ダイエットとなると、食事を抜いて摂取カロリーを抑えようと考えるかも知れません。基本的な考えは間違っていませんが、ダイエット中だからこそ朝食はしっかり摂るべきです。今回は、ダイエットをする中での朝食の重要性や、おすすめレシピなどをご紹介します。[toc]
ダイエット中には、摂取カロリーを少なくして消費カロリーを多くするのが鉄則です。そういった基本はあるものの、だからといって朝ごはんを抜いてしまっていい理由にはなりません。 昔から朝食はその日一日を活動するために大切と言われている中、起き抜けで食欲がない、時間がないといった理由で抜いている場合もあるかもしれません。今一度、朝食の必要性について知っておきましょう。
まず、血糖値の急激上昇を防ぐ効果があります。ダイエットをする中で朝食を抜いた場合、次にお腹の中に食べ物が入ってくるのは当然ながら昼食の時間となり、前日の夕食から数えると十数時間もの間お腹に何も入っていない状態が続く計算になります。 長時間なにもお腹に入れていない状態が続くと、いざ食事ができるとなった時にいつも以上のたくさんの食事を胃の中に入れてしまったり、早食いをしてしまうというのは誰でもある話です。
しかし、そういった事をすると血糖値が空腹によって一番下まで低下している状態から、いきなりたくさんの栄養が入ってきて急激に上昇します。するとインスリンという血糖値を下げるホルモンが分泌されます。 このホルモンは血糖値上昇を抑える効果がある反面、脂肪を合成し太りやすくなるホルモンとしても知られています。故に、朝食をしっかり取るのは無駄脂肪の生成を抑えるのに効果的という訳です。
続いて、基礎代謝を向上させる効果もあります。朝食を摂ると体温が徐々に上がっていき、正午辺りにピークを迎えます。実は、この食事による体温上昇は、基礎代謝も上げているのです。 そもそも、代謝というのは体内に取り入れた栄養素、エネルギーを利用したり消費したりするときに行われる化学反応です。そして基礎代謝というのは、一言で言ってしまえば何もしなくても消費するエネルギー量を指しています。
すなわち基礎代謝を向上させるのは、息を吸って吐いたり普通にしゃべったりといった日常生活を送る中での消費カロリーを増やすとも言い換えられます。体温が1度上がると、代謝は13%ずつ上がると言われています。 国内の研究では、朝食を抜くと体温を調節する体内時計を乱すことにつながり、カロリーの消費量が減少して体重が増えてしまうとも言われています。基礎代謝は、ダイエットにおいてとても重要です。
体内時計を整える効果も、実は朝ご飯を摂る事で発揮されるのです。人間の体内には約25時間周期で回り続ける体内時計があるとされていて、基本的にはこれを地球の一周する24時間に合わせて生活をしていると言われています。 体内時計自体はどんな人にもあり、ほぼすべての細胞に備わっているともされています。朝に起きて日中に活動し、夜になって眠くなるのも、この体内時計が正常に作用しているからなのです。
体内時計は日の光を浴びたり、食事のタイミングによって影響が出ると言われており、その中でも特に大きいのが朝食です。もし朝食を摂らず体内時計がズレると、ダイエット中かどうかにかかわらず睡眠不足などの健康被害を及ぼします。 加えて、褐色脂肪細胞も体内時計の乱れによって増加すると大学の研究チームが発表しています。逆に言えば、朝食の摂取はこれら健康被害の防止にもつながっているのです。
もう1つ、便秘予防効果も期待できます。ダイエット中の便秘は悩ましい種として知られていますが、その原因としては食事量が極端に減って便を作る材料が減ったり、栄養素が不足する事で起こります。 例えば食物繊維という栄養分は非常に有名ですが、これは便の量を増加させたり腸内環境を整える効果があるとされています。故に、お腹に関する事では食物繊維がとても大切になってきます。 また、油分は便が腸を通る際の潤滑油の働きも担っていて、これが極端に減少しても便が出にくくなる原因となり得ます。朝食によって食事量を確保するのは、嫌な便秘の予防をするのにも大切という訳です。
