「以前は少し太ったと思っても、ちょっとしたトレーニングで元の体型に戻ることができたのに、最近はかなり痩せにくくなっきた」、そんな風に悩んでいる方におすすめしたいのが、体幹トレーニングです。腹筋だけではなく、背中や腰など胴体の中心部全体を「コア」と呼び、この部分を鍛えることをコアトレーニングといいます。今回は、そのトレーニング方法や効果についてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
体幹トレーニングとは、腹筋や側腹筋、背筋などの体幹の筋肉を鍛えるエクササイズのことです。アウターマッスルだけでなく、鍛えにくいインナーマッスルも効率よく鍛えることができます。 多くのプロスポーツ選手がスポーツのパフォーマンス向上のためにトレーニングの一環として取り入れていますが、最近では一般の方にも人気があります。 バランスボールやダンベルなどのトレーニンググッズを使わず、自宅で誰でも簡単に鍛えることができるため、筋トレ初心者や忙しくてジムに通えない方には特におすすめです。
体幹トレーニングに興味があっても、具体的にどのような効果があるのかわからないと、なかなかやる気が出ないのではないでしょうか。そこでここからは、体幹トレーニングのメリットを解説していきます。 食事や運動だけでなく、日常生活に役立つ効果も紹介していきますので、これから体幹トレーニングを始めたいという方はぜひご覧ください。
体幹の筋肉には、エネルギー燃焼能力の高い「赤筋」が多く含まれています。赤筋は、呼吸や血液循環、骨格や姿勢の維持などを担っており、いわば、基礎代謝を司る筋肉です。 つまり、トレーニングによって体幹の筋肉を刺激すれば、基礎代謝がどんどん向上し、痩せやすい体になるというわけです。以前よりも痩せにくくなったと感じている方に、体幹トレーニングを勧めるのはこのためです。
猫背やうつむき加減など、姿勢の悪さに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。自覚していても、改善するのはなかなか難しいですが、コアトレーニングを取り入れることで背骨を支えるために必要なインナーマッスルや、重心を安定させるために必要な骨盤周りの筋肉を効果的に鍛えることができます。 その結果、体の軸が強化されて、自然と正しい姿勢を保つことができるようになります。姿勢が良くなると、見た目が良くなるだけでなく、腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みの改善も期待できます。
体幹が強いと体の軸がブレるのを防ぎ、筋肉がスムーズに動くようになります。高いパフォーマンスを発揮するためには、スムーズな動きが欠かせません。プロは、結果を出すために自分の体を上手に使い、安定して動くことが求められます。 そのためには、体の中心部である体幹がしっかりしていなければなりません。体幹がしっかりしていれば、力の源である筋肉がガツンと働いて、ここぞというときに力を発揮することができるようになります。
毎日、仕事や家事、育児をしていると、体は疲れてきます。体をいたわるためには休息が必要ですが、なかなか時間が取れないのが現状です。そこで、体幹トレーニングで筋肉を鍛えることで体が軽くなり、日常生活でもスムーズに動けるようになります。 また、歪みを改善することで、体への負担軽減も期待できます。ジムに通ったり、マッサージを受けたりしなくても、自宅で疲れにくい体を手に入れることができるのは大きなメリットです。毎日忙しい方や、疲れやすいと感じている方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
繰り返しになりますが、体幹とは体の中心にあるすべての筋肉のことですので、この中心部を鍛えることで内臓の動きも活発になります。内臓の動きが良くなると、消化不良や便秘などの不快な症状が緩和されますし、肩こりなどの不調の解消にも繋がります。 さらに、体幹がしっかりしていると、体のバランスが整い、姿勢が安定しますので、肩や首への負担も軽減されて一石二鳥です。身体の不調を繰り返しやすい方は、ぜひコアトレーニングに挑戦してみてください。
プランクをすることで体幹の筋肉が鍛えられ、腰に負担のかからない姿勢をとりやすくなります。また、腹筋を鍛えることで、腰痛対策としても効果が期待できます。
