ダイエットのために筋トレをしているのに、体重が増えてしまったという経験のある方は多いですが、筋トレによる体重増加は必ずしも悪いことではなく、変化の過程であることもあります。今回は、体重が増えてしまう理由と、増えてしまってもトレーニングを続けた方が良い場合をまとめてみました。体重増加に惑わされず、より健康的に、よりスリムに、より美しくなりましょう。
筋トレで体重が増える原因は2つ考えられます。実際にきちんとしたトレーニング効果を得るために、逆効果なことをしていないか、自分の生活を振り返ってみましょう。
同じ体積でも、筋肉は脂肪よりも重くなります。筋肉は脂肪よりも密度が高いため、実際には脂肪よりも20%ほど重いのです。 筋肉を使ってトレーニングすると、脂肪だった部分が筋肉になりますから、体重が増えたように感じるのは当然です。筋肉がつくと見た目は引き締まりますが、体重だけを見ると太ったように感じてしまいます。 痩せることだけを考えてダイエットをしていると、「体重が増える=太る」と思ってしまうかもしれませんが、単純に「体重を構成する脂肪と筋肉の比率が変わった」と考えれば、何も恐れることはありません。 自宅に体重計がある方は、体重の数値だけでなく、体脂肪率や筋肉量の変化も確認してみてください。
筋トレは、筋肉だけでなく骨にも刺激を与え、骨密度を高めると言われています。筋肉と同じように、骨の密度が高ければ高いほど体重が増えるので、骨密度が上がると見た目にも太ったように感じられるのです。 普段はあまり意識することのない骨ですが、女性は特に骨密度が低い方が多いので注意が必要です。骨密度が低下すると、骨粗しょう症になったり、ケガをしやすくなったりして、大きなリスクを伴います。 筋力トレーニングは、骨密度を高めるのに最適な方法ですので、ぜひ積極的にトレーニングを続けてください。
筋肉はトレーニング中に破壊されて炎症を起こし、それを修復して成長していきます。炎症を治すために、体は水分を蓄積しようとしますので、筋トレの翌日は体内の水分量が増え、むくみや体重増加の原因になります。とはいえこれは、筋トレをしっかりやった証拠ともいえますので、心配する必要はありません。
筋トレによる体重増加は正常ですが、それが正常範囲内でない場合は注意が必要です。筋トレによる体重増加が上記のいずれかの理由によるものであれば、心配する必要はありません。 危険なのは、体重増加の原因が他の要因である場合です。例えば、筋力トレーニングをすることで得られる達成感や安心感から、過食に走ることがあります。摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、痩せることはできません。 筋トレが厳しければ厳しいほど、ストレスが溜まりやすくなり、暴飲暴食してしまう可能性があります。そのため、脂肪を溜め込まないようなメニューを選び、それを継続することが大切です。自分の体重が正常かどうかは、BMI値を確認することが目安になります。
筋トレの正常範囲内では、いつ頃から体重が増え始め、いつ頃から減っていくのでしょうか。ここでは、筋トレで体重が増えたり減ったりするタイミングやペースについてご紹介します。
筋トレを続けていると、「筋肥大」という現象が起こり、体重が増えてしまうことがあります。しかし、それでも筋トレを続けていくと基礎代謝が上がり、脂肪も燃焼しやすくなるため、体重の減少が期待できます。 具体的には、筋トレを始めた最初の1ヶ月ほどは筋肉量の増加により体重が増加し、1ヶ月後くらいから体重が減り始めると考えられます。これは、トレーニング内容や体調によって個人差がありますので、あくまでも目安としてお考えください。
ここまでで、筋トレで体重が増えるのは当然という仕組みについては理解していただけたと思いますが、それでは、どの程度までなら筋トレで体重を増やしても大丈夫なのでしょうか? 自分の体重が適正かどうかを調べるには、BMIを確認するとよいでしょう。BMIは22が理想ですが、25以下であれば正常です。この値を超えたり、異常な速度で増加したりする場合は、食事管理が不十分なために体重が増加している可能性があります。そのような場合は食生活を一度見直してみましょう。
