筋肉トレーニングやダイエットにおいて、タンパク質を効率的に摂取できるプロテインは必須とも言えます。簡単に作れますが、いつでも飲めるようにと作り置きをするのは、お勧めされていません。今回は、プロテインの作り置きが駄目な理由、持ち運びをしたい場合の方法などを解説していきます。
手軽に効率的なタンパク質摂取が可能なプロテイン。筋肉トレーニングをされる方をはじめとして、最近はダイエットや美容目的で飲まれる方も増えています。脂質などの無駄な栄養素を取らず、タンパク質のみをしっかり摂取できますので、健康面でもプラスに働いてくれます。 そんなプロテインは、粉末状で水や牛乳に溶かす事で簡単に飲む事が出来ます。いつでもすぐに飲めるように、出先でも持ち運んで飲めるようにと作り置きを考えたこともあるかもしれませんが、基本的にそれはお勧めできません。 基本的にプロテインは、飲む直前に飲みたい分だけ作って、そしてすぐに飲み切る事が鉄則です。
プロテインの作り置きそのものはできると言っても、様々な理由があるためにお勧めはできません。ではなぜプロテインを作り置いておくことは推奨されていないのか、その理由について解説していきます。
1つ目の理由は、栄養価が落ちてしまうからです。水や牛乳に溶かしてドリンクにしたプロテインというのは、作ってから約1時間ほど経過するだけで鮮度が低下して、栄養価が悪くなる原因になるのです。 元々プロテインに記載されている賞味期限というのは、粉状の時の事を指しています。タンパク質を効率よく摂取するのが主な目的であるプロテインですが、時間の経過によってそのタンパク質が変質し、劣化してしまいます。その為、飲んだとしても十分な栄養価を得られないのです。
2つ目の理由は、プロテインの中に雑菌が繁殖してしまうからです。プロテインというのは、いわばタンパク質の塊そのものです。三大栄養素に数えられているタンパク質ですが、これが水などに溶けたことで、雑菌が繁殖するのにちょうど良い環境になってしまうのです。 雑菌が繁殖すれば、溶けたプロテインの中身は雑菌まみれになってしまいます。勿論そんな状態のプロテインを飲んでも良い効果が表れる訳でもなく、逆に食中毒になってしまう危険性も出てきます。 プロテインを作り置きする事自体が、雑菌の繁殖を手助けしてしまっているという訳です。常温の方が繁殖の環境としては適していますので、せめてもの策として冷蔵庫の中に保管しておくと、多少は保管期間を延ばせます。
もう1つ、味がおいしくなくなってしまうのもお勧めしない理由です。現在色々とプロテインは出回っていますが、市販されている製品は、チョコレートやストロベリーなど、色々と味付けがされており、美味しく飲めるように作られています。 ですが、出来立ての想定通りの飲み方をするのならばともかく、作り置きをするとせっかく美味しい味に作られたはずのプロテインに酸化現象が発生し、酸っぱくなるなどして本来の味が落ちてしまうのです。 雑菌の繁殖を多少なりとも防ぐため、冷蔵庫に保管するという策もあるにはありますが、それでも酸化そのものを避ける事はできず、結局味は劣ってしまいます。美味しいままで飲むためにも、やはり直前に作って飲むのが一番なのです。
プロテインの作り置きというのは基本的には推奨されるものではありませんが、飲むときにスムーズに飲めるというメリットも確かに存在します。ただし、先に解説した通り、あまり長い時間放置していては、雑菌の繁殖や鮮度の劣化につながります。 もしもプロテインを作り置きして冷蔵庫の中に保管する場合、保存期間としては半日から1日程度までになります。保存と言えるかどうか怪しいほどに期間が非常に短く、一日でも過ぎると途端に鮮度が劣化して、味も効果も落ちてしまいます。 一日しか持たないのであれば、わざわざ作り置きをする意味もほとんど薄れてしまいます。その為、時間の観点で言えば、プロテインの作り置きにメリットがあるとは言えません。