運動がストレスを解消することはよく知られています。そのため、体幹を鍛えることは、ストレスへの対処法として有効です。とはいえ、強い体幹を手に入れるためには、継続してトレーニングを行う必要があります。 体幹トレーニングを毎日続けることで、適度に汗をかき、気分も爽快になりますし、血流が改善されたり、デトックス効果もあるので、ストレスを溜め込まない体質になっていきます。 このように、体幹がしっかりしていれば、ストレスに対処できるだけでなく、疲れにくい体へと変化していくのを実感できるでしょう。
ここからは、体幹を鍛えるのに役立つトレーニング方法をご紹介します。1つ1つのトレーニングを解説し、実践しやすいように動画も載せています。これから体幹を鍛えようと計画中の方はぜひ役立ててください。
プランクにはさまざまな種類がありますが、定番のトレーニングとしては、両腕と両脚のつま先で体を支える方法があります。これにより、様々な筋肉、特に体幹を鍛えることができます。フロントブリッジは体幹を鍛えるのに効果的なトレーニングなので、お腹から背中、腰までバランスよく筋肉を鍛えることができます。 【プランクのやり方】
フロントブリッジを行う際は、腹部の筋肉を中心に鍛えることを意識しましょう。頭からかかとまでの一直線をキープするようにすると効果的です。ぜひ体幹トレーニングを習慣化して、美しく健康的な体を手に入れましょう。
サイドプランクは、寝た状態から体を浮かせて、肘と足で体を支えるトレーニングです。 【サイドプランクのやり方】
サイドエルボーブリッジの正しいフォームにはいくつかのポイントがあります。横向きに寝て、肘と前腕で上半身を支え、体を一直線に伸ばし、顔をまっすぐ前に向け、余裕があれば反対側の腕を空に向けて伸ばします。この4つのポイントを押さえていれば、サイドエルボーブリッジを正しいフォームで行えていると言えます。サイドエルボーブリッジの呼吸法の基本は、呼吸を止めないことです。
ニートゥエルボーは、腕や脚、上半身を曲げたり伸ばしたりすることで、腹直筋を鍛えるトレーニングです。この運動の利点は、運動中に体がふらつきやすいのでコントロールする必要があり、インナーマッスルも同時に鍛えられることです。硬い床で行うと膝を痛める可能性がありますので、マットやカーペットの上など、ある程度弾力性のある床で行ってください。 【ニートゥエルボーのやり方】
このトレーニングはゆっくりとした動きで行うことが大切です。急ぎすぎるとフォームが崩れてしまうだけでなく、反動で筋肉の収縮力が弱くなってしまうことがあります。呼吸を意識することでゆっくりとした動きがしやすくなります。縮めるときには息を吐き、伸ばすときには息を吸って、呼吸に合わせて動いてみてください。
このトレーニングは、腹斜筋に効果があります。また、体をひねることで、上半身と下半身の動きに区切りができ、胸郭などが固まっている場合には動かしやすくなります。 【ウエストスクイーズのやり方】
体を左右にひねる際には、動画内で実践されているようにゆっくりと丁寧な動きを心がけるようにしましょう。また体がぐらぐらとしないように、顔はしっかりと上向きに固定し、手を左右に広げてバランスを取るようにしてください。
先に紹介したニートゥエルボーをよりハードにしたエクササイズです。膝が床につかない状態で行うことで、体がふらつきやすくなり、より効果的にインナーマッスルを鍛えることができます。ただし、転倒の危険性も高まりますので、事前に「膝から肘」のやり方を覚えて、ある程度体幹の筋肉を鍛えてから行ってください。 【ダイアゴナル・ニートゥエルボーのやり方】
倒れないように、ゆっくりとしたスピードで行いましょう。特に、左右にぶれないように気をつける必要があります。転倒の原因になるだけでなく、腕や首に余計な力が入ってしまい、体幹を効果的に鍛えることができなくなってしまいます。
レッグツイストは、体側の腹斜筋を鍛えることができます。腹斜筋は体をひねる動作に貢献し、腹直筋と同様に胸骨を引き下げる役割を果たし、呼吸にも関係しています。また、内臓を強制的に正しい位置にしたり、腹圧や排便をサポートするなど、身体の健康維持にも効果的な筋肉です。 【レッグツイストのやり方】
