チェーンルブ(チェーンオイル)は自転車やバイクなどのメンテナンスに欠かせないアイテムで、チェーンを滑らかに動かし保護する役割があります。 しかしさまざまなメーカーから販売されており、どれが良いか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで今回は、チェーンルブ(チェーンオイル)のおすすめ商品や選び方、使い方をご紹介していきます。
チェーンルブ(チェーンオイル)とは自転車やバイクの部品同士の摩擦を減らし、滑らかに動くようにする潤滑油のことで、潤滑剤やルブリカントとも呼ばれます。 乗っているうちに、チェーンから異音がしてくることがあるのではないでしょうか。これは部品同士の擦れやサビが原因ですが、定期的にチェーンルブを使用してメンテナンスすることで防ぐことができます。
チェーンルブ(チェーンオイル)の役割は、チェーンがスムーズに回転するための潤滑です。二輪車のチェーンは金属製で、高速回転することでタイヤに動力を伝えますが、その際に同じく金属製の歯車(スプロケット)と高速で接触していて大きな負担がかかっています。 また、風雨にさらされることでもサビついたり消耗したりします。
そこで、あらかじめチェーンルブを塗りコーティングしておくことで稼働時の負担を減らすことができるのです。 一度塗ったチェーンルブが取れてしまうと、チェーンが乾いて異音がしたり走り心地が悪くなったり、最悪チェーンが切れ事故に繋がってしまうので、定期的にチェーンルブを使用して整備すると良いでしょう。
チェーンルブは、粘度によって「ドライ」「ウェット」「セミウェット・セミドライ」「ワックス」の4種類に分けられます。種類によって特徴が異なるので、使用用途や使用頻度に合わせて選びましょう。
ドライタイプは粘度が低くサラサラしているのが特徴で、スプレータイプも多くあります。速乾性が高く、使用直後に走行しても垂れたり飛散したりすることがありません。 また汚れが付着しにくく、チェーンが汚れにくいのも魅力でしょう。一方で効果の持続期間は短めで雨などでも洗い流されてしまうので、こまめに塗付し直す必要があります。
粘度が高く耐久性も高いのが特徴で、雨や泥にも強いため長距離走行やオフロード、雨天時の走行、自転車通勤・通学などにおすすめです。 ボトルタイプが多く垂らすように使うため狙った部分に塗りやすく、浸透性が高いため乾いたチェーンにも馴染みやすいのが魅力でしょう。一度塗布すれば長持ちしますが、乾くまでに時間がかかり、土やほこりなどの汚れが付きやすいというデメリットもあります。
ドライとウェットの中間の特徴を持ち、優れた潤滑性と飛散しにくさ、汚れの付きにくさが人気のタイプです。中には塗る時はウェットタイプに近いもののドライタイプのような速乾性がある商品もあります。 ドライかウェットか迷っている方にもおすすめですが、商品によって特徴が異なるため、目的に合ったものかどうか確認して選ぶようにしましょう。
ドライ同様サラサラしており、高い潤滑性と汚れにくさが特徴です。チェーンの周囲や服などを汚さずに塗りやすいのが魅力ですが、持続力が低く雨にも弱いため、こまめにメンテナンスする必要があります。 日々のメンテナンスとして、走行後にチェーンの汚れを拭き取るついでに注油すると良いでしょう。ドライタイプよりも汚れに強い傾向にあるので、常にチェーンを綺麗な状態にしておきたい方にもおすすめです。
チェーンルブはさまざまなメーカーから販売されており、商品の種類も多いためどれが良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。ここではチェーンルブを選ぶ際のポイントを、自転車用とバイク用に分けてご紹介していきます。
先にご紹介した粘度による種類の他、成分や注油方法も選び方のポイントです。成分は主にセラミック、PTFE・フッ素があり、セラミックは摩擦を減らしてチェーンの動きを滑らかにし、快適な走りを実現してくれますが、価格が比較的高めな傾向にあります。 PTFE・フッ素配合のものはコーティング力・耐久性が高いので、傷や腐食を防ぐ効果があります。注油方法にはスプレーとボトルがあり、スプレーは手軽に使えますがピンポイントに使いにくい、ボトルはピンポイントで注油しやすく飛散しにくいのが特徴です。
