使用するものを想像してしまいますが、トライアスロン用のものとは全く違います。では、トライアスロン用のウェットスーツとはどのようなものなのか、確認していきましょう。
通常、ダイビング用が5mm、サーフィン用が3mmほどの厚さなのに対し、トライアスロン用のウェットスーツは、部分によって3~5mmと厚さが分かれています。具体的には、体躯部分が5mmでひじ下やひざ下部分が3mmとなっており、その理由は、スイムの際の運動をしやすいためです。
ダイビングは、激しい運動を必要としないため、深い海の中でも温度が保てるよう保温性に優れた作りになっている一方、サーフィンは腕や足を頻繁に動かすため、動きやすさを重視した作りになっています。トライアスロンでは、上半身は動きが大きいのですが下半身はバタ足だけなので、それぞれ厚さが異なる作りになっているのがポイントです。
ウェットスーツの種類分けとして、生地と形状の2つがあります。
まず生地ですが、ゴム、ジャージ、起毛、ラジアルの4種類がメイン。ウェットスーツの生地にあるクロロプレンゴム表面に加工を行っていないゴム生地は、最もポピュラーで同じゴム素材であっても硬さがそれぞれあり、自分にあった硬さのものを選ぶことができます。ジャージは、ゴム生地のウェットスーツの表面にニット素材を貼り付けたもの。ゴムに比べて、強度が高く、水分を吸収しやすく、浸水が多い一方、保温性はゴムよりも低いのが特徴です。3番目の起毛は、ゴム生地のウェットスーツに厚手のニット生地を貼り付けているため、水の保持性に優れているため保温性が高くなります。最後のラジアルは、ラジカルコーティングが施されているため、強度や水分の保持性が高かったり、汚れにくいなど機能性が高い反面、伸縮性が若干、低く値段が高くなりやすいという特徴があります。
次に形状ですが、こちらも4つの種類に大きく分けることができます。1つ目は、手首から足首まで全身が生地で覆われているフルスーツタイプ。全身が浮きやすくなるため、体全体が水面に対して水平になり、抵抗力が低くなりやすく、スピーディーな泳ぎをすることができます。そのため、泳ぎが苦手な人や初心者の方におすすめです。また、覆われる表面積が広くなるため、体温が奪われにくくなり、水温が低い時期のレースには最適なものだと言えます。
2つ目は、上半身はノースリーブ状で下半身は足首部分まであるロングジョンタイプです。腕の部分にウェットスーツがないため、フルスーツのものより腕が動かしやすいのが特徴。また脱ぎやすいのでトランジションにかかるタイムを縮めることもできます。そのため、このロングジョンタイプのものが最もポピュラーだとされています。
3つ目は、上半身と下半身に分かれ目がないワンピースタイプです。ウエスト部分の境目がないため、水の抵抗力が少なくスムーズに泳ぐことが可能。ワンピース型にすることで浮力を高めることができるのもポイントです。
4つ目は、上半身と下半身が別々になったセパレートタイプ。一見、ウエスト部分から水が入り込んで抵抗がありそうですが、水が入りにくい構造になっているため心配はありません。また、腕をかく時に前に出しやすく、ワンピースタイプよりも断然、脱ぎやすいのが特徴です。
初心者でも気軽に着用することができるオールラウンドのウェットスーツを作っていることで有名。中でも、フルスーツタイプでも柔軟性があるアイテムを販売しています。
アイアンマンの聖地、ハワイ島コナ生まれたブランドで生まれたことで有名。トライアスロンの専門店として、25年以上に渡る経験を元に、使い易くて、デザインにも優れたトライアスロンウェアづくりを行っています。
トライアスロンを始めたばかりの初心者の人がウェットスーツを選ぶポイントとして3つ紹介していきます。
1つ目は、浮力です。中には、水泳が得意だという人もいるかもしれませんが、トライアスロンで泳ぐ海は波や潮の流れがあるため、想像以上に体力を消耗してしまいます。また、海水浴場とは違い、足が届かない大海原へと出ると不安や恐怖心に襲われることも珍しくありません。そのため、慣れるまでは浮力のしっかりとしたウェットスーツを選び、体力の消耗を抑えながら泳ぐようにしましょう。
2つ目は、既製品かオーダーメイドのどちらを選ぶかです。もちろん、オーダーメイドのウェットスーツの方が、自分の体形に合わせて作っているためフィット感が高く、水の抵抗がなくなるといったメリットがあります。しかし、初心者の場合だと、練習を重ねる中で体型が変化することが考えられます。また、ウェットスーツにも種類があり、どのようなタイプが自分に合っているか分からないままだと、すぐに買い替えなければならなくなります。そのため、まずは既製品を購入し、ある程度、経験を積んでからオーダーメイドのものを作るのがおすすめです。
3つ目は、人気メーカーのウェットスーツを選ぶこと。特に上記で紹介したメーカーは、初心者にもおすすめのウェットスーツを取り扱っているので参考にしてみるのも良いでしょう。
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ツータイムズユーは、2005年にオーストラリアでスタートしたスポーツウェアの設計・開発・販売などを行っている企業。中でも「A:1S アクティブ・スリーブレスウェットスーツ」は、日本製のヤマモトネオプレンを100%し、浮力と柔軟性を重視したアスリートのためのデザインが施されていると評判です。