筋力トレーニングのひとつである「腕立て伏せ」は、正しいフォームで行うことで胸や腕、肩の筋肉を鍛えることができます。しかし、筋力が不足していたり、体幹が弱いといったことが原因で腕立て伏せができないという方もいます。そこで今回は、腕立て伏せができない原因と、腕立て伏せができない方におすすめのトレーニングをご紹介します。
筋トレの代表ともいえる腕立て伏せですが、1回もできたことがないという方や正しいフォームでできていないように感じている方は多いのではないでしょうか。まずはじめに、腕立て伏せができない主な原因をチェックしましょう。
腕立て伏せの動きには、「大胸筋」と「上腕三頭筋」などの筋力が必要ですが、筋力が不足していると思うように腕立て伏せをすることができません。具体的な理由は以下の通りです。 原因1.大胸筋の筋力不足 腕立て伏せの動きには大胸筋の筋力が欠かせません。特に、体勢を低くしたところから体を上げていく時に大胸筋の力が必要になります。深く腕立て伏せができないという方は、大胸筋の筋力を強化すると良いでしょう。 原因2.上腕三頭筋の筋力不足 腕の後ろ側にある上腕三頭筋の筋力が不足すると、上半身を支えたり、肘を伸ばす動きに支障が出てしまいます。腕立て伏せをする時に胸よりも腕が疲れてしまう方は上腕三頭筋を鍛えるようにすると改善する効果が期待できます。
腕立て伏せをする際に体を支えられるのは「つま先」と「腕」だけです。そのため、体幹が弱いとバランスを上手にとることが難しくなります。腕の筋力があるのに腕立て伏せができない場合は、体幹を強くするトレーニングを取り入れるのがおすすめです。 体幹が強くなると体が安定し、フォームが崩れにくくなります。また、基本姿勢をキープしやすくなるので、回数を増やす効果も期待できます。
体重が重すぎることも腕立て伏せができない原因のひとつになります。自分の筋肉量に対して体重が重いと、体を支えながら体を持ち上げる動きを繰り返すことが難しいのは当然のことです。 特に、脂肪がつき過ぎて体重が重くなっている場合は、体重を落としつつ筋力をアップすることが成功への近道となります。両方を意識して行えば、腕立て伏せがしやすくなると言えるでしょう。
腕立て伏せのフォームが間違っているように感じている方や、筋力に自信があるのに回数をこなせない方は、以下の項目に該当していないか確認してみてください。 【気を付けたいポイント】
これらに気を付けて行うことで、フォーム改善が見込めます。また、人に確認してもらったり、鏡でチェックしながら行う方法もおすすめです。
腕立て伏せをして胸や腕を鍛えたいのであれば、正しいフォームで行うことが大切です。自己流で行っているという方は、あらためて腕立て伏せの手順を確認しておきましょう。
動き自体は単純ですが、体を常にまっすぐに保つことが重要になります。そのために体をしっかりと支える筋力とバランスを維持する体幹が求められるのです。以下の動画で動きを再確認してみましょう。
ここからは、腕立て伏せができない方に適したトレーニングをご紹介します。続けて行うことで筋力がアップするのはもちろん、腕立て伏せのフォームを身につけることができます。
ウォールプッシュアップともいい、壁に手をついて行う腕立て伏せを指します。通常の腕立て伏せよりも自重がかかりにくいため、肩や腕への負荷を軽減することができます。 【壁腕立て伏せの手順】
壁腕立て伏せは、正しい姿勢と正しいフォームで取り組むことが大切です。腰が反ったり、丸まって体が一直線になっていないとトレーニングの効果が得られないので注意が必要です。 また、慣れてきた段階で負荷を増やしたくなった場合は、壁と体の距離を遠ざけると良いでしょう。壁腕立て伏せを始めようと考えている方は、以下の動画を参考にしてみてください。
インクラインプッシュアップは上半身の高さを上げて腕立て伏せを行うトレーニングです。本来の腕立て伏せとは異なり全体重を支えずに済むので、筋力に自信がない方にもおすすめです。 【インクラインプッシュアップの手順】
頭の位置が高いほど楽に行うことができます。慣れてきたら、腕立て伏せの角度に近づけていくと良いでしょう。インクラインプッシュアップを取り入れたい方は以下の動画を参考にしてみてください。
プランクは体幹を鍛える代表的なトレーニングです。腕立て伏せができない原因のひとつである「体幹の弱さ」に効果的にアプローチすることができます。 【プランクの手順】
プランクで体勢をキープをしている時は、お腹周りに力を入れることを意識しましょう。そうすることで正しいフォームを保ちやすくなり、体幹を強くする効果が期待できます。
アームレッグクロスレイズはプランクを進化させたようなトレーニングで、体幹を鍛える方法としても知られています。上半身の筋力アップや、バランス力の向上が期待できます。 【アームレッグクロスレイズの手順】
腕と足を上げた際にバランスが崩れやすくなりますが、できるだけ姿勢を維持することが大切です。初めて行う方は、動画でフォームをチェックしてみてください。
膝をついたまま腕立て伏せをするトレーニングです。本来の腕立て伏せよりも負荷が少ないので、肘の上げ下げなど腕立て伏せの動きを覚えるのにも適しています。 【膝腕立て伏せの手順】
膝腕立て伏せは、膝を地面につけるので筋力に自信がない場合でも取り組みやすいメリットがあります。しかし、回数をクリアしたとしても正しいフォームで行わないと意味がありません。背中を丸めたり、腰を反ったりぜず、姿勢をまっすぐに保つようにしましょう。
筋トレが苦手な方や、まとまった時間をとることが難しい方は、ちょっとした空き時間に行える「ながらエクササイズ」を取り入れるのがおすすめです。次に、腕立て伏せの練習にも役立つ、日常生活の中で取り入れやすいエクササイズをご紹介します。
身体にかかる負荷を軽減したい方には、浮力を利用できるお風呂でのエクササイズがおすすめです。リラックスした状態で身体を鍛えることができるのがメリットで、エクササイズの時間がなかなか取れないという方にもおすすめです。 【大胸筋を鍛えるエクササイズ】
【上腕三頭筋や腹筋を鍛えるエクササイズ】
椅子を使ったエクササイズも体幹へのアプローチに効果的です。座ったままできるので、デスクワークの合間などに取り入れやすいのがメリットです。 【上体ひねり】
【お尻上げ】
【横倒し】
【全身ひねり】
今回は、腕立て伏せができない原因と簡単にできる筋トレをご紹介しましたが、いかがでしたか。腕立て伏せができない理由には「筋力不足」「体重が重い」「フォームが間違っている」などの要因があるため、それぞれを改善していく必要があります。 記事の中では、腕立て伏せができない方におすすめの筋トレとして「壁腕立て伏せ」「インクラインプッシュアップ」「プランク」「アームレッグクロスレイズ」「膝腕立て伏せ」を動画付きでご紹介しました。腕立て伏せに苦手意識がある方や、数回で諦めてしまう方はぜひ参考にしてみてください。