バイクの場合は自分のバイクがシールチェーンかノンシールチェーンか確認し、対応しているものを選びましょう。シールチェーン対応のものはノンシールチェーンにも使用できるため、迷ったらシールチェーン用を選べば問題ありません。 耐久性を上げたいならフッ素樹脂配合、手軽に整備したいならスプレータイプがおすすめです。細かい部分までしっかり塗りたい方は、ボトルタイプが良いでしょう。またカラーチェーンを使用している場合は、無色タイプのチェーンルブを選ぶのがポイントです。
ここからは、おすすめのチェーンルブ(チェーンオイル)を見ていきましょう。まずは、自転車・ロードバイク用の人気チェーンルブをご紹介していきます。
AZ(エーゼット)は創業1955年の日本の会社で、高品質なオイルやグリスを中心とした商品を展開しています。近年は自転車関連の商品にも力を入れており、さまざまな潤滑剤、洗浄剤、ケミカル類を販売しています。こちらはWAXとPTFEを配合した、ドライタイプの自転車用チェーンオイルです。 チェーンが汚れにくいため、通勤・通学、街乗り、シティライドといった日常走行、土埃が多い道路の走行におすすめです。ドライながらも持続性があり、チェーンやスプロケットを綺麗な状態に保ち、滑らかに動くようにサポートします。
KUREは防錆・潤滑剤のパイオニアとして1960年に創業した、呉工業株式会社のブランドです。こちらの商品は優れた浸透力と潤滑効果が特徴で、チェーンの細部まで浸透して摩擦抵抗を低減し、スムーズな走りをサポートします。 ドライタイプで汚れやホコリの付着やチェーンの摩耗を防ぎ、軽快なライディングを実現してくれるのが魅力でしょう。また優れた水置換効果で、湿気や水分を除去してサビの発生を防げるのもポイントです。
ワコーズは、潤滑油、添加剤、カーケア・メインテナンス製品を製造・開発・販売する株式会社和光ケミカルのブランドです。 こちらのCHLチェーンルブは自転車にもバイクにも使えるフッ素樹脂配合のセミウェットタイプで、優れた潤滑性・耐摩耗性・浸透性・付着性と長時間の潤滑効果が特徴です。 薄く透明な皮膜を形成して砂やホコリの付着を防ぎ、風雨の中や高速走行時でも飛散が少ないのが魅力で、ロングライドにも耐えます。手軽に使えるスプレータイプなので、初心者にもおすすめです。
FINISH LINEは走りに合わせて選べる洗浄剤、潤滑剤、保護剤など豊富なメンテナンス製品が揃う、自転車専用にこだわる世界有数のケミカルブランドです。 こちらはチェーンとスプロケットをピカピカな状態に保ちたい人の為に考えられた、極小セラミック粒子配合の最先端セラミックワックスルーブです。ワックスタイプで優れた潤滑性能があり、汚れ付着防止効果も高く飛散もほとんどありません。
ロードバイクのプロフェッショナル用として開発された高性能・本格的なチェーンルブですが、使いやすいスプレータイプとリーズナブルな価格でママチャリにも使えます。 高級特殊合成オイルをベースに極圧剤などを配合し、チェーンの深部まで浸透して抜群の潤滑性を発揮します。耐水性にも優れているので、急な雨でも安心です。
耐水性と耐摩耗性に優れ、長期間潤滑効果が続くチェーン専用の潤滑剤で、コスパが高くホームセンターなどでも手に入りやすい定番商品です。 フッ素樹脂と高純度有機モリブデンを配合し、高い潤滑性と耐摩耗性、耐水性を実現しているのが特徴で、スプレー後に走行しても飛散せず、サビも防ぎます。シールチェーンにも使用でき、自転車だけではなくバイクにも使用できます。適度に粘度があり持続性もあるため、ロングライドにもおすすめです。
次は、バイクのメンテナンスにおすすめのチェーンルブ(チェーンオイル)をご紹介していきます。大切なバイクをしっかり整備して、綺麗な状態・快適な走りを保ちたい方はぜひチェックしてみてください。
