トライアスロン用のウエットスーツは、初心者の方であれば特に、着るのに時間がかかっていまったり、泳いでいる最中にウェットスーツが肌に擦れて痛みを感じてしまう可能性もあります。そこで、トライアスロン用のウェットスーツを使用する際のポイントについてご紹介していきます。
まず最初に着方についてです。基本的にトライアスロンで使用するウェットスーツは、直接肌に着るというよりも、中にトライスーツなどトライアスロン用のウェアを着用した状態で着ることがほとんどです。トライアスロンのバイクやランで使用するトライアスロンウェアは、速乾性のある生地で作られているため、ウェットスーツの中に着用して濡れてしまっても、問題ありません。さらに、中にウェアを着ておくと、スイムが終わった後にはウェットスーツを脱ぐだけですぐにバイクに入ることができます。着替える時間も短縮することができるので、あらかじめトライアスロンウェアを中に着用しておきましょう。
ウェットスーツを着る前に、ワセリンを塗りましょう。ウェットスーツは肌に擦れてしまうことが多く、よく首などが擦れてしまう方もいるようです。擦れてしまった肌で海に入ってしまうと海水がしみて痛みを感じることもあり、スイムに集中できなくなってしまうこともあります。そういったことを防ぐためにも、ワセリンを塗ることが大切になります。ワセリンを塗ってからウェットスーツを着用することで、肌をワセリンが保護してくれるため、擦れにくくなります。
ワセリンを塗る際に注意したいのは、ワセリンを塗った手でゴーグルを触らないということです。ワセリンは水ではなかなか落ちにくい油です。万が一ゴーグルのレンズ部分に触れてしまうと、ワセリンが付着して曇ってしまう可能性があります。市販の使い捨て出来るビニール手袋などを使用することで、誤って触れてしまうことを避けましょう。
次に実際に着用していくのですが、ウェットスーツは慣れていないとなかなか着用に手間取ってしまうこともあります。最も簡単で多くの人が行っている着用方法は、水上で着用するという方法です。下半身のみ着用したら、そのままの状態でまずは水の中に入ってしまいます。肩までしっかりと浸かったらそこから袖に腕を通していきましょう。この時勢いよく行うことでスムーズに腕を通すことができます。万が一途中で引っかかってしまった場合でも、何度か繰り返すことでしっかりと通すことができますし、慣れてしまえば一度で成功するようになります。
最後に、腕の付け根部分や足の付け根部分などに余ってたるんでいる生地をもってきたり、袖の継ぎ目はねじれていないかをしっかり確認しておきましょう。ねじれている場合は、無理に直そうとせずにもう一度着直したり、やさしく直すようにしましょう。ウェットスーツは実は穴があきやすく、特に爪などが引っかかってしまうと穴があくことはもちろん、あかなくても表面を削ってしまうこともあります。
急いで着ようとするとどうしても雑に使ってしまいますし、大会の前に大切なウェットスーツに穴があいたらショックですよね。そういったことを避けるために、対策として軍手を使っている人もいるようです。そうすることで爪は引っかかりにくくなるのでおすすめです。
スイムが終わったらすぐにウェットスーツを脱ぎましょう。ここで、手間取ってしまうとタイムロスになってしまうので、できるだけスムーズに脱げるよう、トレーニング後などに練習しておくと良いでしょう。
バイクのところに移動するまでにまずは上だけを脱いでおきます。すると、動きやすくなりますし、完全に脱いでいるわけではないので荷物にもなりません。バイクにたどり着いたら、裾を踏んだまま脱いでいきます。こうすることで裏返しにするっと脱ぐことができるはずです。また、この時、足の裏には砂がたくさんついてしまっている可能性もあります。その後、バイクやランではシューズを履くため、できるだけ落としておくことでその後の競技もスムーズに行うことができます。
また、特に脱ぐ際には時間のこともあり急いで脱いでしまう方も多いですが、その時でも必ずウェットスーツは傷つけないように気を付けましょう。急いでいるからこそ、ついつい爪を立ててしまったり、慌てて乱暴に扱ってしまうこともあります。
レースがすべて終了したら、少しでも早くゆっくりしたいと思う方も多いかと思います。ですが、ウェットスーツは使って濡れたまま放置してしまうと、どんどん菌が繁殖してしまったり、劣化してしまう可能性もあります。ウェットスーツはあまり安いものではないので、できるだけ長く使いたいですよね。そのため、必ず使用後のお手入れを忘れないようにしてください。