朝ごはんというのは一日の始まりのエネルギー源になる、という話しはよく知られていますし、だからこそ大切であるのも知っているでしょうが、それ以上にダイエット中にはその重要度が増すというのが上記の理由によってお分かりいただけたことでしょう。 ダイエットもそうですが、健康的な身体を維持するためには食事で摂取する栄養素にも目を向けて行きたいところです。続いては、ダイエット中の朝ごはんに取り入れるのをお勧めする栄養素各種についてです。
まずは、炭水化物になります。脂質やたんぱく質に並んで三大栄養素の1つとして数えられており、白米やパンといった主食になる食物に含まれている成分として誰もが知っている栄養素です。 ダイエットにおいては、炭水化物には糖質が含まれており、太る原因となるので摂取するのを避けるべき、と聞いたことがあるかもしれませんが、しかし体のエネルギー源になる以上、過度な摂取制限は体に不調をきたします。
この糖質というのも、炭水化物から食物繊維を抜いたものであり、エネルギー量が同一でも脂質やたんぱく質に比べて早く使えるエネルギー源となります。また、代謝を向上させる効果もあるので、ダイエットではむしろ欠かせません。 あくまでも過度な摂取はダイエット中には禁物というだけであって、一回の食事中に茶碗1杯分程度なら何ら問題はありません。
続いては、タンパク質です。先にご紹介した炭水化物と並んで三大栄養素の1つに数えられ、主に肉、魚、乳製品や豆類といった食事の中では主食になり得る食物を中心として多く含まれています。 人間が活動する上でのエネルギー源になるのは炭水化物と同一ですが、これに加えてたんぱく質には筋肉や髪、皮膚をはじめとした体のあらゆる組織を形成するために必要な栄養素でもあります。
よく体を鍛える人がプロテインを摂取しているのを見るでしょうが、プロテイン=タンパク質の塊でもあり、筋肉を作り出すために積極的にタンパク質を効率的に摂取しているのです。 食事においても太るから、などと言って減らしたりせず、バランスよく摂りましょう。特に筋肉を増やすと基礎代謝も上がるので、プロテインをダイエット中の食事に取り入れるというのも1つの手段と言えます。
そして、炭水化物やたんぱく質と並ぶ三大栄養素の最期の1つ、脂質もダイエット中の食事では摂るべき栄養素なのです。脂質というと、少量でもカロリーが高くあまり摂るべきではない、というイメージがあるかもしれません。 確かにカロリーが高い栄養素であるのは事実なのですが、体温を調節したりエネルギー源の確保をするといった役割を担っている他、細胞膜やホルモンを生成する材料にもなる、欠かせない栄養素なのです。
加えて、理由の中でも述べた通り油分は腸内の便の通りを良くして便秘改善と予防に繋げる効果もありますから、様々な意味でも脂質はダイエットをしているかどうかにかかわらず必要です。 特にえごま油やアマニ油といったものはお勧めでき、普段の食事では不足しやすい必須脂肪酸のαリノレン酸を多く含み、血流改善に中性脂肪低下といった嬉しい効果を発揮してくれます。
この様に、ダイエット中とはいえど栄養を偏らせてはならないですし、三大栄養素全てをバランスよく摂取するのが健康的な身体のまま痩せるコツでもあります。続いては、ダイエット中の朝ごはんメニューを考えるうえでのポイントについてです。