ダイエットのために筋トレを始めた方や、細マッチョになりたいと目指している方の場合、体重が増えるとやる気がなくなってしまうことがあります。筋トレをする意味がわからなくなってしまうのかもしれません。しかし、体重が増えても筋トレは絶対に続けるべきです。ここからはその3つの理由についてご紹介します。
私たちの日常生活では、運動したり、考えたりすることでエネルギーを消費しています。しかし、運動していなくても、心臓が動いたり、呼吸をしたりと、それだけでエネルギーは消費されています。 このように、生命活動を維持するために必要なエネルギーを基礎代謝といいます。基礎代謝が低くなると、「体が冷える」「疲れやすい」などの不調が出てきます。 この基礎代謝は上がったり下がったりするものですが、基礎代謝をより活発にしようとする時に役立つのが筋肉なのです。その点、筋トレを続ける事によって、基礎代謝を上げる働きがあります。体重が増えているということは、筋肉が増えているということで、その変化は目には見えませんが、トレーニングを続けるうちに基礎代謝が上がっていきます。 そのため、せっかく始めた途中でやめてしまうのは非常にもったいないことだといえます。あきらめずに筋トレを続けて、基礎代謝を上げておきましょう。
筋トレで痩せたいのであれば、特に大きな筋肉を鍛えることをおすすめします。大きな筋肉の方が動かしやすく、早く筋肉がつくからです。大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部、大胸筋などが大きな筋肉になります。 体重の増加が気になる方は、これらの部位を重点的にトレーニングしてください。これらの部位は他の部位よりも筋肉が付きやすいため体の基礎代謝が上がり、他の部位を鍛えたときよりも早く体重が減る結果に繋がります。
女性には「筋トレをすると太る」というイメージがあるようです。トレーニングを続ける中で、体が「ゴツゴツしてきた」、「筋肉の見た目が気になる」という場合はどうすればいいのでしょうか? 対処法としては、フォームを見直すことをおすすめします。体の中でも、筋肉がついていると特にゴツく見えてしまう部位があります。 例えば、大腿四頭筋と呼ばれる前ももは、スクワットで鍛えることができますが、同じスクワットでもフォームが違えば、筋肉の付き方も違ってきます。前ももの筋肉が引き締まっていると、「足が太い」と感じてしまうことがあります。 そこで、スクワットのフォームを変えるだけで、前ももの筋肉の付き方が変わり、ゴツゴツした印象になるのを回避できます。このように、自分の体のイメージに合わせて、トレーニングのフォームを変えることが大切です。
それでは最後に、筋トレをしても体重を増加させないコツについてお伝えします。ここでご紹介するポイントを意識してトレーニングを行えば、やみくもにトレーニングを行うよりも、得られる結果は格段に良くなるはずです。
筋トレだけではなく、トレーニングにランニング・サイクリング等の有酸素運動を取り入れることが1つ目のコツです。有酸素運動は、脂肪をエネルギーとして使うため、ダイエットにとても効果的です。筋力トレーニングでまず基礎代謝量を増やしてから有酸素運動をすれば、より効率的に脂肪を燃焼させることができます。効率的なダイエットを望む方は、ぜひお試しください。
2つ目の方法は、食生活を変えることです。糖分や脂肪分を減らし、タンパク質やビタミン、ミネラルを多く摂るようにしましょう。食事の量を極端に減らすのではなく、メニューに含まれる栄養素を考慮してバランス配分を考えることで、よりスムーズに体重を減らすことができます。
この記事では、筋トレで体重が増えてしまう原因について、また体重増加しないための筋トレのコツについてお伝えしました。筋トレは正しく行い、継続することでダイエット効果が期待できますので、体重が増えたからといってすぐにやめないようにしましょう。