シールチェーン・オープンチェーン用のウェットタイプのYAMAHA製チェーンオイルで、高い浸透性と粘性が特徴です。フッ素樹脂を配合した高粘度のムース状になっていて塗りやすく、潤滑効果やサビを防ぐ効果があります。 耐摩耗性・耐熱性にも優れており、雨に強いのも魅力でしょう。飛び散りが気になる方は、注油後しばらくしてからウェスで拭き取るのがおすすめです。
チェーンの人気ブランド・D.I.Dのスプレータイプのチェーンルブで、環境に優しいノンフロン、ノンエタンです。塗る際にはサラサラしていて浸透しやすく、時間が経つと粘度が上がり飛散しにくくなるのが特徴で、透明タイプのためカラーチェーンにも使えます。 シールチェーンにも安心して使える高度精製油を使用しており、部品の摩耗を防ぐとともに伝動効率を最大限に発揮させ、滑らかな駆動を実現します。有機モリブデン配合で抜群の潤滑効果があり、防錆添加剤により長期間サビを防げるのもポイントです。
特殊合成油をベースに、極圧剤を配合したレースに最適なウェットタイプのバイク用チェーンオイルです。潤滑効果が長く続く長寿命タイプで、注油の頻度が少なくてもしっかりメンテナンスできます。 耐熱性や耐寒性にも優れており飛び散りにくいのが特徴で、シールチェーンにも対応しています。少量でも十分な潤滑効果があり、滑らかな走り心地を実現します。
SUPER ZOILはエンジン添加剤で有名なブランドですが、バイク用のチェーンルブも揃っています。こちらはスプレー式の透明なタイプで、粘性が低めで浸透しやすいのが特徴です。 改質剤配合・消音グリスで金属表面を平滑にし、接触面の異音を解消し摩耗も防ぎます。また泥や水の侵入を防ぐので、サビも防げるのも嬉しいポイントです。
ワコーズはバイク用も自転車用もユーザーから厚い信頼を得ているブランドで、使いやすさと優れた効果が魅力です。こちらはフッ素樹脂を配合しており、高い潤滑性と耐摩耗性、耐水性、耐熱性があります。 スプレー後しばらくすると密着性が上がり、高速回転や競技での使用でも飛散を防止し長期間潤滑効果を発揮します。シールチェーンにも安心して使えるのもポイントです。
Vipro's(ヴィプロス)は「プロが使用しても満足頂ける商品」「常に最上級のスペックを追求していくこと」をコンセプトに、エアコンイノベーター、クリーンイノベーターを中心として錆び止めやコーティング剤、ワックスなどの特殊ケミカルの開発・販売をしています。 即効性の浸透力でチェーン細部まで素早く浸透し、金属表面に非常に薄い極圧系潤滑被膜を吸着させるのが特徴です。低粘度タイプのためワイヤーや変速機など、ベタつきが気になるパーツの汚れ防止や潤滑として活躍します。 油分が少なめなので、拭き取らずに乾いたチェーン、ベアリング、スプロケットなどをコーティングするようなイメージで使えます。
チェーンルブ(チェーンオイル)の効果を最大限発揮するためにも、正しい使い方を確認しておきましょう。ポイントは、使用前に洗浄機やクリーナーを用いてチェーンを洗い、クリーナーや余計な水分が揮発した状態まで待ってから注油することです。 注油する場所はチェーン内側のリンク部分(シールリング・ブシュ・ローラー)で、外側のプレート部分に使用してもあまり意味がなく汚れが付きやすくなる可能性もあるため注意しましょう。リキッドタイプはリンク部分に上から1滴ずつ垂らすようにし、スプレータイプはリンク部分に吹きかけて使用します。
まんべんなく注油できるようチェーンを一周させながら塗っていきますが、その際に塗り始め箇所に目印のピンを付ける、プレート部分の特定箇所を目印にするなど、注油した部分が分かるように工夫するのがおすすめです。 注油後は浸透するまで5~30分程度放置しますが、商品によって放置時間は異なるため商品の説明書を確認しましょう。最後は、ウエスで余分な油を拭き取って仕上げます。
今回は、自転車やバイクのメンテナンスに欠かせないチェーンルブ(チェーンオイル)のおすすめ商品や選び方、使い方をご紹介しました。 チェーンルブはチェーンの潤滑剤で部品の摩耗を軽減する役割があり、汚れやサビを防止するものもあります。種類や商品によって用途や使い心地が異なるので、自分の大切な自転車やバイクに合ったチェーンルブを見つけてメンテナンスしましょう。