まずは使用後、レース会場などでできるだけ早く真水やぬるま湯を使用して水洗いを行いましょう。ウェットスーツは塩素が苦手なため、できるだけ早くウェットスーツに付着している海水を洗い流すためです。こうすることである程度塩抜きをすることができます。本格的に行いたいと考えている方は、その後バケツなど大きめの容器に水を入れて、漬け置きや、揉み洗いをしておきましょう。
車で移動する方であれば車の中で漬け置きしながら帰るのも良いですし、自宅や宿泊先でゆっくりする方は揉み洗いを何度か行いましょう。特にジッパーの部分は砂が溜まりやすい部分になるので注意しましょう。とはいえ、水洗いだけではどうしても洗浄効果は低いものになりますし、劣化しやすくなってしまう可能性もあります。
ネオプレン加工のされている生地は洋服と同様に洗剤を使用することで改善されるため、洋服用の洗剤や柔軟剤を使用して洗いましょう。最近では少し価格が高くはありますが、ウェットスーツ用の洗剤や柔軟剤も発売されているため、そちらを使用するとより効果的で、除菌や消臭、劣化、硬化防止の効果もありおすすめです。
最後にウェットスーツ用のシリコンスプレーを使用してトリートメントをしましょう。ネオプレーン素材のウェットスーツに使用することで、劣化を遅らせることができ、さらにウェットスーツの硬化や傷を防ぐ効果もあります。
洗い終わったらしっかりと乾かしましょう。両面をしっかりと乾かす必要があるので、まずは乾きにくい内側から乾かせるようにウェットスーツを裏返しにします。その後、できるだけ肩の部分の幅が広いハンガーにかけて陰干ししましょう。
この時細いハンガーを使用してしまうと、ウェットスーツの肩の部分に負担がかかってしまう原因になります。さらに、直射日光に当たってしまうと劣化はもちろん、効果の原因にもなるのです。専用のハンガーも最近では発売されていますし、どうしてもハンガーがない場合は物干し竿に半分に折るようにして干すというのもおすすめです。
ただ干して乾かすだけだと時間がかかってしまうため、あらかじめウェットスーツの両面を軽く拭いて水気を取っておくことで、乾きが早くなるためおすすめです。内側が乾いたらウェットスーツを元の状態に戻して、さらに外側もしっかりと乾燥させます。この時生乾きの状態で終わらせてしまうと、嫌なニオイやカビの原因にもなることがあるので気を付けましょう。
最後に保管方法についてです。ウェットスーツの保管方法で最もやってはいけないのが折りたたむということです。長い時間ウェットスーツを折りたたんだままにしておくと、当然シワや折り目が付いてしまいます。すると、シワや折り目が付いてしまった部分にはストレスがかかってしまっているため、ウェットスーツの機能低下につながってしまうこともありますし、劣化の原因とも言われています。
そのためおすすめなのは、ハンガーにかけて収納するということです。これも陰干しした時と同様に、肩部分に負担のかからないハンガーを使用して収納するようにしましょう。
大会後にウェットスーツを持って帰る時、どうしてもかばんにいれなくてはいけないから、折らなくてはいけない方も多いのではないでしょうか?そんなときにはできるだけ折り目がつかないようにタオルを折り目の間に挟んだり、丸めるなどして対策をしましょう。
最初にご紹介した通り、ウェットスーツは爪で引っ掻いただけでも破れやすくなっています。そのため、気付かないうちに破れていることもあるかと思います。ですが、破れを補修せずに放置してしまうと、どんどん破れは広がっていき補修が難しくなることもあるので、気付いた段階ですぐに補修するようにしましょう。
破れなどの補修に使用するのは主に接着剤なのですが、ウェットスーツの補修用の接着剤は、通常の接着剤とは異なり接着剤が乾いてから接着することでよりしっかりと接着することができるものになります。
また、ウェットスーツを修理してくれるところもあるので、自分で修理するのは不安という方や、プロにしっかりと修理をしてほしいという方は、そういったところを利用するのも良いでしょう。
ここまででウェットスーツの使用方法やお手入れについてご紹介してきました。意外と金額も高く、手入れも面倒に感じることが多いかもしれません。そこでおすすめなのが、ウェットスーツのレンタルです。初心者の方の場合は特に、今後続けるかどうか悩んでいる方もいるかもしれません。
一度レンタルでウェットスーツを使用してみて、競技をまだ続けていきたい、これからも大会に参加したいと考えるのであれば、ウェットスーツを購入するというのも手です。もちろん、レンタルをしているショップはありますが、大会前にはレンタルをする人も増えるため、できるだけ早めにレンタルを行い、事前に練習も行えると良いでしょう。
今回はトライアスロン用のウエットスーツをご紹介させていただきましたが、いかがでしたか?
大事なポイントは
ということです。
ぜひトライアスロン用のウエットスーツを使ってみなさんもスイムに挑戦してみましょう。