レッグツイストは、バランスボールを足に挟んで行うこともできます。やり方は、上記のレッグツイストのフォームと同じで、足の間にバランスボールを挟みます。バランスボールを足に挟むことで、腹筋だけでなく、下半身や腰回りの筋肉も同時に鍛えることができますので、効率よく体を鍛えたい方はぜひ試してみてください。 肩甲骨はしっかり床に付け、足を上げるときにはきっちり両足を揃えるようにしましょう。また、背中や肩甲骨が床から離れないように意識してください。
フロントクランチは、寝た状態から上半身を起こして腹筋を鍛えるトレーニングです。一般的な腹筋運動と似ていますが、ゆっくりと行うことで、腹直筋上部やインナーマッスルをより効果的に刺激することができます。 逆に、反動をつけてしまうと、筋トレ効果が薄れてしまいます。ゆったりとしたスピードで取り組み、腹筋が鍛えられていくのを実感しましょう。 【フロントクランチのやり方】
理学療法士によるフロントクランチの解説動画です。フロントクランチを行う際は、首や肩、腕に力を入れすぎないことが大切です。腹筋やインナーマッスルを効率よく鍛えることができないだけでなく、首を痛めてしまう可能性があります。 また、腹筋以外の力を使わなければならない場合は、インターバルをとったり、回数やセット数を減らしたりすることをお勧めします。くれぐれも無理をせず、自分のペースで取り組んでください。
グッドモーニングは、上半身を前に出すことで、背中の筋肉を効果的に鍛えることができる筋トレ方法です。デスクワークで猫背になっている方には特におすすめです。 【グッドモーニングのやり方】
元ボディビル王者直伝の、効果的なグッドモーニングの行い方解説動画です。動画からも分かるように、ポイントは、背中の筋肉を使うことです。猫背でやったり、首だけが崩れてしまうと効果が半減してしまいます。 また、つま先に体重をかけすぎて、かかとが床から離れてしまわないように注意しましょう。太ももの裏を伸ばすようなイメージでやってみてください。
筋肉の鍛え方には、一つの筋肉をピンポイントで鍛える方法と、複数の筋肉を同時に鍛える方法があります。腹筋や体幹は複数の筋肉で構成されているので、統合してトレーニングするのが効率的です。 腹筋を割るための体幹トレーニングは3種類あります。まず、「アラウンド・ザ・ワールド」ですが、プランク、サイドプランク、バナナプランク、サイドプランク、プランクの順に行います。各エクササイズとも30秒×3セット行いましょう。
次に、「ホローホールド」は、バナナプランクに動きを加えたバリエーションです。バナナプランクをした後に、体を前後左右に揺らしてみてください。これだけで、体幹への負荷は何倍にもなります。 最後は、自宅に腹筋ローラーがあれば、それを使って行う方法です。腹筋ローラーは、プランクよりも負荷が高いので、体幹を鍛えるのにおすすめです。
最後に、体幹トレーニングを実践しているサッカー選手のトレーニングメニューや、女性におすすめの効率的な体幹の鍛え方を動画で確認しておきましょう。
サッカー日本代表の長友佑都選手が行っている体幹トレーニングを紹介する動画です。フロンドブリッジ、バックブリッジ、片足サイドブリッジ、ヒップリフトキープ、連動Vクランチ、もも上げフロントブリッジ、バッククロスクランチが組み合わされたメニューとなっています。 なお、10分は長すぎると感じる方は、時間を短くしたり、エクササイズの数を減らしたりして調整してください。
自宅で簡単にできる体幹に効くワークアウト動画です。10分間のコアトレーニングとなっていますが、特に効率良く体幹を鍛えられるポーズがピックアップされています。 ペルビックカール、レッグレイズ、レッグストレッチ&アブツイスト、スパインツイスト、ロールダウン、レッグレイズ、ヒップアップ、プランクの8ポーズが1つ1つ丁寧に紹介されていますので、動画を見ながらぜひ一緒にエクササイズしてみましょう。
体型や姿勢、筋力の低下など、体に関する悩みを改善するには、食事や有酸素運動などさまざまな方法があります。とはいえすべてを定期的にこなすのはなかなか難しいものです。その点、体幹トレーニングなら、これらの問題に一度にアプローチすることができます。お金も時間もかけずに、自宅で好きなときに始められるのも魅力です。ぜひ体幹トレーニングを習慣化して、美しく健康的な体を手に入れましょう。