作り置きは基本的にはできないとは言っても、いつも行っているジムや外出先でプロテインを摂取したい時というのはあるものです。その場合、作り置きをせずに持ち運びをする方法がいくつか挙げられます。
1つ目は、プロテインバーを持ち運ぶ方法になります。プロテインというと水などに溶かす粉末状のもの、というイメージが強いかもしれませんが、一口にプロテインと言っても種類は色々とあり、その中の1つがプロテインバーです。 バータイプのものであれば、個包装されていますので劣化もしにくく、雑菌の繁殖といった心配もいりません。摂取する際には水も用意することなくそのまま食べればよいだけですので、手軽に摂取できる手段として有効です。
おすすめなのは「ピュアプロテインバー」です。誰でも食べやすいチョコレート味となっており、勿論1本ずつ個包装ですので、出先で食べることが予想される際には必要分だけ持っていけば良いです。 1本120キロカロリーの内、プロテインは21グラム、糖質はわずかに3gと高タンパクかつ低糖質で、本数は12本から18本、ミックス18本、24本から選べます。
2つ目の方法は、シェイカーに入れて持ち運ぶことです。シェイカーにプロテイン1回分の粉末をあらかじめ入れておいて蓋をし、ジムや外出先などへ持っていきます。その後、牛乳や水をプロテインと混ぜて飲めば、作ってすぐに飲めます。 粉末状のままとは言っても、外気に触れさせるのも雑菌繁殖の原因になりますので、必ず蓋をしなければなりません。
お勧めは、トレーニング用シェイカーボトルです。容量は28オンスとなっており、容器の側面にはミリリットルで最大600ミリリットルまで、オンスで22オンスまで表記されており、内容量をすぐにチェックできます。 特許取得済みのミキシングシステムは、316のサージカルグレードのステンレススチール製ブレンダーボールワイヤー泡立て器を使用しています。また、ねじ式の蓋は漏れ防止シールが施されており、不意に倒したときの漏れも防いでくれます。
もう1つ、容器に入れて持ち運ぶ方法があります。タッパーなどを用意しておいて、その中に複数回分の粉末状のプロテインを入れておき、これを持ち運びます。飲む際には1回分の粉末をシェイカーなどに移して、水や牛乳と混ぜれば飲めます。 この場合、タッパーは完全に外出先でプロテインを飲むための、保存するアイテムとして利用されることになります。シェイカーに入れる場合には1回分だけですが、タッパーなら複数回分入れられます。
おすすめは、漏斗状の携帯用機です。1パックに150ミリリットルを入れておく事が出来ますので、1回が30g分程度が多いプロテインですから、5回分ほどはいっぺんに持ち運ぶ事が可能になります。 プロテインを飲むときには、逆さにしてキャップを外せばシェービングカップや水筒などに簡単に入れられます。
一度作ったプロテインを元に戻すことはできませんし、ご紹介した理由から作り置きもほとんど効果がありませんが、一時的な保存方法ならあり、25度以下の場所を選んで保存するという方法を取れます。 どんなプロテインでも、パッケージの注意書きには「直射日光や高温多湿の場所を避けて保存してください」というような記載がされている筈です。それは品質を守るためであり、守らなければ自分の体調を損なう恐れもあります。
そこで、直射日光が当たらず、25℃以下の場所を選んで保存します。プロテインを開封してから、高温多湿の場所で保存しておくと、ダニなどの細菌の発生がしやすく、衛生的に良くありません。 その為、日に当たることは無く、なおかつ25℃以下の温度を保つ事が出来る場所、例えば冷蔵庫の中などは、最もプロテインの保管場所として優れているのです。
一時的な保存方法などはあっても、基本的にはプロテインは作ったら作り置きにせず、早めに飲み切るのが最も推奨されています。プロテインを良く飲まれている方は、持ち運びの方法などを利用して、出来立てを飲むようにしてください。