まず、朝ご飯の摂取カロリー量については1日の内の4割程度にとどめておきましょう。ダイエット中の食事の摂取カロリーで理想的な比率は、朝:昼:夕で4:4:2にするのが最も良いと言われています。 一日の摂取カロリーの目安は人によって異なりはしますが、概算で朝ごはんの摂取カロリーを500から600キロカロリーあたりにするべきとされます。朝ごはんと、昼食の摂取カロリーは同じく4割で同程度というのが分かるでしょう。 これは、朝ご飯で割としっかりカロリーを摂取し一日のエネルギーとして消費をしますが、夕食を摂った後には基本的にすべて消費せず睡眠につきますから、他2色ほど多く摂らなくても良いという訳です。
続いて、冷ためのメニューではなく温かいメニューを積極的に摂ることです。というのも温かい状態の食事を朝に摂取すると、胃腸の温度が高まって活発に動き体内で熱を生み出しやすくなるからです。 体温を上げるのは基礎代謝も上げるというのを冒頭の理由でご紹介していますが、冷たいものではなく温かいメニューを選ぶのはこの基礎代謝を上げるためでもあるわけです。
野菜を摂る場合であっても、冷たいサラダよりは温野菜や野菜スープ、フルーツでも冷たいままよりも常温に戻してから食べる方が、ダイエット中の朝ごはんとしては適しています。 また、タンパク質摂取や時短の為にスムージーやプロテインを取り入れる場合、材料を常温に戻してから飲むと胃腸を冷やしにくくなります。
もう1つ、起床してから1時間以内という時間を設けて食べるようにしましょう。体内時計の話も朝食を摂るべき理由の中で述べていますが、朝というのは体内時計を1日のスタートに合わせる時間とも言われています。 体内時計の中でも脳と体で2種類存在しており、脳の方がメインの時計で日の光を浴びるとオンになり、サブに相当する体の時計は朝食を食べてオンになります。ここにずれが生じると、時差ボケが体内で発生して不調の原因にもなります。 だからこそ、起床してからは1時間以内、遅くなったとしても2時間以内に朝食を摂取するべきです。また、どれだけ時間が無かったとしても、完全に抜くのは体調不良を助長してしまうので、バナナ1本だけでも食べるべきとされています。
以上、ダイエットにおける朝食の必要性、そして実際に朝食を摂る際に考えたいバランスの度合いやポイントなどについて解説してきました。ここからは、ダイエット中のお勧め朝ごはんレシピを種類ごとにご紹介していきます。
まずは「オートミールバナナ粥」になります。バナナやシナモンなどを用いて作るレシピであり、朝から甘いものが食べられるのは好きな方にとってはたまらないでしょうし、それでいて摂取カロリーなども考えられたものになっています。
包丁やまな板などを使用することなく、手軽で時間をかけずに作れる一品のダイエット用朝食としてお勧めできるレシピと言えます。栄養豊富でありながらも美味しく、甘いものが嫌いでなければ是非とも取り入れてほしいところです。
続いては「鶏むね肉とオートミールのスープ」です。こちらも1品目と同様にオートミールを使用したレシピとなり、ダイエットにもタンパク質は欠かせないという事でタンパク質を豊富に含んだ鶏むね肉を加えています。
ショウガをすりおろして投下する辺りで、火は弱めにしても良いです。また、塩コショウについては挽きたてのものだと尚良く、仕上げに一かけするとさらに見栄えも上がるコツになります。
もう1品は「オートミール豆腐パンケーキ」です。名前からしてデザートのようなレシピになっていますが、オートミールを使っている分タンパク質や食物繊維といったダイエットに欠かせない栄養素をしっかり確保できます。
絹ごし豆腐はバナナ1本に代えても美味しく仕上がりますし、その時の甘味料の分量を豆乳など変更して甘さを調節する事も出来ます。
オートミールはタンパク質や食物繊維といったように様々な栄養素を含んでいますし、ご紹介したように様々なレシピに応用が利くのでお勧めです。続いては、白米を使った朝食レシピになります。
まずは「簡単玉子粥」レシピです。ダイエットにもうってつけのお粥を卵などを使う事で具沢山にし満腹感も得られるようにした朝食であり、忙しい朝の時間帯でも簡単かつ満足の出来る食事にしてくれます。
