今回は、腕立て伏せの正しい呼吸法についてご紹介します。普段は無意識に呼吸をしていますが、実は腕立て伏せの効果を最大限に引き出すためには、呼吸の仕方が大きな役割を果たしているのをご存じでしょうか。腕立て伏せを行うときの正しい呼吸法を知り、トレーニング中に意識することで、より効率的に引き締まった体を手に入れることができます。
腕立て伏せの正しい呼吸法を学ぶ前に、まずは腕立て伏せにはどんな効果があるのかを見てみましょう。
腕立て伏せで鍛えられる筋肉は、主に胸の筋肉である「大胸筋」、肩の筋肉である「三角筋」、腕の裏側の筋肉である「上腕三頭筋」です。また、体幹を含めた上半身全体を鍛えることもできます。 腕立て伏せで胸の筋肉を鍛えれば、男らしい厚い胸板を手に入れることができます。また、肩や腕は体の中でも目立つ部分なので、鍛え甲斐があります。
腕立て伏せは手軽にできる筋トレですが、上半身の目立つ部分を鍛えるのにも効果的な方法です。特に、サラリーマンであれば、いつもビシッとスーツが決まって見えるのは、胸板がガシッとしていて、きれいな姿勢を維持している方です。 せっかくのスーツ姿も、体型が崩れるとかっこよさが半減してしまいます。また、胸板が厚くしっかりとした体格は、顧客や上司など、仕事で接する相手からも頼れる存在だと感じてもらいやすくなります。
上腕三頭筋や三角筋前部を鍛えることで、男性は肩から腕にかけての男らしい引き締まったラインを、女性は二の腕のたるみを引き締め、肩から腕にかけての美しいラインを作ることができます。
腕立て伏せというと、腕や肩に力が入りがちですが、実は体幹を鍛える効果もあります。腕立て伏せの姿勢を維持することで、腹筋や背筋などの体幹を鍛えることができるのです。 体幹を鍛えれば、体のバランスが整い、体の痛みや姿勢の乱れを防ぐことができます。それだけでなく、筋肉がつくことで、疲れにくくなったり、体力が向上したり、体が引き締まったりします。 ただし、腕立て伏せの時に良い姿勢を保たないと、体幹を鍛えることができないので、辛くても良い姿勢を保つように意識しましょう。
このように、さまざまな効果が期待できる腕立て伏せですが、意識しているかいないかに関わりなく、無呼吸で行っている方が多いようです。中には、息を止めて行う方が楽に腕立てを続けられる、という方もおられます。 実際のところ、腕立て伏せを正しい呼吸法で行うのはかなり難しく、全身の姿勢を維持するためには、全身に力を入れなければならず、呼吸が止まりやすくなります。
しかし、呼吸をせずに腕立て伏せをするのは非常に危険ですし、たとえ呼吸をしたとしても、正しい呼吸法がなければその効果を最大限に発揮することはできません。正しい呼吸法を身につけ、実践していきましょう。
腕立て伏せは、お腹や足など全身に力が入るため、ついつい息を止めてしまいがちなトレーニングメニューです。しかし、呼吸は腕立て伏せにとって非常に重要な要素であり、呼吸をせずに取り組むと、さまざまなデメリットが生じます。 ここでは、腕立て伏せで呼吸をしないことによるデメリットについて説明します。毎日、腕立て伏せをしているのに、一向に結果が出ない、こんなことにならないためにも、無呼吸の弊害について知っておくことが大切です。
呼吸をせずに腕立て伏せをすると、トレーニングの効果がなくなってしまいます。なぜなら、筋肉が疲れる前に呼吸が苦しくなってしまい、結果的に筋肉を最後まで追い込むことができなくなるからです。 また、スポーツ選手などは無酸素運動で筋力を瞬時にアップさせることがありますが、特に体を引き締める目的では有酸素運動をすることが大切です。そのため、効果を高めるためにもきちんと呼吸をするようにしましょう。
筋肉を成長させるためには、筋肉のパフォーマンスを最大限に発揮できる方法で行うことが重要です。どんなに理想的なトレーニングメニューを組んでも、筋肉が使えない状態では、筋トレの効果は半減してしまいます。 筋肉のパフォーマンスを上げるためには、筋肉の緊張を解いてリラックスさせることが大切です。常に緊張している状態では、使いたいときに使いたい筋肉を動かすことができません。 特に、呼吸をしていないときは、余計に体が緊張してしまいます。できるだけ体をリラックスさせて取り組むためには、呼吸を意識することが大切です。
呼吸をせずに腕立て伏せをすると、血圧の上昇や酸素不足を招き、危険です。腕立て伏せは、胸や腕だけでなく、胴体を固定するためのお腹や、曲がらないようにするための足なども使います。 口を閉じて呼吸を止めると、全身に力が入ってしまい、血圧上昇や酸素不足で気が遠くなったり、気を失ったりすることがあります。(ボディビルダーが高重量のトレーニングをしているときに実際に気絶してしまう例も)トレーニング中は呼吸を止めないように注意しましょう。
腕立て伏せは簡単にできて効率的なトレーニング方法ですが、正しいフォームで行わないと、思うような効果が得られません。腕立て伏せにはさまざまなバリエーションがありますが、ここではすべての腕立て伏せに共通する正しいフォームをご紹介します。
腕立て伏せのやり方は基本に以下のフォームで行いましょう。
腕立て伏せの正しいフォームは、首からかかとまで体を一直線にすることです。腰が上がっていたり、背中が落ちていたりと、正しくないフォームでは、思うような効果が得られません。まっすぐな姿勢を意識してトレーニングしましょう。
腕立て伏せに限らず、筋トレの基本は「重力方向に動くときは息を吸い、重力に逆らうときは息を吐く」ことです。ですから、腕立て伏せの場合は、床に向かって体を下ろすときに息を吸い、床を押して体を上げるときに息を吐きます。 また、息を吐くときに腹筋に力を入れることで、体を安定させて効果を高めることができます。他の筋トレをするときにも、この呼吸法を実践してみてください。
呼吸の仕方を頭において腕立て伏せを続けることにより、筋肉だけではなく免疫力にもよい影響を与えることができます。 呼吸を意識して筋肉がよく動くと、リンパ管が収縮し、老廃物の除去や細胞への栄養分の運搬に効果があるため、免疫力が向上します。つまり、呼吸を意識して腕立て伏せをすれば、病気になりにくい健康な体を手に入れることができるのです。
トレーニング上級者は、体幹の安定性を高めるために息を止めるというテクニックを使うことがありますが、初心者の場合は、呼吸とトレーニングを連動させる練習が必要です。 とはいえ、意識していてもどうしても息を止めてしまうという場合は、負荷が高すぎる可能性があります。日頃から運動をしていない方や、トレーニングを始めたばかりの方、女性には腕立て伏せはハードすぎるかもしれません。
そんなときは、膝を床につけて腕立て伏せをしましょう。やり方は、まず両手と両膝をスタートポジションにして腕立て伏せの姿勢をとります。そして、頭と膝が一直線になるようにします。行う動作は腕立て伏せと同じです。 この方法を試すことで、負荷を減らし、楽に呼吸を動作に合わせることができるようになるでしょう。腕立て伏せをすると息を止めてしまうという方は、ぜひこの方法から始めてみてください。
以上、腕立て伏せの正しい呼吸法をご紹介しました。腕立て伏せは小さな子どもから年配の方まで、非常に多くの方が取り入れているトレーニングですが、実は、正しい呼吸法で行わなければパフォーマンスが落ちることになります。 呼吸は普段あまり気にすることはありませんが、安全かつ効率的にトレーニングを行うためにはとても重要な要素です。トレーニング中に呼吸を止めてしまうと、トレーニングの効果を最大限に発揮できないだけでなく、体に悪影響を与えてしまう可能性があります。 腕立て伏せに限らず、筋トレをする際には呼吸を意識することがとても大切です。正しい呼吸法を知り、実践することで、より効率的にトレーニングを行いましょう。