具沢山にしたことでこの1品だけでも腹持ちは良くなりますし、暖かい料理なので体も温めた状態でスタートさせられます。最初に小松菜などの具材は小さめにカットするのが、時短で食べやすくするコツになります。
続いては「豆腐そぼろ丼」です。豆腐と卵を使った割とがっつりとしたレシピででありつつも全体的なカロリーはヘルシーに仕上がりますし、温泉卵を使う事でアクセントとして味も豊かになります。
実際のこのレシピを作った方からは「豆腐を炒めただけでお肉みたいになり、がっつり食べられた」「冷凍した木綿豆腐でも美味しく作れ、インゲンやキノコを使っても美味しかった」という声がありました。
もう1品は「納豆卵かけご飯」です。タンパク質を豊富に含む卵、そして大豆を使った納豆を掛け合わせて作るレシピであり、フライパンなどの調理を一切することなく非常に簡単に作れて栄養価も豊富な一品になります。
朝ごはんでは体を温める事が大切で、基礎代謝を向上させて痩せやすい体で一日生活するのがダイエットの観点からも重要とご紹介していますが、その為には汁物を朝食に加えると非常に効果的です。
まずは「白菜たっぷりスープ」がお勧めです。文字通り白菜を沢山使った野菜たっぷりのレシピとなっており、忙しい朝でも栄養価を確保できます。前日の夕食と、翌朝の朝食用としてまとめて作る事も出来るので、時間がない時でも朝ごはんに加えられるでしょう。
「もやしとトマトのお味噌汁」も朝ごはんにうってつけの汁物レシピです。もやしもトマトも火の通りが早い具材なので簡単に作れる味噌汁レシピとしてお勧めでき、朝の一杯や糖質制限中の汁物にピッタリです。
もう1品は「豆苗と卵のスープ」です。長時間に込む必要がない材料を使って作るスープなので飲みたい時にサッと作れるレシピになっており、具材は豆苗と卵の2つだけで完結させられます。
白米よりもパン派という方であっても、ダイエット向けの朝食レシピはあります。米を使ったレシピでは無かった組み合わせで手軽にサッと摂れるものも少なくありませんので、ぜひ作ってみてください。
「フライパンでトースト」は、トースターを使うことなくフライパンでパンを焼いてトーストするレシピです。真ん中をくりぬいて具材をその中に入れるというアイデアで、単なるトースト以上の食感の朝食になります。
「みりんシロップで仕上げる至福のフレンチトースト」は、名前からしてもおいしそうです。卵とミルクを沁み込ませたフレンチトーストにシロップをかけるもので、砂糖に比べて血糖値上昇が緩やかなので朝でもお勧めできます。
豆腐を使用した「ヘルシー豆腐トースト」です。炭水化物のパンにタンパク質が豊富な豆腐を合わせた栄養のあるレシピであり、使用する材料も非常に少ないので簡単に作れるトーストです。
ご飯やパンなど、主食になるメニューに手間を加えて一品で栄養もたっぷりのレシピを朝ごはんにする事ももちろんできるのですが、より充実した内容を求めているのならおかずも作れます。
トロトロふわふわでありながらもヘルシーで食べやすい「長いものとろろオムレツ」です。やることといえば混ぜて焼くだけと非常に簡単ですし、ダイエット中だけではなく酒のつまみにもなりそうな一品となります。
続いて「豆腐ハンバーグ」です。木綿豆腐をたっぷりと使った豆腐ハンバーグはさっぱりとしたポン酢と大根おろしやネギなどがマッチするおかずとなり、ジューシーでありながらもヘルシーです。
最後は「こんにゃくの煮物」です。こんにゃくというのはついつい食べ物に手が伸びてしまうダイエット中でも遠慮なく食べられ、タンパク質が豊富な手羽などとあわせるととてもおいしい料理になります。
ダイエット中だからと言って、朝ご飯を抜く必要はどこにもなく、それどころか抜かずにしっかり摂るのが健康的にダイエットを成功させるコツです。美味しい朝食メニューも色々とあるので、是非とも試してみてください。